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2004年11月17日(水) やっと『ミス・サイゴン』。

『ミス・サイゴン』17:15〜、H−31
市村・松・井上・岡・ANZA・戸井・高島・内田

うわ〜すごい。
私、今日、ちゃんとキムの物語だと思って観終えた。
「何故こんな子が死ななければならなかったの・・・」
なんて、ボロボロ泣きながら思ってた。何だか不思議。

ドリームランドで踊ってるキムを観ながら、
やっぱり松さんは動きがきれいすぎて変だと思っていた。
腰の回し方なんかも堂に入ってるし、やたら目立つし。
でも、サクソフォンの曲が流れ始めて、一度は通り過ぎた
クリスが振り返った瞬間、同じタイミングでキムが
鏡みたいに振り返り、2人が見詰め合ったわずかの間。
それが本当に「映画のような」出会いで、良かった。

松さんって、もともと、恋を演じるのはうまいと思う。
でも、ちょっとイっちゃってる感じが強すぎて、
8月からずっと、「怖い系キム」の筆頭だった。
でも今日は、最初から最後まで、とにかく
一生懸命クリスを好きで、可愛い小さなキムだった。
映画のように出会った王子様(ちょい語弊あるけど)しか
すがるものを持たず、純粋に全身で愛していたキム。

3年後、ジョンと再会したときの曲なんて、いつもは
「うわぁ、ここまで思い込みの強い女、キッツ〜」って
感じで、すっかり逃げ腰で観ている私なんだけれど、
今日は「ここまで無邪気に信じ込まれると言えない・・・」。
やってることは同じなのに、何が違うのかというと、
要は、「物は言い様」なんだろうとしか言えないけれど。
今日のキムは確かに、俗世間の汚れが全く感じられない、
澄んだ水の上に浮かぶ真っ白な蓮の花という印象。

確実に他キムとの違いを感じたのは♪キムとエレン。
自分はクリスの妻であると言ったばかりの女性から
「子供の親はクリス?」と聞かれた時の反応に驚いた。
ちょっと照れて、でも誇らしげに嬉しそうに答えたキム。
普段はあまり言えないけれど、彼の子供を産んだことが、
本当に嬉しくて仕方ないんだろうなと思えて、泣けてきた。
他のキムたちが「何?あなた、違うとでも言いたいの?!」
と、ケンカごしなのに比べて、あまりにいじらしくて切なくて。

エレンの存在にショックを受けてはいるけれど、彼女本人に
悪意を持ったわけじゃないのなら、最後の行動も分かる。
クリスやエレンに悪印象を持っていたら、死ねないもの。
エレンから自分に対する悪意(事実か否かはともかく)を
感じ取っておきながら、彼らに任せて死ねるのが疑問だった。
でも、真っ白に疑いなく信じているというのなら分かる。
「あなたの命決めるのは、誰でもないわ、この私」も、
「他の人たちなんかには決めさせないわ」ではなく、
「他の人じゃなくて、あなたの命を決めたのは私という
人間なの。お願い、覚えていてね」という感じなのかな。

何しろ、初めて、好意を持って観られたキムでした。
「なんでこんな子が死ななくちゃいけないの!」と思っても、
誰を責めたらいいのか分からなくて、やたら腹が立った。
これがきっと、『ミス・サイゴン』を観た人の感覚なのね。
やっとそこまでたどり着いたけれど、全然幸せじゃない。
改めて この作品が嫌いになってしまったかもしれないけれど、
でも、一応の理解にたどり着けたのは本当に嬉しいです。

しかし、このキム相手だと、トゥイの悪度は最大値かも(^^;
最近はすっかり、「頑なすぎるキムを何度も何度も何度も
説得しようとする非常〜に辛抱強いトゥイ」という構図が、
頭に染み付いていたのに、久々に今日は強権的イメージ。
いや勿論、一生懸命説得してくれる姿は見えるんだけど、
なんか、「NO」と言いたくなる雰囲気を感じるのは・・・、
私が単にキムに同化して感じているからだけか?

後は、細かいことをパラパラと。
松キム、全体的にはとにかく良かったんだけれど、
独白っぽい歌は苦手なのか、説得力が少なかったと思う。
♪今も信じてるわ は特に、最初もリプライズも一本調子。
「ああクリス、今でも信じてる、二人の愛は離れはしな〜い」
なんて、ヘリが降りて来る寸前の緊迫したいい場面で
感情が乗っていないまま歌われた時は、こけました。

井上クリス&岡ジョン。すっかり私の一押しさんたち。
岡ジョンについては先日熱く熱く語りましたが、
井上クリスはやっぱり、若くてどうにもバカなところが最高。
こんな話を観終えた後でも「こいつを責めても仕方ないか」
と、溜息とともに思ってしまう辺りが好きかな(苦笑)
彼は彼なりに誠実であろうとしてるのよね、きっと。

文句があるとしたら、靴を履く速度が遅いことくらい。
いつも、結婚式で見知らぬ男が何か言ってる間、
それを聞きもしないで必死に靴を履いていて、
下手すると彼らを追い出した後も、必死に祈るキムを
放置して、ひたすら靴紐に専念してたりするのはどうよ?

あと、声が相当ヤバい域に達しているようなのは不安。
そのかすれ具合が♪エレンとクリスなんかでは、
ちょっといい感じだけれど、やっぱり怖いから治って。
ついでですが、♪Why God Whyの歌い出しは大好き。
この舞台ではあまり使っちゃいけない声なんだろうけど、
「なぜ」の2文字を聴くだけでいつも「今日この舞台を
観に来て良かった!」と思うほど、大好きで溶けてます。

キムが主役、エンジニアは裏主役と思っているのですが、
何となく市村エンジニア、表に出すぎているような気が。
しかも「市村さん」として目立っちゃってるような気も時々。
♪アメリカンドリームの1本のドラマとしての完成度などは
本当にすばらしいと思うけれど、エンジニアとしては・・・、
筧さんや さとしの方が、私にはエンジニアに見えるかも。

今日、本格的に受け付けなかったのは、エレン。
のども本格的に厳しそうなんだけれど、演技も相当。
妻として、夫の子供を産んだ人への複雑な思いなんかは
ほとんど出さないという形は有りだと思うんだけれど、
リアリティを持たないまま成長せずに4か月終わった感じ。

あと、アンサンブルうるさい!
今日の組は、H列まで離れても細かい声が聞こえてくる。
それぞれ色々考えて役を作り込むのはいいんだけれど、
観ている側の感情の流れを妨げる演技はしないで欲しい。
新生レミゼを観ているかのようなアンサンブルだったかも。
ひそかに応援している人が こっちの組にいるのですが、
ホーチミンの体操ダンス3人組も未だにそろわないし、
選べるなら、もう片方の組がいいと思うのが悲しいです。

そんな感じ。
松・井上・岡・戸井がそろってるのは、今の一押し。
でも、もう無い。買い足す回がないのはいい事かな。
さとしエンジニアは単体でももう一度確認したいけど、
ウイークデイ(今週も土曜は仕事)マチネ男なので無理。
気がついたらMy笹本楽も坂健楽も終わってました。
4か月公演も、残りあと6日だもん、当然かな。
サイゴン、8月3回、9月2回、10月2回、11月7回。
さあ、ラストスパート、残りチケット頑張って観よー。



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