「飼い猫」布団で待ってる、黒猫の裸かぼそい爪の跡に寂しさが残っていて女の腕のようにたわんだ屋根夜の下に刻みつけられた痛み興奮は風に乗る黒い心が家々の窓を叩くその度に猫が鳴くのだ目を伏せないで歯車を吐く私から目をそらさないで胸に顔を埋めてちりんちりん、鼻緒の下駄は切っていく無駄な鐘はつぶしていく金属が僕らを規定するなら君の首輪を壊すために旅に出るよいばらの鎖を断ち切って、夜の町から、夜の町から