女の世紀を旅する
DiaryINDEX|past|will


2003年05月28日(水) 《 急速なドル安ユーロ高 アジアへの影響 》

《 ドル安ユーロ独歩高 アジアへの影響 》

2003.5.28


急速にドル安が進んでいるが,それはもっぱらユーロに対してである。日本もその影響で円高になっているが,ユーロに対しては円安が進んでいる。

現在 米1ドル=1.178ユーロ 

日本円 米国1ドル 117.6円
    豪州1ドル 76.9円
    英国1ボンド192.6円
    1ユーロ  138.6円





●急激なユーロ独歩高の背景

 為替市場でドル安ユーロ高が進行している。ドル安は、ユーロに対してだけの動きで、円など他の通貨に対してはあまり変化していない。つまり「ドル安」というより「ユーロ高」である。

 イギリスのポンドが世界通貨の座を降りた後、ドルは世界で唯一の基軸通貨だった。だが今年2−3月、フランスとドイツというユーロを支えている2大国がイラク侵攻への反対を強め、アメリカの世界支配に正面から反対して以来、ユーロの国際通貨としての地位が高まった。

 その後、イラクの復興を英米だけが手がけるのではなく、欧州勢や国連にも参加してもらうことを象徴として、欧米が再び同盟関係に戻っているように見せる動きもあるが、それをしり目にユーロ高ドル安の傾向はますます強まっている。

 1ドルの価値が1ユーロより小さくなったのは昨年7月のことで、ブッシュ政権がアメリカ内外の反発を押し切ってイラク攻撃を行う姿勢を見せたときだった。それ以来、ブッシュ政権が無理やりイラク侵攻しようとするとドル安ユーロ高が加速し、逆にアメリカがイラク問題を国連に持ち込むなど単独行動主義を控えるとドル安がおさまるという傾向が続いた。

 今年3月、いよいよアメリカがイラク侵攻する段になって、ドルは一時値を上げたが、フセイン政権の崩壊後は再びドル安ユーロ高の流れとなり、そのまま動きが止まらずに今日に至っている。つまり、ドルとユーロの為替は、欧米間の政治関係に沿って上下してきた経緯がある。ユーロ高は、経済を反映した動きというより、むしろ政治的な動きだと読める。


 ユーロ高の背景にある政治的な動きとして挙げられる例として、世界の産油国が石油を売る際の決済代金をドルからユーロに代えていることがある。最近では、インドネシアとマレーシアが、石油販売をユーロ建てに変えていくと表明している。


 アメリカはこの間「強いドル」政策を掲げ、ドル安には抵抗する構えを見せていたが、5月19日、アメリカのスノー財務長官は「ドル安はアメリカの輸出産業を振興させるので米経済にとってプラスだ」と述べ、ついにドル安を容認する姿勢を見せた。


 この財務長官の発言から「アメリカは欧州経済を潰すためにドル安ユーロ高を意図的に誘導したのだ」と考えることもできる。確かに、ユーロ高はヨーロッパの輸出産業に打撃を与え、欧州の景気を後退させるのではないかとの見方も出ている。しかし、ドル安に後押しされているはずのアメリカ経済もヨーロッパに負けずに悪く、アメリカがドル安の恩恵を受けているとは言いがたい。






●アジア通貨に影響を与えないドル安ユーロ高

 この一年間で、ドルはユーロに対しては23%値を下げたが、円に対しては6%しか下がっておらず、韓国ウォン、中国人民元、タイバーツ、マレーシアリンギットなど他のアジア通貨に対しては、ほとんど為替は変動していない。経済的に見ると、アメリカ対ヨーロッパの対立の中で、アジアはアメリカの側にいることになる。

 実は、アメリカはアジアとの間で、アメリカ自身の国家存亡にかかわるような特別な経済関係を築いている。以下にそれを説明しよう。

 冷戦時代、日本やドイツ、韓国など、高度経済成長期に入った国の多くは、対米輸出の増加によって得られたドルを使って米国債を買い、ドルをアメリカに戻してやる代わりに、アメリカは国債発行で得た資金を使って日独韓などに展開する米軍の費用をまかなうという「軍事と経済のバーター」の状態を保っていた。

 冷戦が終わった後、この機能はアジアでさらに強化され、アメリカはアジア諸国の大きな輸出市場として機能し続けた。日本や韓国、台湾、東南アジア諸国、冷戦後に高度成長期に入った中国などは、アメリカに製品を輸出し、その代金で米国債などアメリカの金融商品を買い続けた。

