白い壁紙と無機質な配置の家具 漏れる日光と明かりを灯さないまま 静かに流れ無かった刻(とき)を思い出す
善し悪しすら見えず 目前に在るものが解らず フェードアウトしてまた消えていく 机の裏に落ちてしまったままの大好きな玩具のように 何の声も聞こえず幻聴に魘される夢の中の夢
伸ばした手も爪を立てた背中も嘘で在れば 自責し続けても受け入れたくない自分も 飲み込まれなかったかもしれない
嗚咽混じりに綺麗に汚されたあなたを思い出す 遠い日の言葉に込められた思いに足を取られ 水面下で藻掻く僕を離してはくれない 経過に追いつけない遅刻者なのか
上書きばかりの僕だとして 離れられないのなら いつかは離すしかないのだろう 忘れ得ない日 笑いを失うあの日のこと
|