すごく久しぶりにpoeniqueを覗いてみる。 詩会を読む。 特に過去のログ周辺。
たぶん、もうここにはでれない。 これから先、こういう磁場の渦巻いてるような場所で やりとりをできるようなスタミナが 僕の言葉には生まれてこない気がする。
枯渇してるんだけど。 以前のように、その枯渇に対して危機感がわかない。 書き手として終わってるのか。
枯渇?っていうのは適当じゃない。 体の中身が空っぽな感じ。 書きたいものがなくて、書きたい言葉が無くて。 いや、書きたいものはあるんだけどそれが切実なレベルじゃない。 つまり詩になるための理由がない。 実存とか肉体性? 僕が詩人としてここにいていい理由がない。
そしてそのことに危機感がない。 嫌だなあ、とか全然思えない。 ただ空っぽな感じ。 詩人としての自分がどこかへ歩いていってしまった。
どこにいるんだろう? なんか、見知った犬がどこかへ行ってしまった感じだなあ。
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「ジガバチの娘」
臍のうえ 私の中に虫がいて ごろりと寝ころぶ 指のさき ちくちくしている 虫がとれない もう、何年も前から
飼い慣らしながら歩いてきた 死にぞこないの虫を でもいつからか 私が奴隷で、虫が主人だった
まだ見たことのないお前は きっと芋虫だ 私の肉に根を張って 毎日を眺めている
雨の匂い/風の速度/草の味 私は知らない 私の代わりに記憶してくれている
ジガバチが、私の母親だったらいい 豚のようなお母さんより 冷たくて、鋭い いつかお前の母親に出会うことがあったら 私もジガバチの娘にして
ぷつっと 指の先が裂ける朝 そこから、息ができたら爽やかだろう 首筋にお前が 羽をそびやかし 一言も告げずに飛び去る
私の全てを抱えて、窓の隙間から出て行け そのとき初めて からっぽのじぶんで この世界を記憶し始める
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