 アジア諸国では、民間企業がドルを自国通貨に換金しようとするのに対し、中央銀行がそのドルを吸い上げて外貨準備として蓄えた。輸出の増加は、売上代金としてのドルを売って自国通貨を買う動きを強めるが、これを放置すると自国通貨のドルに対する為替が上がり、結果的に輸出企業を苦しめることになる。これを防ぐため、中央銀行はどんどんドルを買い、やがて巨額のドルを保有するようになり、そのドルで少しでも利益を得るために、アメリカの国債や社債、株式などを買うようになった。同様の意味で、民間企業のアメリカ投資も奨励された。

 1995年からアメリカはドル高政策を掲げるようになった。ドル高によってアメリカの消費者はもともと人件費の安いアジア諸国の製品をますます安く買えるようになり、アメリカ人はたくさん消費し、世界全体の経済成長の3分の2をアメリカが担うようになった。

 アメリカの消費ブームはアジア諸国の経済成長を加速させ、アジアからウォール街に還流するドルも増え、株式市場は上昇を続けた。今や、米国債の45%、米国企業の社債の35%、米国企業の株式の12%は外国人投資家が持っており、その多くはアジアの金融機関などである。





●北朝鮮を攻撃しにくいアメリカ

 不景気とはいえ、日本も中国も外貨保有は増え続けている。中国のドル保有は昨年の2800億ドルから今年は3300億ドルに増え、日本も5000億ドルから6000億ドルに増えると予測されている。これだけ巨額だと、簡単に他の投資先に変えることができない。すでにユーロも金地金も上昇傾向にある。日本や中国が外貨準備の一部を、ドルからユーロや金にシフトさせるだけで、ユーロや金の上昇傾向が強まってしまい、割高になる。

 結局、アジア諸国は手持ちのドルで米国債を買い続けるしかない。アメリカがドル安宣言をしても、米国債の買い手は多いままでなので国債金利は上がらず、下落傾向にある(買い手が減ると金利を上げないと売れなくなる)。ブッシュ政権は戦費調達のため多額の国債を発行しているが、これらは日中などアジア諸国に買ってもらっている。「湾岸戦争のときは日本などが戦費を出したが、今回のイラク戦争ではアメリカ独自で戦費を捻出した」と言われているが、間接的にみると、今回も、日本や中国が米国債を買ってアメリカの戦費を出してやっていることになる。

 日本や中国は、アメリカとの経済的な関係が国の繁栄の土台となっているので、イラク侵攻にも反対できない代わりに、アメリカは北朝鮮を武力侵攻する可能性も少ないことになる。北朝鮮と戦争すれば、日中や韓国の経済基盤が大打撃を受け、アメリカの金融市場を支えるアジアからの資金も失われてしまうからである。

(余談だが、アメリカは似たような状態をサウジアラビアとも持っている。サウジの石油をアメリカがふんだんに買う代わりに、サウジはアメリカから武器を大量に買い、サウジに駐留する米軍の費用も出すことで、オイルマネーをアメリカに戻してきた。米軍がサウジから撤退することは、こうしたアメリカとの緊密な関係が解消されるということで、サウジ王室は「国民に嫌われていた米軍がいなくなる」と手放しで喜ぶわけにはいかない不安を感じていると思われる)





●錬金術的なドル本位制

 アメリカはこれまで、単にドル札を刷るだけで、アジアに安く商品を作らせて輸入し、しかも自国の金融市場も発展させてきた。金の保有高が増えないとドルを刷れなかった1971年までの金本位制の時代なら、こんな成長は不可能だった。

 世界的なドルの保有高は、金本位制だった1949年から69年まで20年間に約1.5倍にしかならなかったが、金本位制からドルを自由に刷れる「ドル本位制」だった1969年から現在までの30年あまりの間に20倍になった。それだけ、人類が持つ「価値の総額」が急増したのである。


 とはいえ、これは何か錬金術的な、詐欺的なにおいのする話だ。お札を20倍刷っても、お札の価値が下がらないのは、アジアから還流したドルがアメリカの金融市場に入り、株券や債券に化けているからで、金融市場の右肩上がりの上昇が続いているからこそ、米当局がどんどんドル札を刷っても、それがインフレにつながらず、価値そのものが増殖しているように見えるのだと思われる。

 問題は、右肩上がりの上昇が永遠に続くことなどあり得ない、ということだ。米政府は1990年代に入り「経済グローバリゼーション」のかけ声とともに、発展途上国の金融市場を育成することに力を入れたが、これは世界中に右肩上がりの市場を作ることで、ドル本位制のもとで急拡大し続ける人類の富を吸収する場所を増やそうとしたのだと思われる。

 クリントン政権のこの政策は、1996年のアジア通貨危機の後、崩壊への道をたどり、アメリカ経済そのものも、2001年にクリントン政権が終わるのとほぼ同時に、雲行きが怪しくなった。すでに日本は金融バブルが崩壊して久しいが、本家であるアメリカの金融も、バブルの状態になっているのではないかという指摘があちこちで見られるようになった。






