蜜白玉のひとりごと
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6時から東京駅近くで大学の同窓会。前日まで服も靴も決まらず、会いたいような会いたくないような煮え切らない気持ちだった。何より自分の今の状態に自信がないのがいけない。対策として一眼レフを持っていくことにした。写真を撮っていれば間がもつと思って。
70人くらいのクラスで今回は43人集まった。卒業してちょうど10年目で、わりと頻繁に会う10人くらいを除けば、卒業以来会うのはこれが初めてだ。約束の時間にぞくぞくと集まる顔を見れば、当たり前のようにどれも知った顔ばかり。名前が出てこないのはきっとお互いさまで、名札をつける案は良かった。みんな全然変わっていないというのはおこがましいかもしれないけれど、本当にみんな拍子抜けするくらい変わっていなかった。もしくはいい具合に変わっていたとも言える。あの頃のおもかげのままほんの少しだけ大人になって、それぞれ酸いも甘いもひと山(あるいはふた山)越えて、全体として性格は明るくまるく素直になっていた。こんなにやさしく包容力に満ちた集団があるだろうか。もちろんひさびさの再会であることや、お酒を飲みながらの短時間のおしゃべりであるからこそ成り立つものかもしれない。でも大勢の人と会い、嫌な思いひとつせず、すいすいと楽しい話ができたのは、まったくうれしい驚きだった。
はじめの2時間は会う人ごとに話していたらあっという間で、たいして食べもしなければせっかくのカメラもぶら下げているだけ。最後にお店の人に集合写真をお願いした。その後どうにもしゃべり足りないから2次会も出席。お店を移動してやっと座って少し落ち着いて話をする。それでもほとんど食べず、あまり飲みもせず、ずっとしゃべるか、あるいは部屋の中をうろうろして写真を撮って回っていた。わかったのは食べていたらしゃべれないし、あまり酔っ払っては写真が撮れないということだ。
カメラを面白がってくれた人もいて、たくさん写真を撮らせてもらえて満足した。いつもは花とか風景とか当たり障りのないものを撮ることが多いから、人を撮るのは新鮮で楽しかった。明るいレンズにしてフラッシュを使わなかったのはいい選択で、みんな話に夢中でカメラには気づかないから、結果としていい表情が撮れたと思う。間接照明やオレンジっぽい光の室内だったため、写真は全体に暗く手ぶれが多かったのが反省点で、家に帰ってから相方に相談したら、シャッタースピード優先にすればいいと教えてくれた。そんな基本がまだわかっていないのである。それでも写真は撮れる。次は1月に大学主催の本格的な同窓会があるようなので、そこでまたみんなに会えるといい。それまでにはもっとカメラの腕を上げたい。
さっそく翌日には撮った写真を次々とトリミングしたり補正したりして、ウェブアルバムにアップした。カメラを持って行って正解だった。間がもつなんてものじゃなかった。できあがった写真を見ていたら、あの楽しい時間がすぐ近くにあるような気がしてふわっと小さな元気が出た。みんなそれぞれの場所でがんばっているんだから、私も腐らずに自分の人生がんばろうと思えた。カメラの思いがけない効用である。
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