探偵さんの日常
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| 2002年09月30日(月) |
国家犯罪 〜国際手配の女(4) |
彼女は、某国の情報部員だった。
国家情報部の上層部に命じられ、二重スパイとして綿密な作戦の下、他国に国家犯罪を犯させる。言うだけならば簡単だが、そんな熾烈な任務を課せられた彼女の気持ちを考えると、私は気安い慰めの言葉をかけるのもはばかられたし、彼女が行った任務についても聞くことはできなかった。
再び部屋に沈黙が訪れる。ただ、私は彼女がそれほどのスパイであるとは、思ってもみなかった。一般人と見分けがつかないくらいの超一流ということか。
と、そのとき、
「失礼します」と言いながら障子をスルスルと開けて仲居さんが入ってきた。
「おいしそう」
彼女がつぶやく。 仲居さんが、歴史の流れが止まったような重苦しい空気を打ち砕いた。そして、食事という本能的行為を媒体にして、私と彼女は短い時間ながらも互いにスパイとしての本分を忘れ、熱い時間を過ごした。。。すっかり打ち解けた私は、
「今夜は、このままここに泊まろうか?下手なホテルより、よっぽど安全だから。」
と言うと、
「最後の東京の夜だから、朝まで付き合って。」 と彼女は言う。まるで、襲われた ことなどすっかり忘れたように。身も心も、すっかり私に許してしまっているよう だ。
身支度を整え、「うら多」を後にした。
「日本の温泉に入ったことはある?」
と聞くと、「ない」との返事。早速電話をして宿を取る。湯河原の某所にある隠れ宿だ。温泉に入って、最後の夜を楽しんでもらおう。そう私は思っていた。彼女をガードするという任務を忘れたわけではなかったが、それよりも今は彼女を喜ばせてあげたいという気持ちのほうが大きくなっていた。自分だけのガードではここまで大胆に動くことはしなかったろう。むしろホテルにカンヅメにして、部屋の周りを部下に見張らせるほうがよほど安全だ。
ただ、このように派手に動くということは隙も増える。影でガードしてくれている警察官、そして隙あらば危害を加えようとしているどこかの機関のことを考えると少し気が重かったが、それでも私としては、彼女に日本でできるだけのもてなしをしようという思いのほうが強かった。どこかで私たちの動きを把握しているであろう依頼者、そして田園調布の男からも電話はかかってこない。好きにしていい、といったところか。
高速を200キロオーバーで走り、温泉宿に着く。主人が私たちを出迎えてくれた。お忍びで来る各界著名人のためにある宿なので、わがままがきく。私達は軽い食事を頼んでから離れに向かった。離れの一つ一つに大きな温泉がついており、プライベートは保たれ、部屋から温泉まで0秒という贅沢を味わうことができる。ただひとつ難点があるとすれば、私たち二人に残された時間はあと10時間弱しかないということだった。
彼女が温泉につかっている間、私は離れの外に出て不審者や不審物がないか調べた が、特に不審な点は見当たらなかった。外に出たついでに、依頼者に電話をかける。 電話には、あの田園調布の男が出た。
「特に異常はありません。今湯河原温泉におります。」
「そうですか。もうお気づきだと思いますが、われわれの精鋭が20人体制でガードしておりますので大丈夫です。そのまま、明日の昼までよろしくお願いします。ところで彼女の様子はどうですか?」
「すっかり落ち着いたようです。日本の温泉を堪能していると思います。」
彼女に関してのことは何も聞かなかった。電話が盗聴されているとも限らないし、それに聞いたところで答えることはないだろう。
部屋に戻ると、彼女はまだ温泉につかっていた。
「日本の温泉、初めてです。こんなに気持ちいいとは思わなかった−、あのぅ、一緒に入りませんか?」
簾の向こうから彼女の艶のある声が聞こえてきた。私は帳場に電話をして、軽食は1時間後に変更してほしい旨伝えた後、簾の向こうに入っていった。
離れについている温泉にしてはやたら広い。一度、肌を合わせた後はこうも女性は大胆になれるものであろうか。それからしばらく、彼女ははじめて、私は久々の温泉で、二人の疲れとストレスを洗い流した。
すっかり体も温まり、そしてお互いの現実から離れた桃源郷のような一瞬に酔っていた私たち二人は、内線電話の音で現実に引き戻された。
「そろそろお食事のほうをお持ちしてよろしいですか」
温泉でのぼせた体を冷やすには丁度よい、そばと少しの日本酒が運ばれてきた。二人ともすぐに平らげる。まだ夕食からそれほど長い時間もたっていなかったが、私たちはそれをすぐに平らげてしまった。少し酔ったのか、彼女は引いてあった布団に横になると、すやすや寝息を立てている。 寝顔を見ようとしたその瞬間、彼女の手が伸びてきて布団に引きずり込まれる−。
