いつもより早く帰って来たゲルッチは、いきなりギターを弾き出し歌い出した。
どしたの？
「♪♪・・・・♪」
テーブル横にあるメモ（何でも）帳にさらさらと書き殴った。
オイラを無視して一時間。
「はぁ」
できた？
「あかんミスチルみたいや・・」
歌い方が桜井みたいやもん。
「このメロディなんかそうなってまうねんやー」
確かに。
「そっと手を握ったー少し驚いたー君の・・」
いい感じだけどパンクじゃないね。
「だね」
それからさらにあーでもないこーでもないとギターをシャカシャカやってたけど・・。
「やめた。コーヒー飲むか？」
飲めないっちゅうの！

ゲルッチが作った、三つ葉とロースハム炒め卵とじは塩ふりすぎて辛かったみたい。残った三つ葉は軽く茹でて冷凍してた。
久々に作ったという焼き飯はうまくできてた。
「時間置くと玉葱の甘味がほどよくなってこれまたうまいんだよねー」
アツアツのんがええやん？
「いや食べてみって」
うわほんまうまいわ・・ってワシぬいぐるみやっちゅうねん！
「そろそろキャンプインちゃうけーちょい地味な岡田やけど今年もやりまっせー」
おー！早く春にならないかな。
「だねー。ナイターがないこの季節はテレビもつまらん」
うんうん。
「そうやケーブルテレビでキャンプリポート始まるわ」
まだまだ寒いだろうにね。
「がんばってもらわにゃ〜トラッキーお前はバクテンでグランド一周できるようにしとけよ」
できるか！

「魚屋、今日もファンガスがんがんかけてたぜー。貸してあげたビデオも飾ってちょっとしたコーナーできあがってるよ」
すごいねー。
「おうさ。立ち止まって見て行くお客さんもいるんだってよー」
ポスターはらしてもらったら？
「それはちょっと・・なんぼなんでも目立ちすぎるやろ。基本的に魚屋やからね。しかもスーパーやし。でも持っていったら貼りそうで恐いよ」
ははは・・。
何買って帰って来たのかと思ったら、みつばと湿疹かぶれ虫射されの薬。
みつばは八百屋の親父に半ば強引に買わされたんだって。
薬はもう一月以上治らない両腕内側にできてるかぶれ用。皮膚科行ったほうがいいって言ったのに。
「一番安いの買ってきたけど効くのかな。虫射されって書いてるのがちょっと気になるけど・・。同じようなもんでしょ」
ゲルッチはいきなり叫んだ。
「いて〜〜あつぅ〜〜あかん・・痛いぃ！！！！ぎゃぁ〜〜〜」
大丈夫かおい(-_-;)

病院の帰りにバイト先に寄って、焼肉もらって帰って来た。
「肉だぞ肉！国産和牛だぞ〜」
二十時間のノンアルコールと禁煙はさほど辛くなかったみたい。病院出て煙草吸ったら立ち眩みしたらしいけど。献血で貧血ぎみだったのかな？
「肉食って血を取り戻すぜ」
そうしてくださいな。
「乾杯！」
しかしうまそうに飲むなぁ・・。

ゲルッチは朝から鳥皮と白菜でスープ作って、目玉焼きとパン食べてバイトに出かけました。夜は新薬の治験モニターのバイトで入院だってさ。がんばれ！

ゲルッチ！今日はゴミの日だよ。起きて起きて〜。
休みの日でもいつもなら遅くても八時には起きるのに。
あーあ。知らない・・。

「おはよー。やば！ゴミ出さなきゃー。あらもう九時回ってる・・」
あわてて飛び出して行ったけど、遅かったみたいね。
「トラッキー起こせよぉ」
って知らんがな。
ゲルッチは昼からビール飲んで、ぼーっとしてた。なんか考え事？？
ギター弾きだしたと思ったら、「あかん・・」って。
本読んだり、スターチャンネルの映画観たり。
夜もビール二本で止めて、溜息ついて寝ちゃいました。でも眠れない様子。
そうこうしているうちに寝息が聞こえてきたのでオイラも寝ました。

ゲルッチは五時半には起きて、ごはん食べてバイトに出かけていった。一時期に比べたらがんばってますねー。店長とか魚屋さんと仲良くなってバイト楽しくなったのかな？と思ったら
「しばらくライブないし稼げる時かせいどかにゃー」
ってことらしい。借金まだあるみたいだからね。がんばれゲルッチ！

