かつて、忘れるのが怖いと思っていたものを 記憶のひきだしから引っ張りだしてみたら なんとなくわかったのでした。
感情を表したら 見知らぬ人がそれに気づいて 手を振ったり 遠くで泣いたり 言葉を返したりしてくれました。
外見だけ整った絵なんか正直全然つまらない。 私には自信がもてません。 でも最近はそればかり追いかけていました。 昔どうやって絵を描いていたのか、 ということをすっかり忘れていました。 対処法などなくてもただ悩みの原因をつかんだので 少しは楽になれそうです。 忘れるということはとても恐ろしい。 ただ思い出したからといって元にもどすことはできない。
苦しみと引き換えに亡くなったのは一種の魔法です。
つまり 私の絵には感情がなくなって 物語も発生しなくなり ただの絵になったのです。 そんな私の絵に 誰が応えてくれますか? 誰かのアンテナには何も届けられない。 | |
湖の向こうの月は 白く輝きながら 世界を照らしています 足元の草の艶やかな黒い光 夜はいつまでも続きます 安らかで永遠を見ているようです | |
やわらかい草を踏んで 薄色の空を仰ぐ時 脆い自分が一筋、頬を伝う
母性の悲しみと優しさに満ちた 本当に穏やかな午後
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