「ねぇ二郎さん、私と一緒に死んで頂戴?」

問いかけても二郎さんは答えてくれない。
ただ水槽を泳ぐだけ。

「ねぇ二郎さん、私と一緒に死んで頂戴?」

関東の片隅で金魚と心中しようかと
少し考えて止めたのはきっと
それが甘えだからなのだろう。

「ねぇ二郎さん、私と一緒に死んで頂戴?」

問いかけても二郎さんは答えてくれない。
ただ水槽を泳ぐだけ。

「ねぇ二郎さん、私と一緒に死んで頂戴?」

呟きながら 私は今日も彼に餌をやるのだ。

「ネェ二郎サン、私ト一緒ニ死ンデ頂戴?」
2007年10月01日(月)

AGO。 / 走馬真人

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