●アメリカ金融市場のリスクを忘れるな

 最近アメリカ金融市場の危機として語られていることの一つに、デリバティブ市場の崩壊の危険性がある。デリバティブは株や為替など金融相場の下落リスクを回避することを目的に作られた金融商品で、この商品そのものが儲けを生む投資対象として拡大したが、実はリスクを回避しているのではなく先送りしているだけで、デリバティブの拡大はいずれ金融市場の暴落を引き起こす懸念がある。

 現在、約51兆ドルのアメリカのデリバティブ市場残高のうち約28兆ドルは、アメリカ第2位の銀行であるJPモルガンが販売したものだ。1998年にデリバティブで儲けていたアメリカの金融機関LTCMが破綻したとき、彼らのデリバティブ残高は1兆2500億ドルだった。JPモルガンは、その20倍以上の残高を持っていることになる。


 アメリカの中央銀行にあたるFRBのグリーンスパン議長は5月8日、演説の中で「(デリバティブ残高の多くをJPモルガンなど数社が持っているという)現状のような集中した状態になってくると(JPモルガンなど)1〜2社が(倒産などで)撤退した場合の影響の大きさについて、考えていく必要がある」と述べた。


 JPモルガンに対する懸念は、アメリカのダウ平均株価が8000ドルを割った昨年10月ごろに広まり、その後株価がやや戻したのに合わせて一時懸念が薄れていた。だが今年3月にかけて再び株価が下落し、また懸念が出てきた。その後、ダウ平均はまた上昇しているが、ドル本位制が無限の相場上昇を前提としている以上、それは常にバブルを生み、それが崩壊する危険性も常に存在している。


 イラク戦争の開始直前にEUがアメリカから離反したのをきっかけに、ユーロの上昇にはずみがついたということは、それだけドルという通貨が持つ潜在リスクをおそれ、ドル以外の通貨に投資を移行させたいと思っている投資家が世界に多いということを示唆している。そんな中で、日本や中国など東アジア諸国がドルとの談合体制から脱することができない状態を続けるのが安全かどうか、大いに懸念が残る。


2003年05月18日(日) 《 イラク戦争 ブッシュの勝利と石油利権の思惑 》

《 イラク戦争 ブッシュの勝利と石油利権の思惑 》

2003.5.18




イラク戦争は、ブッシュ大統領が勝った。フセイン大統領の生死も、大量破壊兵器の所在も不明のままだが、フランス・ロシアなどかつての抵抗勢力の関心はもはやそこにはない。石油利権こそが各国の関心事なのである。

 国連安保理はまもなくイラク制裁解除を決議し,米英の勝利を追認する。ブッシュはそれを背景に6月初めのサミットに凱旋将軍のように乗り込むつもりだ。




●制裁解除決議の背後に石油利権の思惑


 米英スペイン3国が5月9日安保理に提出したイラク制裁解除決議案の要点は2つある。

1は、米英が今後少なくとも1年間イラクを統治し、戦後復興を主導する。

2は、その戦後復興のために国連の対イラク経済制裁を解除し、石油輸出代金を復興資金にあてる、というものだ。

 安保理がこれを可決して両国主導の戦後復興を認めることは、同時に米英の対イラク武力行使とその勝利を追認することにもなる。


 パウエル国務長官は5月中旬、イラク攻撃に強く反対したロシア、ドイツを訪問して決議案への支持を要請した。これに対して、ドイツのシュレーダー首相は支持を表明したが、ロシアは修正を要求した。その主要な点は国連の役割の強化だが、背景には、ロシアがフセイン政権と結んだ油田開発契約や未決済債権の問題がある。米英主導の戦後復興でこれら利権が無視されることを恐れ、国連を通じての発言権の確保をねらっているのだ。同じ問題はフランス、中国も抱えており、今後ロシアに同調し、決議の採択ぎりぎりまで圧力をかけると予想されている。


 この問題では、米英両国も微妙な立場に置かれていることも間違いない。5月13日のニューヨーク・タイムズによれば、ブッシュ政権がイラク石油調整官に任命したキャロル米シェル石油元CEOは「フセイン政権との間の契約が必ずしも破棄されるわけではない」と言う一方で、「どの契約が有効かはイラク人が決める」とも述べている。米英両国がこの問題の処理をイラクの新政権に委ねる方針であることを示している。


