届いた
手紙の
涙跡
これは きつと
雨の いたづら。
生き続けるとしたら
きっと、
何も描けない空間は 存在し
泪こぼれるとしたら
笑顔の、
想い出になるでしょう
「心の鍵を亡くした」
胸の奥のコエを
歪んでいく空間を
凍える 炎に擬える
裏切り者の、見る夢は
今宵も ゆらゆら
ゆらゆら、と
僕を 背後で 炙ってる
「私って、どんな? ねえ、先生、喩えてくださる?」
嗚呼、眠たい
面倒くさい
まして
作家であるこの僕に、そんなことを
たずねるなんて
その猫撫で声も嫌いだ
軽蔑するね 下品だね
と、思っている筈
だのに
僕の口から出た、言葉は
「紅い、硝子細工」
お粗末、お粗末。
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