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2004年09月08日(水)


■「どーなつ」北野勇作
久しぶりにSFを読む。いまどきのSFだなあと思う。もろもろの境界が曖昧になっていくのは淋しいことなのか、それとも全体的にひとつになっていくということなのか、なんだかもうよくわからないのだけど、やっぱり気になるテーマではある。物語の曖昧さは、あとがきで補完されている。微妙なのだけど、なんとなく気になる…という作品だった。

■「金色の魚」竹森千珂
木棚さんのHPに作者のインタビューが載っているのを読んで、それでちょうど図書館で見つけたので借りてきました。詩人ウケしそうというか、物語は破綻しまくっているのだけど、詩の連作であるような、言葉のセンスと夢心地な雰囲気と作者独特の感覚を武器に力技で一気に書き上げた…という作品。インタビューを先に読んでしまったせいか、「まんまだなあ!」とちょっと可笑しかった。作者もどの登場人物もどの場所も、ひとつのものに溶け合ってしまっていて(あるいは分かれることができなかったというか)、これは物語というよりは夢とか妄想の類である。それがこの小説の場合は結構かわいいものだから、これはこれでよいのだろうなと思う。