異次元

独り暗闇の部屋に
僕は
異次元の入り口を見つけた
向こうに行くべきだと僕はとっさに悟る
そっと手を差し伸べている
誰かの影が見えていた
無言で立ち上がりそこへ歩み寄れば
ただずっと蒼い草原が続く
僕の真横で溜息をついた彼が
赤い実を食べて倒れていた
僕は確かにここは異次元だと言ったが?
口をついた彼の言葉に僕は立ち竦む
「ここはどこなんだ」
見渡せば瓦礫に埋もれた小さな花が見える
崩れた街並みが僕を脅かす
気が付くとまた僕は青い草原にいる
しかし空は赤く
記憶が映像のようにジグソーパズル仕立てで並んでいる
僕は後悔した
この場所に来た事に
彼に手を伸ばす・・・
ああ、彼は何処に?



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