2004年11月15日(月) |
詩なんて薄っぺらくなってしまうね |
入試が終わった。あとは発表待ち。
ふっと素直にお前への気持ちを書きたかった。 憎むのではなくて、愛おしいと。 浜風に、漆に荒れたお前の掌を 無意味につるつるとした僕の手と交換してあげたいと 思ったあの夜の気持ちに偽りはなかったよ。 背の低い、お前の頭を乱暴に撫でながら 責任を取らないだろうあの男を憎んでいた お前は何も悪くないんだ、きっと みんなはお前にも非があるというけれど おれはそうは思いたくないんだ 救ってやりたいんだ お前だけ 妹のようにこの三年間育ててきたつもりです 兄のように慕ってくれましたね ありがとう できるならこれからの道 君に風がなびきますように 光がなびきますように 王冠が、あなたのために光りますように 願いながら、おれはお前に冷たく接するのだろうか 最後までお前の憎しみを受け止めながら お前を憎むふりをし続けられるのだろうか
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「光、なびけよう」
きみの荒れた手に 光を握らせてあげたい 今まで僕が見てきたことすべて 光、二つ
手を伸ばしても 空に届かないのは百年前から同じ でもひとひらの光 風になびけよう
きみの背が青に届くまで 傍にいて上げられたら 踏み外しそうな梯子の世界で 君だけの王冠を
目を閉じた世界でも 破裂する音は聞こえる いつかきみも幼さをなくしていく
繋いだ掌 きしんだ感触 僕を離れて空へ向かう きみの荒れた手に、王冠をなびけよう いま僕の光二つ 見守る風になびけよう
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