冬の帰り道



真っ暗な住宅街を
たくさんの人間を詰め込んで走り抜ける箱


駅に着くとぷっと吐き出されて
外の世界へ歩き出す


寒い夜空の下
寂れた商店街のなかにある


妙に明るいお店と
たくさんの物たち


あまりに不釣り合いな街と店と


悲しいほどに明るく流れるクリスマスソングが
なんだか可笑しくて


角にある人工的な明かりが溢れるコンビニで
あたたかいジュースを買う


全身を突き刺すほど寒い風の中


手の中と
心の中は


灯をともしたようにあたたかかった









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