蜜白玉のひとりごと
もくじ|かこ|みらい
『高慢と偏見』を読み終わる。驚いたことに、ジェーン・オースティンはこの作品を21才の時に書き上げていたという(発表はそれより10年くらい後)。人間をよく観察する眼をもつためには、何も年月が過ぎる(経験を積む、年齢を重ねる)のを待つだけではないのだなと思う。その若さで人物をこんなにもうまく書き分けられる人もいるのだ。
『高慢と偏見』は、映画「ユー・ガット・メール」を観たときからずっと気になっていた。「ユー・ガット・メール」の主人公、キャスリン・ケリー(メグ・ライアン)は大の本好きで、特にこの『高慢と偏見』はもう何百回も読んだということになっている。映画の中でキャスリンは『高慢と偏見』について「・・・なんと言っても言葉がきれいなのよね。・・・『かなたに』とか『・・・』とか。エリザベスとダーシーは最後には結ばれるのかと思うと、もういつも悶々としちゃうのよね。本当にすばらしいんだから!読んでみて!・・・」と絶賛する。
ここまで言われたら、読まないわけにはいかない。とりたてて言葉がきれいだとは感じなかったけれど(翻訳だからかもしれない。英文ならきれいなのだろう)、おもしろかったことは確かだ。後半に進むほどに、人物のさまざまな思いが交錯していく様子は見事で、どんどん惹きつけられていく。好みもあるけれど、比較的らくに読める作品だ。
『高慢と偏見』は訳者によっては『自負と偏見』とされているものもある。
|