朝の温泉は心地よい。鳥や緑、自然と一体化しているような気分になれる。手間のかかった朝食を取った私たちは、いよいよ別れの地、羽田空港に向かうことにする。
「日本はいいところでした。食べ物も美味しいし、自然もすばらしい。そして、日本の人はやさしい。あなたもそう」
「そういっていただけると光栄です」
そんな会話をしながら、東京への道のりを疾走するキャデラック。24時間の間に起こった出会い、危機、愛、そして別れ。一夜限りの冒険とロマンスの時間は、シンデレラの12時の鐘と同じように、タイムリミットを迎えつつあった。
羽田空港に着く。私たちを出迎えたのは、田園調布の男と、いかにも屈強そうな男たち、そして初老の男。それぞれの正体をここに書くことはできないが、ここで私は彼女を引き渡し、任務終了。彼女は別れ際、私に振り向いてこういった。
「ありがとう。死んでもあなたのことは忘れません。愛してる。。。」
涙を浮かべ、寂しそうな顔で言った彼女の言葉だったが、私はなぜか、うなずく事しかできなかった。
彼らに連れられて、彼女は去っていった。
この事件以降、私はしばしば夢枕に彼女が立つことが多かった。短い時間に稀有な体験をしたせいか、私も彼女を好きになっていたのかもしれない。でも、その気持ちを振り切るかのように、私は次のスパイ稼業に没頭した。
彼女がなぜ、日本にいたのか、そしてなぜ政府の保護下にあったのか、その詳細をここに書き記すことはできないが、一つだけ間違いのないことがある。それは彼女が、「国家犯罪」の犠牲者であるということだ。それがスパイの任務とはいえ、彼女の国での処遇を思うと、私は切なく、悲しい気持ちでいっぱいになった。
しばらくして,私はテレビで彼女の姿を見た。もし,もう一度彼女に逢えたなら,あのとき彼女に 「愛している」という言葉が言えなかった自分を許して欲しいと言おうと思う。
おわり。
| 2002年09月27日(金) |
謎の組織と罠 〜国際手配の女(3) |
「車内が物色されている」
気がついたのは、私が車内に罠を仕掛けたからだった。車を離れる前に、そっと紙片を全てのドアに挟んでおいたのであるが、それが無くなっていたことが何よりの証拠だった。ただし、車内には何も残してはいなかったため、賊は目的を達成できなかったようである。念のため、他に爆発物などがないかをチェックしたが、その形跡はなかった。
試されているのか、それとも・・・罠にはまってしまったか。今のところは判断ができなかった。彼女を車内に座らせてから、私は依頼者に電話をかけた。
「どうやら、尾行されているようですが。なにか、思い当たるフシはありますか」
ストレートに聞いてみる。依頼者からは、意外な回答が帰ってきた。
「気になさらないで下さい。危害を加えるようなことはありませんから。きちんと、約束の報酬はお振込みしておきました。予定通り、明日羽田空港まで送ってください」
これ以上聞いても無駄、と判断した私は電話を切った。なにせ、この依頼者を紹介してきたのは官邸筋にもいた人物。私に言えない事情があるのだろう。
「まぁ、たまにはいいわな」
自分への慰めをつぶやいて、彼女の指示どおり、東京タワーに向かうことにした。
首都高速に再度乗り、霞ヶ関まで飛ばす。途中何度か、ルームミラーで後部座席を確認したが、彼女は疲れてしまったのか、すやすや寝息を立てている。
ちょうど東京タワーの下についたとき、彼女は目を覚ました。
「降りますか?」
「いえ、ここで。。。」
感慨深げにタワーを見る彼女の目からは、なにか一つの強い意思を感じ取ることができた。ただ、それが何を指しているのかは私にはわからなかった。
時計は夜の8時をまわっていた。
「食事にしませんか?私の知り合いの店があるもので。」
「今日は日本で一番楽しい日になりそうです」
彼女は、涙ぐんだ声でそう言った。
よほどの事情があるに違いない。そっとハンカチを彼女に渡し、元麻布の高級料亭 「うら多」に向かう。高級料亭とはいっても、政治家でもトップクラス、あるいは外国要人などしか知らない店だった。私は駆け出しのころ、ここの女将には世話になっていた。あまりにもVIPが多く来るため、常に目立たない形で私服の警察官が配備されている場所である。
外苑東通りから今のロシア大使館に向かう道を曲がろうとしたとき、突然、ベンツが横から飛び出してきた。とっさにハンドルを切ってブレーキを踏む。ベンツは急停止して、開いたドアから男が転がり出てくる。
「つかまって!」
そう後ろに怒鳴った私はギアをRに入れ、ターンを試みる。
男はこちらに走ってくる。手には何かを持っている。危険だ!
