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2006年06月05日(月)


■クモが。。
けっこう前に入り込んでいたちょっと大き目のクモが、今朝になって壁を這っていたので、慌てて家具をどかしたりして追い出しました。うーやっぱりずっと家の中にいたんだ。。すごい足が速くて、前は捕まえられなかったんだけど、今日は弱ってたみたいであっさりお縄に。昨日蚊取り線香炊いたからかも。

■『タイタンの妖女』 カート・ヴァガネット・ジュニア
やられたー。

爆笑問題の太田光お薦めの本ということで興味が湧いて読んでみました。「猫のゆりかご」など、いろいろ有名な本を書いているひとですね。

語り口はユーモラスで、主人公がいろんな星に飛ばされたりして、荒唐無稽な展開が続くのだけど、ストーリーはわかるのに、いったい何の話をしているのかよくわからなくて、この感覚は大江健三郎の「宙返り(読み終わってないけど)」と「妄想代理人」以来でした。

最後の最後にやっとわかって、最後の3行で泣きました。泣く話じゃないだろう、と自分にツッコミを入れつつ、こみ上げるものが(笑)。ほんとなんで泣くかなーと思いつつ、かなりマジ泣き(笑)

最初は宗教を揶揄した話、もしくは人間の尊厳の話だと思っていて、そのあとはずっとものすごい憎しみの話かと思っていました。でも全貌が見えてみるとものすごい虚しい話で、でも虚しいといってしまうのも本当はちょっと違っていて、連綿と続いてきたひとの営みのなかの、ほんの一瞬の輝きがありました。ここに出てくる人間すべてにとって、ほんとにひどい出来事ばかりが起きるのだけど、不幸は程度の差、または観点の違いでしかなくて、幸福とはあまり関係のないものなのかもしれない。

で、ちょっと読みづらいんですけど、この訳者の朝倉久志氏は電気羊なども訳していますね。これも面白かったけど読みづらかったな。それが悪い感じでもないのだけど、硬質で少し回りくどいので、この手の訳本を読みなれていないとなかなか進まないかも。すっごい時間かかかりました。でも最後まで読んでよかった。