Comes Tomorrow
ナウシカ



 虐待の境界例

テレビでは、立て続けに残酷な虐待のニュースが流れる。
本当に痛ましい。
虐待は発見もしにくいし、仮に気づいた人がいて専門機関に通報しても、なかなか介入しにくい。
日本の親子神話が根強いせいではないだろうか?

でも私は生命の危機まではいかないまでも、子供の心に深く傷を負わせる親が、身近に何人もいることの方が深刻ではないかと思う。
いや、それを虐待と認識しない、または感じ取ろうとしない社会の無関心さ、自分さえ良ければという身勝手さの方が深刻だ!

上の娘が通うスイミングの同じクラスに、3歳ぐらいの男の子を連れた若いお母さんがいる。
男の子がスイミングに入ってる間、そのお母さんは2歳ぐらいの女の子と見学しているのだが、ちょっと周りの親子連れとは違う。
いつも物凄い形相で、2歳の女の子を叱りつけている。

『ここで待っとけって言うたんがわからんのかー!靴下ぬれたやろー』
と平手で殴り倒し、その子を小突き倒して、プールから上がった息子さんだけ連れてスタスタ行ってしまう。
2歳の子がお母さんから離れて待つということができたら、その子は凄いよ!

少しグズって泣けば、『おまえ!うるさいんじゃ!泣くな!こっち座っとけ!』
見た目は、とても綺麗な今時のお母さん。
とても子持ちには見えない感じ。
でも人目も憚らず吐く言葉はヤクザそのもの。

3歳の男の子も2歳の女の子も、とても愛くるしい可愛い子。
そんな子達の心に刻まれる無数の傷は、将来どんな風に、その子達を苦しめることになるのか…
今、目にしてる大人達は想像もしていないだろう。
側で見ている私も正直どうしていいかわからない。
動揺してしまう…

言葉の暴力もれっきとした虐待にあたるが、それで児童相談所は動いてくれるのか?
下手にそのお母さんに何か言えば、更に酷くなるような気がする。

一度、お父さんが連れて来ていたことがあった。
お母さんとは凄く不釣合いの、かなり年上の感じの小太りな中年男性。
温厚そうで子供も懐いてて救われる。
祖父母が来ていたこともあった。
見るところ、お母さん方のご両親。
これもまた、どこにでもいるような孫が可愛くて可愛くて仕方ないといった感じのおじいちゃん、おばあちゃん。
どうか、どうか、守って上げて…


2004年02月01日(日)
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