と、そのとき、どこにいたのか覆面パトカーが2台、けたたましいサイレンを鳴らしながら大使館方面と私の後方から一台ずつやってきた。
男は踵を返し、ベンツに乗り込むが早いか、フルアクセルで逃げていく。だが、覆面パトカーはベンツを追わず、近くに停車しただけで誰も降りてこない。パトランプは自動的にしまわれている。
と、ここで電話が鳴る。出ると、あの田園調布の男の声で
「お騒がせしました。大丈夫ですから、どうぞそのまま」
一方的に電話は切れた。覆面パトカーはそっと離れていく。彼女は後部座席でブルブル震えている。
「もう大丈夫ですから。。。」
私は言葉を飲み込んだ。本来なら、『あんたは何者なんだ』と言いたい気分である。ただ、ボディーガードの私にさらにガードがついている、という異常な状況に気がついた私は、逆に少し安心した。それと同時に、私にボディーガードを頼んだ理由がなんとなく見えてきた。
からくりはおそらくこうである。
おそらく、このキムさんは日本政府が関係している重要人物なのであろう。ただ、キムさんを公に警察の保護下に置くことができないなんらかの理由があるため、政府は間接的なガードに留め、私に直接のガードを依頼したというシナリオである。何かあった場合は、日本人である私をガードした、という言い訳が立つ。彼女はそれほどの人物なのだろう。ただ、この予想が的中していたことを知るのはもっと後日になってからだが。
「うら多」に到着した。彼女は震えも止まり、落ち着きを取り戻していたようだっ た。私は、彼女の落ち着きようから、彼女をどこかの機関の人間と見始めていた。
十分な注意を払いながら、内部に入る。今日も「うら多」の内外に、私服警察官らしき男 を確認できる。
座敷に案内されて、食前酒を飲んだあと、私は単刀直入に尋ねた。
「あなたは、どこの機関にいらっしゃる方ですか?」
彼女はうつむく。そうして数十秒が経過した。 彼女はゆっくりと顔を上げて口を開いた。
私は,ある国の工作員だったのです。でも今は,自国民を大量に殺しただけの人殺しです。
たとえ,それが自国の情報部の指示だったとしても・・・・
つづく。
| 2002年09月26日(木) |
ディズニーランドでデート 〜国際手配の女(2) |
「私、殺されるかもしれないんです」
運転中の私は、キムさんの言った言葉を理解するのに若干の時間を必要とした。
当然、警護対象者のことを詮索してはいけないのだが、このときばかりはそんな掟は無視しよう、と思った。どうしてそう思ったのか、といわれればもう説明できないが、あえて言うなら、私の中の直感のようなものが、危険信号を灯した、とでもいうべきか。
依頼者からは、「24時間のボディーガード」としか聞いていない。特に危険なことはない、とは伝えられている。ただ、その24時間は彼女の行きたいところへついていってもらいたい、とのことだった。ただし、一応任務はボディーガードであるから、ある程度の事情は把握する必要がある。
ただ、そのときは、「すいません。もう一度お願いできますか?」
と聞き返すだけにとどめておいた。とぼけてみるのもひとつの手である。
「いえ、なんでもないです。」
彼女は引きつった微笑をバックミラー越しに私に向けていた。
やがて車は東京ディズニーランドへと近づいた。シンデレラ城が視界に入ってくる。私はアクセルを緩め、キャデラックのブレーキをやさしく踏み込んだ。
「さぁキムさん、ここがディズニーランドです。」
後部ドアを開ける。もちろん、ガード中であるから気を抜くことはできない。
とふと、私は視線を感じたような気がした。気づかれないように回りを観察するが、周りに不審な気配はない。どうやら気のせいのようだ。
