気ままな日記
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職場で、必要があって4,5年前の書類を見ていたときのことだ。副所長の欄に見覚えのある名前。ひとりの男性の顔が浮かんだ。 わたしたちの組織では、60才が定年なのだが、退職後も何年かの間、勤務し続けることができる。まあ、再就職制度のようなものだ。 彼はわたしが3月まで勤務していた職場で、この再任用制度によって事務の仕事に就いていた。1番窓口に近い席に座り、小児特定疾患の申請書類の整理やら発送やらを下を向いてせっせとこなしていた。周りは彼よりもそうとう若い人ばかりだったこともあって、どこか馴染んでいないような、遠慮がちなような、しょぼんとした感じが漂っていた。 年下の上司に文句をつけられて、ペコペコしている場面を見かけたこともある。 目にした名前は、紛れもなくその彼の名前である。どうやらこの職場で副所長として勤務したあと、定年退職によって、件の職場に再任用されたらしい。 見てびっくり。事務所の中で、「実権」を握っているのは所長よりもむしろ副所長である。すべてを総括してやりくりするちょっとばかり恐れ多い人。 その役職に、彼が就いていたなんて。いまだに信じがたい。 人間、座る席によって、まわりに発散させる雰囲気も、風格も、そしてまわりからの扱われ方も全然違ってくるものなのですね。
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