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私は自分でも認めているけどかなりハナがいい。 雨が降るのもけっこうにおいで当てたりする。 夏の日の雨と冬の日の雨はにおいが違うけど 夏の日の焼けたアスファルトが雨でしゅぅぅと湿った瞬間の においとか、なんとなく夏休みを思いだして胸がきゅうとなる。 冬の夜は寒さで澄んだ空気と夜空の明るさ、さらされて冷たくなった 頬を実感しながら帰り道を歩く。 東京の冬は、寒さで鼻の奥がピーンと張ったような冷たさだけど 私がもう一つ体験した冬。新潟の冬は、私の好きな冬だった。 雨や雪が多い土地なので空気が乾燥していないせいか 寒いけど湿った、独特の冬の空気だった。 雪が街や人の生活に根づいていた。 「雪とどうやって暮らしていくか」 それがあの人たちの冬だった。 そろそろ雪が本格的に降るよ、という頃には 街全体が除雪車や噴水機(温水)の準備にとりかかり 木々は雪の重みに耐えられるように補強されていく。 今ごろは雪が積もっているだろうか。 あれからもう1年以上たったけれどあの街の湿った冷たい空気を 思い出すと、胸のどこかが切なくなる。 いつかまた。 |
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