ディズニーランドでは、彼女は子供のように楽しんでいた。アトラクションを乗り進むたびに、彼女の仮面が取り払われていく・・・そんな気がした。
「次は、東京タワーに連れて行って。」
突然彼女は、私の左腕を取って走り出そうとしたそのとき、偶然振り向いた先にまたもや強い視線を感じた。男女のカップル。偽装してはいるが、高度に訓練されたものの目つきをしている。
「とんでもない警護になるかも知れないな」なぜか、興奮で体がゾクゾクした。
残り、18時間。
駐車場のキャデラックに戻ると,車内を物色した跡があった。 プロの仕業と見て間違いなかった。
つづく。
探偵ファイルより抜粋です。
19××年、東京都大田区田園調布。
ある人に依頼され、ボディーガードの任を背負った私は、高級住宅街の門前に立っていた。
インターフォンを鳴らすと、しばらくの沈黙の後に、無言で門が開く。豪華な庭園を歩き進むと、男が私を出迎えた。男は大柄だったが、スーツの下には均整の取れた体があるのを私は見抜いていた。
「お待ちしておりました」
男が鋭い眼光を私に向けながら会釈する。私は依頼者に言われていたとおり、
「北海道の北川です」
と答えると、男はようやく笑顔を見せた。
「失礼しました。それでは中へどうぞ。」 一体何坪あるのか、外から見ただけではわからない豪邸の中へと通される。
男に応接室らしいところに通される。男は一度部屋を後にしたが、10分くらいたったころだろうか、一人の女性を連れて部屋に入ってきた。女性はひどく痩せており、おそらく年齢は30歳台なのだろうが、その血色は死人の様のようだ。
「こちらが、ボディーガードをお願いする方です。お名前は『キム』さん、ということでお願いします。韓国の方ですが、観光のために日本にいらっしゃってます。明日日本を出国しますのでそれまでの間、ガードをお願いします。ああ、キムさんは日本語が堪能なので、言葉は気にしないで下さい。」
「よろしくお願いします」
とても韓国の方とは思えない流暢な日本語だ。私は笑顔でうなずき返し、
「こちらこそ、短い間ですがどうぞよろしく」と答えた。
当然、私にくる依頼は「訳あり」なものが多く、その詳細を根掘り葉掘り聞くことはできない。その代わり報酬は高かった。たった24時間ほどのボディーガードで300万円だったろうか。当時、破格の値であったことを覚えている。
正直、このときは、『どこかの財閥の娘か何かがお忍びで日本に来ているんだろう。それにしても24時間で300万か、いい仕事だ』くらいにしか思っていなかったのだが、その認識は後に根底から覆ることになる。
男が用意した車で、キムさんと豪邸を後にした。キムさんは、
「東京ディズニーランドへ行って下さい」
と、柔らかな口調で言う。
「緊張なさらずに。理由はお尋ねしませんし、どうぞリラックスなさってください」
私は前方に目を向けたまま、首都高速へ車を向けた。
首都高速の入り口を越えるとキムさんは突然,
「私,死ぬかもしれないんです」とつぶやいた。
つづく。
| 2002年09月22日(日) |
「働かない夫と別れたい」 |
Q : 私たちは結婚して5年,夫は30歳で現在無職(リストラ)。 私は33歳で保険外交員をしています。 今年に入って,夫が消費者金融に約200万円ほどの借金をしていることが発覚。 どうも,そのお金で風俗やギャンブルなどをしていたようです。 現在,仕方がなく夫の失業保険と,私の収入で返済していますが,経済的・ 精神的・肉体的にもかなりきついです。 このような状況で,夫の借金を私が返済しなければいけないのて゛しょうか?
