沢の螢

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今日の話題
2001年12月23日(日)

コンコース
その1
「ぴしゃり!」と鋭い音。新宿駅構内でのこと。私は、中央線に乗ろうとして、いそいでいたが、思わず立ち止まった。人の流れを遮るように、若い男女が向き合っている。頬を押さえてうつむいている男。それを見つめている女。その目はきつい光を放って、男の顔に向けられていた。
何があったのか。女が男を平手打ちしたらしいことは、その場の状況から判った。無言である。込んでいるコンコース。人々が、お互いにぶつかり合いながらすれ違う場所で、その光景は少し異様だった。

その2
やはり新宿駅のコンコース。すれ違いざまに、女の声。「ねえ、私のこと、お前って言わないでくれる?」
男の返事は聞こえなかった。女の声は、少し気色ばんでいたから、男はその剣幕に、ちょっとひるんだに違いない。何か言ったようだが、周りの人には聞こえない。
私は二人の間柄を想像した。男が女に「お前」というのは、どの程度の関係なのだろう。ただの友達、もう少し親密としても、「お前」というのだろうか。それとも恋人以上に進んだ間柄なのか。少なくとも、男の方は、「自分の女」という気持ちがある。それに比べて女の方は、自分をそのように限定して欲しくないと言う気持ちがある。「あなたのオンナじゃないわ」と言うことなのだろうか。

行きずりに拾った些細なことから、私は色々想像するのが好きだ。

2001年12月23日 01時43分55秒

冬至
昨日は冬至だった。かぼちゃも食べずに過ぎてしまったが・・。これから寒さはいちだんと増す代わりに、日が少しづつ長くなるわけだ。神様は、ちゃんと帳尻を合わせてくれる。

捨てるもの残す物あり年用意

門の外多めに掃いて年の空

門の脇の山茶花があらかた散り、楓の葉も落ち、冬ざれの景色となった。葉や花が散る頃は、道路の掃除が大変だった。他人は勝手なもので、緑を愛でてもくれるが、一方で枯れ葉が道を染めるのを、疎むのである。風の吹く日は、かなり遠くの方まで、枯れ葉がころがっていってしまう。東京の緑は、人間の生活上の利便さと、自然を懐かしむ気持ちの板挟みの中で、少しずつ、失われていく。三連休の一日目が終わる。。明日は年賀状を書いてしまいたい。

2001年12月23日 23時08分31秒



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