 しかし、フランス、ロシアなどはこの米英の方針に不満だ。イラク新政権は反フセイン人脈で構成されるため、フセイン時代の利権契約を尊重しない可能性がある。仏ロ中の各国は制裁解除決議の段階でそれにブレーキをかけたい。一方、米英は多様なイラク各派を統合し、これから新政権を組織するという微妙な段階で、フセイン時代の利権の尊重を約束するようなことはできないのだ。





●各国は国連の無力を知りつつもこれを利用


 イラクの経済制裁解除にあたってもう1つの問題は、「制裁解除は大量破壊兵器の廃棄を国連が証明することが条件」という国連決議があることだ。ロシアはこの決議の尊重を主張し、そのために国連査察チームのイラク再派遣を要求している。一方、フランスもロシアに同調する動きを見せている。両国がこれにこだわれば、今後イラクの大量破壊兵器を発見し、その廃棄を国連査察チームが確認するまで制裁を解除できないことになる。


 しかし、このロシア、フランスの主張も国連を表面に立てる戦略の1つで、いずれ取り下げるとみられている。大量破壊兵器の破棄と国連査察チームの派遣は、安保理の焦点だったが、実はイラク戦争終結後、この問題に関する各国の関心は急速に薄れているのだ。

 5月12日のワシントン・ポストによれば、ブッシュ政権は大量破壊兵器を捜索する特殊部隊を来月には引き揚げる計画だという。同政権が国際的な関心の低下を背景に戦線縮小をはかっていることがわかる。


 確かにブッシュ政権はイラク攻撃の最大の理由として大量破壊兵器の廃棄をあげ、戦闘終結後も米特殊部隊を派遣し、イラク全土で捜索を続けてきた。しかし、発見したのは生物兵器製造用のトレーラーらしき車両2輌だけ。

 これも詳しく調査しないと断定できないものだ。このほか、容疑が濃いとみられた施設はほとんど疑いが晴れた。イラクが生物・化学兵器を持っていたことは明らかなので、今後発見する可能性は残るが、時間がかかることは間違いない。


 湾岸戦争当時の国連大使だった波多野敬雄学習院女子大学学長は5月6日の世界週報で、「国連査察は信用できない」、「振り返ってみて査察が大量破壊兵器発見に役立ったことはなかった」と強調している。

 この判断は国連加盟の主要国に共通していると思ってよいだろう。イラク攻撃開始前、査察の継続か、打ち切りかが焦点になったが、実は査察を主張する側も「査察は信用できない」ことを充分承知しており、真のねらいは利権の保護だったのだ。大量破壊兵器の未発見に対する各国の関心が薄いのもその辺りに原因がある。





●凱旋将軍を演出するブッシュ陣営


 ブッシュ大統領は5月1日、サンディエゴ軍港沖の空母アブラハム・リンカーンの艦上で、イラクの戦闘終結の宣言をした。それに先立って、同大統領は空軍パイロットの扮装で戦闘機に搭乗、空母の甲板に着艦して閲兵した。同大統領は学生時代、ベトナム戦争従軍を回避するため、海外勤務のないテキサス州兵に父親のコネで入隊、申し訳程度の操縦技術を習得したと陰口されたが、今は堂々の凱旋将軍である。


 同大統領が艦上から「テロリストの同盟者フセインを倒した」と叫ぶのを国民は拍手で迎え、戦争の大義だった大量破壊兵器が発見できないことなど問題にしない。CNNとUSA Today紙が5月1日に実施した世論調査では、79%の国民が大量破壊兵器を発見できなくてもイラク攻撃は正しかったと答えた。大量破壊兵器の発見は戦争の正当性を証明するために必要と答えたのはわずか19%だった。


 野党民主党指導者もこの問題で大統領を批判する雰囲気はない。下院のペロシ院内総務は「なぜ発見できないのか理解できない」と言いながら、「それでもある筈だから、大統領が発見して廃棄することを期待している」と述べている。また、上院のダッシェル院内総務は「大統領が戦争に勝ったことを名誉に思う」と与党議員と間違えるような大統領賛美の発言をした。


 ブッシュ大統領はこうして国内の支持率が高まった5月16日、チェイニー副大統領と連名で連邦選挙管理委員会に選挙資金の受け皿となる委員会の設立を登録。04年の大統領選挙にブッシュ・チェイニーのチケットで再選を目指す意思表示をした。ブッシュ大統領がチェイニー副大統領とのチケットを早々と公表したのは、イラク戦争で中心的役割を演じたチェイニー、ラムズフェルド、ウオルフォビッツの新保守強硬派の路線を2期目も維持することの表明でもある。





