蜜白玉のひとりごと
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自己紹介のページ(蜜白玉)を作り替えていて、思い出したことがある。
高校3年生のちょうど今頃、私は自分を変えたくてたまらなかった。他人の目なんか気にしないで、のびのびと自由に生活できるようになりたかった。その頃の私は、相手の期待に応えようとか、嫌われないようにとか、親や先生やクラスメイトに「どう思われるか」ということの方が重要で(正確に言えば、「重要」だったのではなくて、「強迫的にそう思い込んで」いて)、「自分はどうしたいのか、何をやりたいのか」ということは常に後回しになっていた。
だから、いつも違和感とか無力感を感じていたし、釈然としない自分の態度に自分自身でいらいらしていた。自分を変えるのなら、変えたいのなら、今しかないと思って、大学に入るのと同時に私は家を出た。
それから2年半、一人暮らしをした。今は再び家族と一緒に住んでいるが、この2年半の一人暮らしはとても貴重だったと思う。
「誰もいない」「ひとりぼっち」ということがどんなことなのかしみじみわかったし、良くも悪くも自分と向き合う時間がたくさんあった。本をこよなく愛する人に出会い、影響されてたくさん本を読むようになった。おかげで、小さな本棚はすぐにいっぱいになった。友達を家によんではよく食べ、よくしゃべり、よく笑った。落ち込んだときには気の済むまで泣き、強いお酒も飲めるようになった。20歳を過ぎてなお、1ヶ月間の不登校を経験し、自分の幼稚さ加減に気づいた。
結局のところ、当初の目標だった「他人の目なんか気にしないで、のびのびと自由に生活できる」自分に変われたかというと、変われたような気もするし、そうでないような気もする。
今の私は、面倒なことには「めんどくさい」と言い放ち、たいていのことを「適当」にやり過ごしている。少しふてぶてしくなったし、それから、そういう自分が好きになった。人間の「しょうもないところ」をいいと思えるようになった。このことは私にとって、ものすごく大きな収穫だ。きれいなものや完璧なものじゃなくて、いびつなものにこそ、いとおしさを感じる。
** TODAY 'S BGM ** Mariah Carey / Jesus Born on This Day
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