A : わが国の民法では,夫婦の一方が日常の家事に関して,第三者に対する 債務を負った場合,配偶者も責任を負うことを定めています(民法761条) しかし,遊びや娯楽などが目的の消費者金融からの借金は,日常の家事に ついての債務とはいえないので,配偶者が責任を負う必要はありません。
わがガルグループのBOSSの体験談を探偵ファイルより抜粋です。
「潜入」といえば、スパイの中でもそれなりの経験、見識を求められる難しい作業で ある。今は、スパイ気取りで社内の情報を収集し、それを2ちゃんねるなどに書き込 む「プチスパイ」もいるようだが、これはただの愉快犯。いろんな意味で、自分で自 分の首を絞めているだけなのがわかっていないだけである。
本物であれば、情報の入りと出の処理をネットで行うようなことはしない。もし、ス パイの自覚があって、情報を表に出すような奴は間違いなく3流スパイである。
山本氏。本名はもちろん出せないため、そう記しておこう。私が山本氏と知り合った のはいつになるだろうか。そう、某政治家の御庭番として活動をはじめた駆け出しの 頃、この人を知った。もう20年ほど前になる。
「○○省から来ました」
山本氏の最初の挨拶はこうだった。
当時、ある政策を実現させるためのプロジェクトに参加して、関係者を密かに監視す る活動を命じられた私は、プロジェクトの調整役としてその場にいた。調整役といっ ても、実態は使い走り。毎日雑用をやらされる中で、不審者や他のスパイがいないか 監視報告するのが、本来の任務である。
プロジェクトは大きな妨害はなく、終了した。ただ、懇意の政治家に情報を流す官僚 や、政策反対派のスパイがいるにはいたのだが、それも途中で発見し、無事始末する ことができた。
プロジェクトも役目を終えて解散を迎える頃、山本氏から呼び出しを受け、個室に赴 いた。
「所長が(政治家の○○先生のこと)が「よくやった」とおっしゃってましたよ」
いきなり切り出されて驚いた。実は、今回のプロジェクトには私だけではなく、山本 氏もスパイとして潜入していたのである。最後まで山本氏がスパイであることに気が つかない、という一生の不覚を覚えたが、駆け出しがどう動くかを監視する、という のはスパイを使うほうにしてみれば当たり前で、この時ばかりは自分の甘さをつくづ く感じたものである。
続けて山本氏は 「今後は、こういうこと(監視をつける)はないから。君ならば今後は一人で大丈夫 だろう。今後もっと力をつけてください(次からは一人でやらせるが、もっと努力し ろ)」
言葉を選んで話すあたりはプロである。もし他人に聞かれていても真意はわからな い。いずれにしろ、私のスパイ人生はここから幕を開けた。
それからしばらく、スパイとしての任務をこなしたが、日々の忙しさによって肉体も 精神も消耗し、山本氏のことなどすっかり忘れていたある日、○○先生から
「山本がよろしくといっていたぞ。」
と言われた。そのときは何のことかわからなかったが、その後の先生の話から察する に、山本氏はどうやら「スパイ」を廃業したようだった。○○省に所属しながらのス パイ活動は、先生の後ろ盾があったとはいえ相当大変な作業だったと思われる。スパ イに休日などはない。任務がないときは常に訓練、情報収集に努めなくてはならない のだ。
私は、政治活動や国家活動を行ううえで、スパイは必ずしも良いやり方だとは思って いないが、歴史の裏側には、このように滅私奉公で活動する人たちがいるのを忘れて はならない。 後でわかったことだが、山本氏は各国の情報部も一目置く、超一流スパイであったら しい。3カ国語を操り、頭脳明晰で柔剣道、逮捕術、射撃などのプロだった、とのこ と。山本氏は今はどこにいるのかわからないが、今日も世界のどこかで、活躍してい ることを祈る。
実は、今、スパイを1人、育成している。ただいまテスト潜入中。 私は、うちの社員が誰も知らない「スパイ」を数名、抱えているが、ただひとつ悩み がある。それは、一流スパイの育成は非常に難しく、なかなか有能な人材がいないと いうことだ。 もし上記に挙げるような才能があり、スパイになりたい人がいらっしゃいましたら、 そうっと応募してください(嘘)
| 2002年09月16日(月) |
「女が男を犯すと強姦罪になるの?」 |
私は,中学生になる娘の母親です。娘は同じ中学の同級生の彼氏がおり,家にもちょくちょく 遊びにきていました。とてもいい子で私とも友達同士みたいに接していたのですが,ところが, そんな私の態度が悪かったせいか,ある日,突然にその娘の彼氏が迫ってきたんです。 当然のことながら,びっくりして抵抗したのですが,中学生といっても男の子。 その腕力にはかないませんでした。それ以降も数ヶ月の間,彼と関係を持ち続けていました。 今,思うと,もしかしたら,あの時,私も心の中でそんなに嫌ではなかったのかも。 もし,そのとき本気で抵抗していれば,こんなずるずると関係は続きませんものね。 そして,こんな結末になろうとは・・・・
運が悪いことに,その関係を彼の母親に知れることとなり,激怒した母親から 「強姦罪」 で訴えられたのです。もちろん,すべて娘にも分かることとなってしまいました。
彼いわく,「関係を続けている間は苦痛だった」 と言っているそうですが,その苦痛という 被害感情が,強姦であったことの証明とみられているようなのですが,私としてみれば そっちが先に仕掛けてきたんでしょ。っていう思いです。
はたして,このような場合でも強姦罪となるのでしょうか?
