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店に行っても誰もあのコトについては口にしない。 いつもと同じように、空気は流れていた。 それが、なんだか余計にかなしかった。 ウチに着いても、どうしてもそのことで考え込んでしまったので Nに電話してみた。一人だと余計なことまで考え込んでしまいそう だったから。 電話したけど。呼び出したまま留守電に切り替わった。 でも、つながったら話そうくらいに思ってたので 電話はあきらめて一人でページづくりしていたら 携帯が、鳴った。 Nの声は、いつもよりも元気がなかった。 「もしもし」 「うん、・・どうしたの」 「ああ、ちょっと考え込んじゃって。今日一日」 「みんなそうでしょ。俺も考えてたよ。ずっと」 それから少しずつ、言葉を紡ぐように今私が思ってることを 口にして、Nもぽつりぽつりと口にした。 そのうち、ある事実を知って思わず私が泣いてしまった。 涙が出てしまった。ふいに。 こんなカタチじゃなくてもっと別の何かがあったはず。 彼らとは本当に長い時間を過ごしてきたから 余計に苦しかった。 だけど。泣いたら電話の向こうのNが困るだけだから 私は泣いちゃいけない、こらえなきゃ。と思っても しばらくは涙声になってしまった。 「今はムリかもしれないけど、またみんなで会えるでしょ」 と言ってくれた。そうだよね。私もそんな気がしてきたよ。 「こんな終わり方じゃいやだもんね、またみんなで会えるよね」 と言ったら「うん、きっと会えるよ」と答えてくれた。 だけどしばらくしてから突然、 「ああ・・駄目だ。なんだか余計落ち込みそうだ。ごめん、今日は切るわ」 「うん、分かった。ごめんね、ありがと。おやすみ」 Nも、私も、彼らとは仲良かったから。特にNは仲が良かったから。 私の電話で余計考え込ませてしまったのかもしれない。 でも、電話を切ったあとにメール入れて、 「一人だと考え込むよりNと話そうと思って電話したんだ。 今すぐはムリでもまた会える気がしてきたよ」 と送ったら 「あんまり考えないほうがいいよ。いずれ会えるって。おやすみ」 と返ってきたので、最後に 「うん、何だか今話してていずれ会えそうな気がしてホッとしたよ。 話聞いてくれてアリガト。おやすみ。」 とお礼を言った。 うん、いずれまた会えそうな気がしてきた。 それに今思うと、大変なのは当の本人たちなんだよね。 急にこんな話になって一番大変なのは彼らたちだ。 一人で落ち込んでて、反省した。 |
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