Deckard's Movie Diary
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2001年05月08日(火)  トラフィック

 アカデミー賞4部門受賞の『トラフィック』を観ました。かなり、読解力が試される映画でした。登場人物の多さと展開が複雑に絡み合って、ちょっと気を抜くとストーリーが分からなくなってしまいます。監督は『エリン・ブロコビッチ』とのダブル・ノミネートというマイケル・カーティス以来の快挙を成し遂げたスティーヴン・ソダバーグ。ハーフトーンを無視した粒子の荒れた画面からスタートしたこの映画は、2時間半のほとんどが手持ちカメラで、ライティングも極力控えめにして、全編ニュース影像のようなトーンで構成されています。ともすればB級になりがちな手法を見事に昇華して、一級品の娯楽大作にした監督の演出力は大したものです。まるでドキュメンタリーを見ているように、リアルな空気で溢れています。・・・で、ただそれだけです。もちろん「ただそれだけ」といっても見る価値のある傑作です。良く出来ているけど、ただそれだけの映画。


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