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2005年08月10日(水) |
「赤い夕陽のサイゴン☆ホテル」 |
<時間>1幕18:30〜19:40、2幕20:00〜21:00 <場所>ル・テアトル銀座1列13番(センター) <作・演出>水谷龍二 <出演> 富田幸恵:藤山直美、加賀満男:尾藤イサオ 小野寺功:今井清隆、亀井裕三:渡辺哲 内山ルミ:山田まりや、グエン:佐野瑞樹 バオ:駒田一、メイ:小林美江、タム:宮菜穂子 観光客:秋葉真美子&植栗留美、キエン:堀本能礼
だから結構私、商業演劇も好きなんですよね。 ベッタベタなネタで笑って、人情芝居でホロリとして。 藤山直美さんって、いわゆる「大阪のおばちゃん」の 思わず引いちゃう強さも持ってるんだけど、同時に、 ちょっと可愛い女っぽさもバランスよくある辺りが好き。 別れた夫に会いたくて、苦手な飛行機も頑張って、 サイゴンくんだりまでやってくる。でもそれを、 ちゃっかり、マネージャーの還暦祝にしたてちゃう。 元夫の娘を叱りつけたり、しっかりお節介おばさん。
そんな藤山さんと尾藤さんのコンビに関しては、 まあそりゃあ、合うでしょうと思っていました。 駒田さんも渡辺哲さんも、まったく問題ないはず。 ただ、藤山-今井ラインは、結構心配していました。 私の今井さん評は、「真面目一辺倒で色気がない」。 藤山さんが追っかけてくるような男に見えるだろうか? 皆の笑いのテンポを一人で崩したりしないだろうか?
結論から言えば、やっぱりつまんない男に見えたけれど、 「正直で不器用なあまりに友人に借金背負わされて、 迷惑かけたくないからと別れを切り出した男」には見えた。 ついでに、下手に逆らわずに藤山さんに素直に遊ばれて、 必死で笑いをこらえ、フルフル震えるのまで突っ込まれても、 「たまらないなぁ、この女(ひと)は」とでも言いたげな表情で 彼女を見ている姿が、結構いい感じで似合っていて、 幸恵と功に見えたってのが、意外にもなかなかヒット。 最後の夕陽の中でのド直球な告白シーンでも、藤山さんが おちゃらけないであげれば、うっとりできたかもと思ったし。
マネージャー氏は、「戦争中に爆弾積んで来たから、 サイゴンは2度目なんだよー」なんて軽く話しているし、 店を売っても返せるかどうかという借金も、日本での サラリーマン時代の仲間なら軽く借りられる額だったり、 少しずつ引っかかりを混ぜてある脚本も、飽きさせない。 その最大の引っかかりは駒田さん@バオだったけれど、 ガイドをする傍らでヤクを売り、ぼったくり商売をし、 日本人への侮蔑の言葉を吐いて走り去る役でありながら、 あったか人情喜劇の中で重すぎず、いい引っ掛かり。 作者演者ともに、好みのバランス感覚かも。
ストレートプレイではあったけれど、 幸恵が元歌手で、タムは歌手を目指していて、 満男の店ではショータイム歌手を雇っているという設定上、 結構 多くの歌があって、カーテンコールでは駒田さんまで 歌ってくれて、ちょっと得した気分もあったりしました。 宮@タムさん、可愛かったなー。歌は迫力あったし。 山田まりや&佐野瑞樹コンビがぱっとしなかった分、 彼女の一生懸命さ、明るさにも癒されたし。 何を言ってもやっぱり藤山直美ブラボー舞台だけれど、 周りも上手く配置されたまとまりある舞台だったと思います。 さすが、と言うべきかな。
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