●イラク戦の勝利誇示をねらうエビアン・サミット


 民主党はケリー前上院外交委員長、ゲップハート前下院院内総務など9人がすでに立候補しているが、党内支持率がいずれも10%以下。イラク戦争の凱旋将軍の人気に乗るブッシュ大統領に勝てるとは思えない。父親のブッシュ元大統領は湾岸戦争後、90%の高支持率だったにもかかわらず、クリントン前大統領に再選を阻まれたが、この時は独立候補のペロー氏が経済不況を背景に共和党票を割ったからだった。


 今回も民主党からヒラリー・クリントン上院議員が立候補すれば、状況は流動的になる可能性もあるが、同上院議員は08年、つまり次の次をねらうという見方が強い。機を見るに敏な同議員が強敵ブッシュとの対決を避けたとみることができるだろう。この結果、ブッシュ大統領の前には、当面敵なしの状況になったのだ。


 この状況を背景に、ブッシュ大統領は6月早々フランスのエビアンで開かれるサミットに出席する。同大統領陣営が、戦闘機で空母へ着艦したのに次ぐイラク戦勝利の演出をここでもねらっているのは間違いない。主催するシラク大統領はイラク戦争反対のリーダー格、いわばブッシュ大統領のかたき役だ。

 パウエル国務長官は5月中旬、同じように戦争に反対したロシア、ドイツを訪問したが、フランスは除外した。サミットの場で、ブッシュ大統領自身が決着を演出するという計画があってのことだろう。




2003年05月06日(火) 《 北朝鮮の核危機 窮地に立つ盧武鉉(ノムヒョン)政権 》


《 北朝鮮の核危機 窮地に立つ盧武鉉(ノムヒョン)政権 》

                 2003.5.6





 盧武鉉政権が核危機への対応をめぐって窮地に立たされている。北朝鮮の反対で、3カ国協議からはずされ,南北閣僚級会談でも軽くあしらわれた。一方で、米ブッシュ政権との意思疎通もままならない。ブッシュ政権が検討中の対北朝鮮強硬策でも蚊帳の外に置かれているとの不安が消えない。


 今年後半から来年にかけて,北朝鮮の核施設に対する米軍の空爆の可能性があるのでないか,もはや話し合いでの解決に米国は関心をもっていない。
朝鮮有事が現実のものになる確率は高く,事態は深刻な場面をむかえるのではなかろうか。




●盧武鉉政権を震撼させた北の核保有宣言の衝撃


 盧武鉉政権が発足して2ヶ月、北朝鮮の核保有宣言は同政権の対北朝鮮政策を根本から揺さぶることになった。まず、同政権が掲げた公約、韓国が米朝間の「仲介役」となり、核問題を「主体的に解決する」という根拠が崩れた。北朝鮮の核保有は91年の南北非核化宣言に違反し、韓国に対する直接の脅威となる。米朝の「仲介役」などと言う立場ではなく、当事者なのだ。


 また、「主体的に解決」の目標にも支障が出た。盧武鉉政権は「主体的解決」を目指して米朝に韓日中ロを加えた6ヶ国協議を計画。このための「ロードマップ案」を作製して、3月から米日中ロの間を精力的に根回しした。北朝鮮の同意を得るため、国連人権委員会の北朝鮮非難決議に初めて棄権した。ところが、実現したのは米朝中3カ国協議であり、韓国ははずされた。しかも、これは北朝鮮が強く要求したためだった。


 米ブッシュ政権との意思疎通が思わしくないことも明らかだった。北朝鮮の核保有発言は3カ国協議初日の4月23日に飛び出した。しかし、盧武鉉政権がそれを知るのは翌24日、米メディアの報道を通してだった。ブッシュ政権がまず米主要メディアにリークし、韓国に知らせたのは25日午後になったからだ。米国が重要な機密情報を韓国には渡していないという疑惑を裏付けることになった。


 問題はそれだけではなかった。27日から平壌で行われた南北閣僚級会談で、北朝鮮は「核問題は米国と解決する問題」と主張。「非核化宣言の履行」をせまる韓国をかわした。その結果、共同発表文は「韓半島(朝鮮半島)の核問題を平和的に解決するため協力する」という表現になった。韓国のメディアは、これも重大なミスと批判する。北朝鮮にとって「朝鮮半島の核問題」とは、「米国が核で北朝鮮に脅威を与えている」ことであり、この解決に韓国も協力すると解釈できるからだ。





●米国の不信,米韓間の認識の格差は埋まらず


 もう1つの問題は、問題解決をめぐる米韓の対応の違いである。尹永寛外交通商相は4月30日外国人記者団との会見で、北朝鮮の核保有は「朝鮮半島、中国、日本、台湾の軍拡競争を引き起こす悪夢」と述べた。