A : 暴行・脅迫をもって13歳以上の女子を姦淫すると,「刑法177条の強姦罪」 になるわけですが,あくまでも女子を姦淫するのが強姦で,女性が直接男性を 犯しても,強姦とは言わないことになっています。 したがって,法の上では,女性は男性を強姦することはできないということになっています。
しかし,このケースだと,相手の男性が15歳以下の中学生で,18歳未満だから その土地の都道府県条例,いわゆる青少年健全育成条例を適応して,あなたを 逮捕できることができます。
もしくは,刑法176条の 「強制わいせつ罪」 には,被害者の中に男性も含まれているので, これを適応して罰せられる場合もあります。
平成11年11月1日に施行された 「児童買春・児童ポルノに係る行為等の処罰及び 児童の保護等に関する法律」 いわゆる 「児童買春・児童ポルノ処罰法」 が施行されましたが, ここにあなたが適応されるかどうかという点では,法律と条例がある場合,法律が優先されます。
このお話は,とってもためになる内容なので探偵ファイルより抜粋します。
私が元代表だった ガル・エージェンシーには、毎日数十件の 「盗聴発見」の依頼が入る。
依頼のうちの一部は、いわゆる「盗聴ノイローゼ」である場合もあるが、中には明ら かに盗聴器から発信されている電波が出ていて、緊張する時もある。
その際は専門機材を使用して盗聴電波を探すのだが、そのなかでも一番なのは機械本 体だけで600万円もする半導体感知器である。簡単に言うと、半導体がその部屋内 のどこにあるかをすべて検出してしまう機械である。これなら無線型盗聴器だけでな く、建築時に壁の中に設置した有線型の盗聴器でも検出可能なスグレものだ。
ただ、この機械を使うような大掛かりな盗聴発見になると、大企業クラスの会議室や 役所関係になり、人数も必要になるため、かなりの経費がかかるのだが。
ここで、盗聴発見を依頼するときに注意する点を何点か挙げよう。
(1)盗聴されていると思われる場所から依頼の電話をかけない →意外と、「今、ここが盗聴されているみたいなんです!」っていう電話は多いで す。依頼は公衆電話や人気のないところから携帯でどうぞ。
(2)盗聴されている!と思われる場所がわかっても、不用意に触らない →盗聴されている相手に気づかせないためです。
(3)もし、盗聴器を発見し、はずしても、安心しない →プロから言わせてもらえば、「盗聴器はひとつとは限らない」です。実際に、一般 家庭に8つ仕掛けられていたこともあります。ただし犯人は身内だったため、事件に はなりませんでしたが。
(4)盗聴器があるかも、という不安を家族に漏らさない →一般家庭のみならず、企業に仕掛けられている盗聴器は身内、関係者が仕掛けてい ることが多く、うかつに話せば証拠を消されてしまいます。
これらは一部ですがいかがですか?思い当たるフシのあるあなたは、一度調査を依頼 してみてはいかがでしょうか?
