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■まなざし
君に会えるのが嬉しかったからきっと、 いつもより 出かけるのに少し 時間がかかってしまったんだ。
遠いような近いような 中途半端な距離に居る君の存在が、 心地良くもあればもどかしくもあって それが最近のわたしの気分を支配している。
君の声が届く距離、 君の姿が見える距離、
君の居る空間に触れる時
呼吸をする事も 景色を眺める事も まるで違う世界を体感しているような気分。
君が少しづつ繰り出す言葉を、 意味すら理解も出来ないほどに ただ淡々と自分の体に刻み付けていたんだ。
言葉を交わせなくても、 その瞳がわたしを見つめてくれなくても、 この想いの一瞬を 燃やせるだけの君の力が届く事が わたしにはとても怖いくらいだった。
君の尊敬するアノヒトが、 何度も振り返って君に声をかける度、
まるで愛しい人に想いを馳せるような 真摯なその君のまなざしが
わたしの気持ちを いっそうに震えさせてた。
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