 しかし、それを解決する手段として北朝鮮に経済制裁を加えることには強く反対し、むしろ経済協力を進めるべきだと強調した。盧武鉉政権はこの方針に沿って5月2日、北朝鮮に肥料20万トンの支援を決めた。北朝鮮が核計画の廃棄をするまで対話も支援もしないというブッシュ政権の姿勢と大きく違うのだ。


 しかも、ブッシュ政権のこの立場は3ヶ国協議を契機に一層強固になった。北朝鮮は同協議で核保有宣言とともに、問題解決のための「大胆な提案」をしたが、この提案が同政権内に強い反発を生んだ。同提案が米による体制保証、重油供給再開、食糧支援など数々の援助を北朝鮮が受け取ったあと、最後に核開発放棄をするという内容だからだ。それ以後、ホワイトハウスのフライシャー報道官は「核計画の廃棄が先決」、「北朝鮮の不埒な行為に褒賞を与えない」という2項目を繰り返し強調している。


 ブッシュ政権の態度硬化に対して、北朝鮮も4月30日「米国が核問題を国連に持ち出し、経済制裁をするなら、我々はそれを戦争への青信号として自衛手段を取る」というKCNA(朝鮮中央通信)の論評を出した。3カ国協議のあと、確かにブッシュ政権内には経済制裁など強制措置を取るべきだとの主張も強まっている。核施設をピンポイント攻撃する限定的武力行使もその選択肢には入っているのだ。


 ブッシュ大統領は3月初め、新聞編集者を集めた席で「外交的手段で充分だと考えるが、それで充分でなければ、軍事的手段が必要になるだろう」と述べた。同大統領が軍事力行使に触れた最初の発言だった。当時大きく報道されなかったが、会議に出席していた保守派の論客ジョージ・ウイル氏がその後ABCテレビで紹介、ブッシュ政権の基本方針として知られるようになった。それ以来、強硬論を主張する保守派はこのブッシュ発言を一種の公約と見なしているのだ。




●38度線の在韓米軍を後方に移転させる米国の真意


 韓国国内には、このブッシュ政権の強硬姿勢に強い警戒感がある。核施設をねらう限定的武力行使でも、北朝鮮が反撃すれば全面戦争になりかねないからだ。しかし、イラク戦争以後、武力行使論が現実味を帯びていることも間違いない。


 オーストラリアのダウナー外相は4月22日シドニーのラジオで、「米国防総省が作戦の1つとして北朝鮮の核施設爆撃を計画しているのは事実」と述べた。また、クリントン前大統領は4月3日、フロリダ大学の演説で、「ブッシュ政権が北朝鮮に進攻した場合の各国の支援を模索している」と発言した。


 ブッシュ政権はこれについて具体的に言及したことはない。しかし、関連する動きとして関心を集めているのが、38度線近くに駐屯する米第二歩兵師団をソウル南方のはるか後方に移転させる動きだ。4月5日の中央日報によれば、米軍は今年下半期にも移転させたいと提案。これに対し、韓国は核危機が解決していない状況下で移転するのは危険として反対している。米側が移転を急ぐのは、核施設への武力行使をする準備の一環との見方があり、韓国の反対はこれを防ぐねらいも含んでいる。


 第二歩兵師団1万7,000人はソウル北方東豆川に駐屯し、38度線防衛の中心的存在である。北朝鮮の第一撃を受ける位置にいるため、警報機(Tripwire)役とも呼ばれてきた。米軍が北朝鮮の核施設を爆撃した場合、北朝鮮は報復としてまずこの部隊を攻撃するというのが一般的な見方だ。そこで米軍は、この部隊を北朝鮮軍の第一撃の射程外に移し、核施設攻撃をしても米軍は報復攻撃の対象にならない作戦を計画しているとの見方があるのだ。


 ブッシュ政権は在韓米軍を再配置する理由として韓国側の要請に答えるためと説明している。盧武鉉大統領は今年2月の就任後、「米との対等な関係」を掲げて米軍の再配置や基地の見直しを要求したのは事実である。昨年の選挙時、反米感情が韓国全土に拡大し、ソウル中心地の米軍司令部や全国各地の基地の移転縮小が世論の大勢となったからだ。米側はこの韓国側の要求を理由にして、第二歩兵師団の移転を提案。盧武鉉政権が待ったをかける事態になった。




●同盟の今後を左右する米韓首脳会談のゆくえ


 盧武鉉大統領は5月14日、訪米してブッシュ大統領と会談する。議題のトップはもちろん北朝鮮対策だ。ブッシュ大統領は5月3日、オーストラリアのハワード首相をテキサスの牧場に招いて会談したが、ニューヨークタイムズによれば、会談の大部分は北朝鮮問題だった。それも、ミサイル輸出を阻止するための海上封鎖や経済制裁などについてだったという。盧武鉉大統領との首脳会談でも、ブッシュ大統領は同じ問題を取り上げ、盧大統領の反応を探るだろう。