あっ!でも、 「この日記を読んで盗聴している事が気づかれたらどうしよう」 と思われる方の依頼はお受けできないかもしれませんが(笑)
そうそう、盗聴発見をやっているからか、 「探偵さんって、盗聴やってくれるんですか?」 とか、 「どうしても彼女が怪しいんです。盗聴してください」 という間違った認識を持っている方がおられるが(苦笑)
「盗聴は違法行為ですので、調査のために盗聴をする事は一切ありません。」とはっ きり言っておこう。
よく誤解されるのが もし、盗聴を気軽に行うような探偵、調査業者がいたら知らせ てください。間違いなく、悪質業者ですので。
| 2002年09月11日(水) |
「セックスレスを理由に離婚したい」 |
Q : 結婚生活3年目の夫婦です。(夫35歳・妻29歳 子供なし) 夫との間に性的関係が約2年間ありません。いわゆるセックスレスです。 現在,それを理由に,離婚前提で半年間別居生活をしていて, この間1回目の調停が終わったのですがうまくいきませんでした。 私としては,慰謝料とか財産分与などは期待もしていないのです。 ただ,夫と離婚したいだけなのです。 しかし,夫は 「離婚には応じない」 「納得ができない」 の一点張りで話にもなりません。 それで,裁判で争ってでも離婚するしかないと考えているのです。 このように,「セックスレス」 という物的証拠もない場合でも,裁判で勝てるのでしょうか?
A : たとえ夫婦間で長期間セックスレスであっても,お互いが納得し,信頼関係があれば 何の問題もありません。
しかし,それが原因で婚姻生活が破綻し,しかも訴える側がそのことに関して責任が ないのであれば,セックスレスが離婚原因の一要素と認められて,離婚判決が 下されることになります。
あなたの場合は,セックスレスが理由で別居しているのですから,婚姻生活が破綻 しているといえます。 したがって,妻の側にその破綻の責任があると考えられる特別な事情がない限り 離婚判決は出るでしょう。そして,このケースの場合慰謝料も請求できるでしょう。
さらに付け加えると,物的証拠がないというお話ですが,これは,あなたが自分で 陳述書を書き,法廷でセックスレスの状況について具体的に詳しく説明すれば, それが,りっぱな証拠となります。
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下記は,実際に起こったセックスレスによる離婚裁判の判例です。
例� (神�5年3月・福岡高裁での判決です。 夫婦間の性交渉が入籍後約5ヶ月以内に2〜3回あったきりで, そのご完全なセックスレスの状態だったにもかかわらず,夫がアダルトビデオ で自慰にふけっていた,というもの。
例�◆(神�3年3月・岡山地裁・津山支部での判決。
妻が夫との性交渉を拒否し続けたことを理由に,夫からの離婚請求が 認められました。
| 2002年09月10日(火) |
「夫の浮気に対抗して私も・・・」 |
ガルでーす。 読者の皆様。覚えていらっしゃるでしょうか・・・・?
やっと。やっとの復帰です^^
これからぼちぼちと更新していきますのでよろしくお願いします。
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夫の浮気がバレて,その寂しさと怒りから私もついついテレクラへ電話してしまい, そこで,知り合った男性と関係をもってしまいました。
ところが,運の悪いことに,その浮気が夫にバレてしまい,激怒して夫が 「離婚だの,慰謝料よこせ」 だのと責められています。
私にしてみれば,夫のほうが先に浮気をしているし,私は一晩限りの関係だったのに。 はたして,夫の言うように慰謝料を払わなければいけないのでしょうか?
A : 「民法752条には,夫婦は同居し,互いに協力し扶助しなければならない, と規定しています。」
夫が浮気しているからといって,それに対抗して妻も浮気をしていいという理由にはなりません。 籍はまだ抜いていないが,別居している夫婦であれば別ですが, 夫婦関係が完全に破綻していないと,貞操義務はまだあることになるのです。 たとえ,同居していて完全に冷え切っていて,セックスレス状態という状況であっても, 浮気をしてよい。とはならないのです。
したがって,夫から慰謝料請求があれば,妻が応じなければいけない場合があります。 自分が浮気している立場なのに,慰謝料を請求してくるなんて,職権濫用じゃないか ということになりますが,妻も夫に対して,慰謝料を請求して対抗することができます。 夫に対して腹が立つのも分かりますが,浮気をして対抗するよりも,先に慰謝料を請求して 高い金額をとって,離婚するなりしたほうが,よほど得策ではないでしょうか?
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