またキミの顔の、皺が増えた。
「ほら、ここ。」
キミは心底嬉しそうに
「ずっと一緒に居るからかな。笑い皺?ああ、 でも、言われると気になっちゃうなあ。」
と鏡を覗き込む。
僕はひとり、空を見上げ、
ぼんやり、キミを待っていた。
緑の匂い、蝉の声
オレンヂの雲は キミの髪の色みたい
大好きだった、あの頃の
あの頃の、色
誰にも心を開けず
とげとげしていた
オレンヂのキミが
僕にはふさわしい
今のキミは
僕には立派すぎて
僕には眩しすぎて
僕よりたくさんを知っているから
−駄目、だめ、そんなの。−
卑屈になるのは、また今度。
今日は、今日だけは、素直に
伝えたい言葉を選ぼう
「誕生日、おめでとう。」
それから
いつもキミが聞く、 あのオマジナイに
「うん。そうだよ。」
今日は誤魔化さずに
答えるから。
きっと きいて。
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