 もう1つの議題は米軍再配置の問題だ。米国防総省の高官は3月18日、ワシントンの韓国特派員団と匿名を条件に会見し、ブッシュ政権が在韓米軍の再配置とともに米韓相互防衛条約の改定を計画していることを明らかにした。その時期として、今年10月の同条約締結50周年が目標と述べ、さらに「もし韓国が望むなら米軍は明日にでも撤退する」と付け加えたという。ブッシュ政権が盧武鉉政権の姿勢に強い不満を抱いていることがわかる。


 盧武鉉政権が北朝鮮に対する強硬措置に反対し、経済協力を強調するのは、それによって北朝鮮の姿勢が変わるとみたからだ。金大中前政権以来の太陽政策によって南北の交流が拡大し、北朝鮮が韓国を攻撃することはありえないとの判断もある。だが、北朝鮮の核保有発言はじめ一連の動きは、韓国内に疑問を生んでいる。ソウル大学社会発展研究所と三星経済研究所が4月10日に発表した世論調査は、「北朝鮮が核兵器を開発しても支援を続けるべきか」という質問に対し、反対61.1%、賛成19.1%となり、反対が圧倒的に多かった。


 盧武鉉大統領は昨年、米軍装甲車が女子中学生2人を轢殺、全土で反米機運がたかまった最中の選挙で当選した。人権弁護士出身で国会議員暦も一期だけ、訪米は今回が初めてだ。米国内では政治的にまったく未知の存在である。米国大統領との会談は世界のどの国の指導者にとっても重要なことだが、今回の盧武鉉大統領の場合は特にそうだ。


 米側は同大統領の真意を探り、同盟国の指導者として信頼できるかどうかを見定めようとするだろう。米国の不信感は根強い。その結果は、今後の米韓同盟関係、ひいては東アジアの安全保障にも影響することになるので要注意だ。日本にとっても重大な会談となるので目が離せない。






2003年05月05日(月) 《 株式戦略  私の狙う高配当の7銘柄 》

《 株式戦略 私の狙う高配当の7銘柄 》

                    2003.5.5






しかし,私には夢がある。過去にそうであったように,今後も地球の裏側まで海外旅行し,遍歴したい。異国を旅することが私の至上の喜びであり,生き甲斐である。

とはいえ,いかんせん旅費のお金が欠乏して久しい。
株式で損を出すことは絶対に許されない状況にある。が,現在の相場は選択さえ誤らなければ,旅費を稼ぐことが可能である。チャンス到来と考えているのだ。東証は大幅に下がっているが,店頭(ジャスダック)は逆に上昇している。多くの低位株も上がっている。かといって,衝動的に買っては駄目である。

 私は株の購入は,安全を期して高配当銘柄に的をしぼっている。
絶対に資産を減らしたくないという理由からだ。
そうはいっても,単に高配当銘柄だけであるだけでは魅力に欠ける。今後株価も上昇が見込まれる高配当銘柄を狙うのである。

 すなわち2004年3月期決算が大幅増収する点に着目して銘柄選びをするのが賢明だ。現在市場にはバーゲン価格に近い銘柄が多数放置されており,絶好のチャンスだ。下落しない株などあるものか,と疑う人も多いが,高配当銘柄は下値に岩盤が出来ており,下がりは限定的なので,買い安心感がある。



《 私が熱い眼差しを向けている7銘柄 》  
                   2003年5月5日

●�.廛薀優奪�スコミュニケーションズ(6784) (店頭)      株価221000円(5月2日) (1株単位) 

【決算】12月中配 【設立】1995.7 【JQ】2001.7
【特色】ネットワーク機器開発・販売。ファブレスで製造は台湾や中国に委託。低価格・高機能品路線
【連結事業】ネットワークプロダクト70、インターネットシステムプロダクト29、他1  【海外】14 <02・12>

【回 復】前期に投入が遅れたブロードバンドルータ新製品がフル寄与。今後は全機種をVoIPビジネスフォン対応にして拡販狙う。ワイヤレス機器も2割増。業界全体は値の叩き合いだが、高機能での低価格化に狙い定め採算確保。増収増益へ。 【為 替】業績修正を繰返した前期経験からオプション政策を時価評価不要なものに変更。評価損益によるブレは減る公算。
【業績】 売上 営業利益 経常利益 利益 1株益(円) 1株配(円) 1株営業CF 1株株主資本
連00.12 3,924 383 392 168 13,802 2500
連01.12 5,818 477 809 470 34,561 2500
連02.12 4,897 196 217 125 8,709 2500
連03.12予 5,450 350 400 250
17,188 2500
連04.12予 5,800 450 500 300
20,626 2500



