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左肩の引き攣れた傷跡 大分薄くなった過去
色の少し違う 盛りあがった其は 時間の経過と共に 少しずつ少しずつ 馴染んでいった
多分、もう消えないんだろう 色素が沈着した長さ六センチ 白く変色した幅一センチ その他まばらに散らばる 不自然な切り傷の痕
私はそれを 手首に刻めなかった 手首から腕に刻むのは 薄い、薄い、 猫の引っかき傷の様な物ばかりだった
誰にも気付かれなくていいと思ってた 痛みだけあればマトモでいれると 此の痛みあれば泣かずに済むと だから 同じ場所を何度も何度も何度も 切った 先生に、一生消えないよと、言われた傷
歪んだナルシズム? 心の叫び? 答えは何処に?
痛みだけあればマトモでいれると思ってた 痛みがあれば泣かずにすんだ 泣いてる暇があったら原因を正せば良い 嘆く暇があるなら行動すれば良い そう、言ってた。
歪んで撓んで いつしか 口から出てくるのは弱音ばかりで 其が出てこないようにまた腕を切った
口に出したなら実行すべきだ。 実行できないなら口に出すべきではない。 それが、酷く素晴らしい生き方に、思えた。
結局実行できなかった。 だから私は それを口にすべきではなかった。
ホラ結局口ダケダッタ。
有言不実行はいらないんだ。 それではあの人達と同じなんだ。 それは避けるべきなんだ。
結局実行できなかった。 だから私は それを口にすべきではなかった。
確実に死に至る場所を知っていて尚 死なない場所を切り刻むのは 多分怠慢で 多分侮辱だ。 きっとまだ大丈夫なのに大丈夫じゃないふりをしているだけできっとまだ十二分に笑えるのに誰かに甘えているだけできっともう大丈夫なのにまだ大丈夫じゃないふりをしているだけで。 この時期は、墜ちて行くその感覚に吐き気がする。 揮発性が欲しい。
閉じたフラスコの中 呼気も吸気もなく ただただ 「ホントウ」であれば、いいのに
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2008年04月14日(月)
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