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2009年02月25日(水)
■なかなか変換できないル=グィンの。 『闇の左手』は素晴らしかった。SFとして素晴らしいとは言えないけれど、小説としては素晴らしい本だ。人は頭で考えることに慣れすぎている。行間には、形にならなかった彼女の思念に満ち溢れている。形にならないからこそ、広がりがある。形が出来すぎているものは詩にしろ映画にしろアートにしろ、逆に何かが足りないということになる。 ようやく読み終えたので、泉鏡花の『高野聖』を読み始めている。3度目。初めて読んだときに、なんであんなに苦労したのかわからないが、まあ3度目だし、読みずらいこともなく、むしろいちいち文体がツボに入り、読む手が止まる。 風呂では逆上せそうなので、今日は雑誌を持って入った。文藝、古川日出男の特集号である。もともとバックナンバーの購入で、さらにずいぶんと放置していたが、なんとなく時が来た、と思って。 拾い読みはせず、1ページ目から本気読み。古川さんと柴田さんの対談がアツい。自分の引いたあるラインからは一歩も引かないぞという彼の強い意志は、彼の小説からも感じられる。だからわたしは古川さんの小説の出来とか面白かったかとかそんなことは二の次で、わたしは古川さんの書く小説が好きだ。 対談の次は、江國香織、角田光代、小澤征良の2ページずつのエッセイ。女性作家3名。これは角田さんに軍配。わたしは江國さんしか読んだことがなく、しかも結構な冊数を読んでいる、にもかかわらず、江國さんは何を言っているのかよくわからなかった。 ここまでで完ぺきに逆上せ、次回へ持ち越し。 ![]() |