●�� 明星食品(2900) 東証2部   
           株価250円(5月2日)

【決算】9月中配 【設立】1950.3  【上場】1979.5
【特色】麺の総合メーカー、即席麺大手、子会社で外食チェーンを展開、海外にも進出 【連結事業】即席めん83(0)、外食16(3)、賃貸1(47)<02・9>

【堅 調】ノンフライ麺は大ヒットの『店主』『職人』両シリーズに加え新製品を投入、袋麺も『チャルメラ』が伸びる。本体の生産性高まり、前期苦戦の外食やチルド子会社もリストラ効果が発現。収益堅調。
【見直し】主力の嵐山工場で外部コンサル入れ業務総見直し、生産性大幅改善進む。シンガポールでシェア6割誇る生産子会社が成長限界迎えタイでの本格生産検討か。

売上 営業利益 経常利益 利益 1株益(円) 1株配(円)
連00. 9 69,488 543 856 -113 -2.7(1株利益) 7記(1株配当)
連01. 9  75,817 561 827 219 5.1       5
連02. 9 76,713 882 1,067 644 15.2        7
連03. 9 79,500 1,600 1,800 800
18.8    7
連04. 82,000 1,700 2,000 900
21.1     7



●�E賈魅┘鵐拭璽廛薀ぅ此�1772)店頭 利回り5.2%
            株価175円(5月2日)

【決算】3月中配 【設立】1968.1 【JQ】1996.4
【特色】空調・給排水設備工事の中堅、福島・宮城が地盤、地場の同業他社系列化で地元密着
【連結事業】建設事業98(7)、海運事業2(31)、他事業0(10) <02・3>

【増配へ】空調工事堅調。新規事業の海洋土木も利益寄与。営業増益。和解金と貸倒引当金特損。03年度も子会社のコンサルとの連携で空調工事は利益確保。海洋土木も安定し営業強含み。特損ない。増配意向。
【課 題】総合エンジニアリングを志向しGIS(地理情報システム)を活用した施設管理サービスで工事受注拡大につなげる。新事業は自家用水道システムに展開。

【業績】 売上 営業利益  経常利益  利益
1株益(円) 1株配(円) 1株営業CF 1株株主資本
連00. 3 6,896 250 254 118 22.2 10(配当) 41.1 378
連01. 3 6,350 230 230 93 11.7 12 35.3 261
連02. 3 7,712 438 435 171 14.3 11 -4.6 178
連03. 3予 10,000 540 520 190 10.5 10
連04. 3予 12,000 580 550 260 14.4    11〜12(配当増額)


●�� ネットワンシステムズ(7518) 東証1部
       株価517000円 (1株売買銘柄)

【決算】3月中配 【設立】1988.2 【上場】1996.10
【特色】ネットワーク専業首位、高度ネットワークの構築や機器販売が主力、三菱商事系
【連結事業】ネットワーク機器商品群74、ネットワークコンピューティング商品群2、メディア商品群8、サービ ス商品群16 <02・3>

【堅 調】大企業、公共とも需要底堅く増収増益。ただ先送り案件等発生で会社売上高計画1000億円達成厳 しい。03年度も主力の大手顧客の通信網投資は堅調。e‐Japan関連増加。前期設立の外部記憶装置子会 社も通期寄与で増収、営業増益。

【方 向】公共関連は総合行政ネットワーク(LG1)本格化に期待。他社との競争激化はハイエンド案件特化で住分け図る。

【業績】 売上 営業利益 経常利益 利益 1株益(円) 1株配(円) 1株営業CF 1株株主資本
連00. 3 34,804 2,678 2,698 1,322 16,694 1000(配当)
連01. 3 58,006 5,199 5,026 3,188 26,589 1000
連02. 3 79,847 7,119 6,932 3,866 31,502 1000
連03. 3 89,000 7,400 7,500 4,350 15,887 1000
連04. 3 100,000 8,200 8,200 4,600 16,800 1000


★その他,高配当銘柄で来期増収の3銘柄にも目配りが欠かせない

●エイボン(4915)  現325円 1株配当16.50円 (利回り5.08%)

●ハウスローゼ(7506) 現805円 配当25円
(利回り3.11%)

●平安レイサービス(2344)現460円 配当25円予測
(利回り5.5%) 



※以上が私が選択した有望銘柄である。下値不安は少なく,上昇が期待される銘柄群を研究して選んでみた。銀行などに預金するならこれらの株を購入し,10年間配当をもらい続けた方が賢明ではなかろうか。大安売りのバーゲン価格である。株価上昇と高配当の二重ねらいでチャンス到来と思う。


カルメンチャキ |MAIL

My追加