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2004年10月02日(土) 『ミス・サイゴン』(ソワレ)

まずは、イチローおめでとう!
年間259安打が、どれくらいすごいかは実感ないけれど、
「84年間破られなかった記録」と言われると、にわかに感動。
そりゃ本当に、「ものすごーーい」記録だわ。
だって、今の平均寿命を生きてたって、既に生まれる前から
記録があって、死ぬまで破られない人がいるくらいよね?
本当に、歴史を作る人っているんだなぁ・・・。


そんな訳で。
今日も今日とて相変わらず仕事している かずきですが、
久方ぶりに劇場にも行ってまいりました。なんとか遅れずに。
明日も仕事なので、なるべくサクッと感想書いておきます。
多分 推敲している余裕はないので、その点ご容赦下さい。


『ミス・サイゴン』(ソワレ)

<出演>市村正親、笹本玲奈、井上芳雄、石井一孝、
   高橋由美子、泉見洋平、杵鞭麻衣、足立和優(タム)
<指揮>若林裕治、<アンサンブル>つ組
<座席>帝国劇場、E-34番

一番の感想は、「さすが市村正親!」。
実はサイゴン6回目にして市村エンジニア3回目なのですが、
観るたび役が染み込んでエンジニア度が上がっていく気がする。
「どんなエンジニアか」とか、頭で考えようとしても無理で、
これが市村エンジニアなんだと納得してしまう感じ。
こういう感想は、読み返した時に記憶を取り戻す材料として
何の役にも立たないので本当は書きたくないのですが、
見ている時点で既に、言語化を放棄していたから仕方がない。
ただ、ものすごい存在感でした。特に♪「アメリカンドリーム」では、
彼しか感じられないほど全身で感覚が同化しているところに、
あまりに縦横無尽に動き回るので、酔いそうだったくらい(苦笑)

笹本キムと井上クリス。この2人は個々では気に入っていて
組み合わせるとどうかなぁと疑問を感じていたところ、見事に
すれ違って、一度も幸せな恋愛カップルにならないのが良かった。
「この娘を守れば、アメリカンとしての正義は守れる」と思い込んだ
クリスと、「私のために命懸けてくれる王子だ」と思い込んだキム。
最初から最後まで救いのない話になるけれど、私にとっては
好きじゃなくても理解しやすい作りの『ミス・サイゴン』。

だけど、作りが良くたって役者がなぁ・・・。
今日は2人とも、慣れで流してしまっている印象を受けました。
動きも歌も荒い。なんか、段取りを踏んでいるだけのような。
特に笹本キムは、短い台詞や歌詞を流して言うから聞き取り難い。
ソロを聴いた感じでは声をつぶしているわけではないでしょうに、
言葉を大切にしないで投げ出す感じに聞こえるのは、何故?
♪「世界が終わる夜のように」も、こんなに長く感じたのは初めて。
この場面、勘違いであっても互いは幸せなはずじゃないの?
なんだかなぁ。

泉見トゥイにも2人に近い荒さを感じたので、正直1幕は、
ドリームランド以降は♪「生き延びたけりゃ」まで辛かったです。
石井ジョンもドリームランドでは派手な遊びっぷりに驚いたけど
♪「電話」では緊張感がいまひとつで上官らしくなかったし、
観る側は、ひたすらエンジニアの登場ばかりを待つ状態。
トゥイが殺される場面ですら、「今日はアンサンブルの
ユニゾンがいいなぁ」なんて方に意識を割かれてたくらいで。

それが、2幕になって面白くなったのは石井ジョン。
「3年の間に何があった、お前?!」ってほど、人格変化。
あの女好きの遊び人が、できることならベトナム中の
ブイドイを自分の養子にしかねないくらいの人物に変身。
ただ一孝さんの強いところは、そこまで変化しておきながら
「きっとジョンにも3年で いろいろあったんだろう」と、妙に
納得させてしまうところ。別人に見えないのは何でだろう?

このジョンと高橋エレン、井上クリスの組み合わせは○かも。
いや、高橋エレンはもともと好きで♪「今 彼女に会った」は
毎回ぼろ泣きしているのですが、特に今日は良かったと思う。
エレンが「本気で」、クリスがキムを愛していたんじゃないかと
疑っているから、クリスも思い出したくない過去を彼女に告げる。
その「今とは違うんだ」を理解したからこそ、エレンは許す。
クリスは今のキムと会っていないから、その結論が
うまくいくことを信じられる。エレンは信じたいから信じられる。
ジョンだけは、それが「馬鹿げたこと」なことが分かっている。

最初から恋すらしていない、 うまくいくはずのないキムとクリスと、
振り回されたエンジニア、トゥイ、エレンの話。このエレンだと多分、
キムを自殺に追いやった自分を責めて責めて、でも「タムを
連れて行って」と言われて流されるがままにOKしたクリスに
もう一度信頼を持つことはできず、タムを連れて離婚するだろう。
そんな、誰にとっても救いのない話の最後に、それでも、
ジョンが相談相手になってくれるだろうから、エレンとタムは
それなりに幸せに暮らせるかもしれないと思えたのが救いだった。
「自分にたまたま子供がいなかったから言えるだけでしょ?」
と思わず言いたくなるような偽善さが全く感じられないのは、
本当に稀有なジョンだと思う。でも、どうしても後味の悪い、
舞台の最後に彼がいたことで、少なくとも私は少し救われた。
それが『ミス・サイゴン』として正しいのかは分からないけれど。



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