蛍桜 |
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雨 |
もし、君は空が晴れていたならば、その天気をなんと言う? 「いい天気」 と言うかな。言わないとしてもきっと、そう思うだろう。 「いい」天気。どうして晴れは「いい」天気なのだろう。 確かに雨が降らなくて、じめじめしない。 確かに雲がかかっていなくて、明るい。 だけど、どうしてだろう。 fine weather というのはおかしい気がしてならない。 じゃあ、逆に言えば、雨は「悪い」天気じゃないか。 「あ、天気悪くなってきたね。」 なんて、普通に言うじゃないか。 どうしてそうなるんだろう。どうして? 僕は何故こんなことにこだわってるのだろう。 それは、僕は雨が好きだからだ。 「好き」と「良い」とでは違うって?そうかもしれないね。 でも僕は、天気に「良い」とか「悪い」とかつけないでいいと思う。 天気は天気なのだから。 雨は自分が悪い天気なんて思ってないよ。 勝手に僕らが思ってるだけだろ。 晴れはもしかしたら、自分が嫌いかもしれない。 みんなが暑い暑いと言っても照らすことしかできないから。 僕が雨を好きでいる理由。 それは、冷たさ、暖かさ、重さ、透明さ、挙げればたくさんありすぎる。 いや、挙げるものではないかな。こういうのは。 とにかく僕は「雨」というものが好きなのだ。 僕には太陽の光が眩しすぎるからかもしれない。 雨に濡れれば服に水が染み込み重くなり、 それは僕の中では世の中の重さに変わる。 透明な雨の雫に光が当たると、まるで宝石のようじゃないか。 雨は悪魔でもなければ、悪い天気でもない。 雨は雨なんだ。 いまさら人々に僕がどれだけ大きな声で 「雨は悪い天気じゃない」「晴れをいい天気というのは間違っているよ」 と叫んだとしても、晴れをfine weatherというのは変わらないだろう。 僕だってきっと、知らない間に 「いい天気だね」「悪い天気になってきたね」なんて 言ってるかもしれない。 これは深く考えるだけバカなのかもしれない。 ただの言葉のあやじゃないか。 ただの日本語じゃないか。 それが普通なんじゃないか。 だけど、どこかやりきれない僕がいる。 それでも fine weather は変わらない。 |
2002年03月31日(日) |
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