朝市の店頭販売でウインナーのつめ放題やったらしくて、すごいおばちゃんがいて渡したビニール袋をひっぱってひっぱって大きくしてたんだって。いい根性してはるね。ゲルッチはそんなことできるその人に感動したんだって。羨ましいって・・あんたいつまでたっても貧乏脱出せんわ！
「うるせー。明日は休みだし飲むぞ」
ってあんた毎日飲んどるがな・・。
あてはカツオのたたき。うまそー！俺にもくれ。
「ぬいぐるみは食べなくても死なないの」
ごもっともです。早く人間になりたいです。
「人間より虎になるんじゃないのかぁ？」
うーんむつかしい問題です。

あかん・・十日もサボってた。遡って記憶を手繰り寄せて書く気にはなれないのでやめた。ということで、うちにいる相棒トラッキーにこれからこの日記書いてもらうことにしたのだ。
こりゃ楽だ。がんばれよトラッキー！
まっじかよ〜
まじだよじゃよろしくぅ〜

22日の高円寺のライブに店長と魚屋の兄ちゃんがライブ来てくれたらしいんだけど、今日バイト行ったらかなり気に入ってくれたみたいでゲルッチはいつになく嬉しそうに帰って来た。
「魚屋さんがファンガス（ゲルッチのやってるバンド）のCD一日中がんがんにかけてたよ」
ってさ。
スーパーでそんなこと許されるのかなぁ・・。
でもそんな魚屋さんいいね。パンクがんがんの魚屋。面白い！俺もちょっと覗いてみたいなぁ。
あーあまた酔っ払ってヘッドホンフルボリュームでCD聴いてるよ・・。シャカシャカうるさいんだよぉ(>_<)
明日朝市で朝早いんだろうがー早く寝ろ！

っていうかこれ、SIONのうり吉日記のぱくりじゃん・・？

今日店長に「チャンポン屋行こう」ってお昼誘われた。
というのも、うちも魚屋さんもほとんどの人間がそこに食べに行ってて、大盛ちゃんぽんがすごいのうまいのって会話をよく耳にしてたんだけど、俺は外食なんていう無駄遣いはしないのでだいたいは、うちで弁当作ってきて食べてるから特別行きたくはなかったんだけど、これもつきあいと割りきって行くことにした。
「へーそんなにすごいんですかぁ」とか言っちゃってさ。で、噂のそれはほんと洗面器のような器に山盛りで味もたいしたもんだった。満腹よ。やっぱりあったかいもんはうまい。
作っていってた弁当箱は開かれることなくそのままおうちに帰って冷蔵庫に入りましたとさ。明日朝チンしてまた持ってくかぁ・・。また誘われたら勇気を持って断ろう。一度行っとけばいいでしょう。

夏が終って麦茶のパックがなくなって、ずっと水をペットボトルに入れて飲んでたんだけど、今日うちのスーパーでウーロン茶のパック買った。かなり安かったので飛びついた。五十パック百九十九円よ。一リットルで一パックやから・・五十リットル。すげーってことでさっそく作った。明日から少しブルジョア気分さ。

仕事の帰りにロースハムとネギチャーシューをもらった。売れ残り。
年末に買っていたヤマイモを短冊にして、ネギチャーシューとであての出来上がり。あとは飲むだけ。

五時半起床。ほんとはバイト休みだったんだけど、日曜日の朝は忙しいってわかってるので、がんばって起きて出勤。凍えるような寒さの中、店頭販売。長靴の中で湿った靴下の中の足の指が冷たい・・。昨日朝まで飲んでたらかなりきつかっただろうな。帰って正解。お金もないし、働かなきゃ・・。

下北沢屋根裏でライブ。対人恐怖症の俺としてはかなり辛い小屋。打上に参加する気力もなく、そそくさと帰る。ツアーのギャラが入ったので、帰りにコンビニで値段の張るカップ麺（六角家？）を買って帰る。まずい・・。半分食って捨てる。飲んで寝る。

忘年会の時と同じく滝と池がある地下の店で新年会があった。
そろそろ気持ちよくなってこれからって時に解散。
しかし酔うまでに時間がかかったなぁ・・。
やっぱり気の合う仲間と飲みたいね。
店で食べたものの半分は出してしまったので、みんなと別れてからひとり天下一品へ。ところが注文して一口食べたところで腹が痛くなってきた。気分が悪くなってトイレでまた出した。少し楽になって少し伸びた麺をすする。今日はあんましうまくなかった。それからチャリでふらふら帰りましたとさ。

朝から血を売りに行く。四千円。煙草吸ったらふらふらになった。

よく寝た。みかん狩りのせいで腕が痛い。
天気いいので洗濯。一日のんびり過ごす。

朝、砂浜へ行きしばし波と戯れる。きれいな小石や貝殻を拾う。
小浜発博多行き高速バス十時五十分発。少し遅れて三時過ぎに博多到着。ラーメン食べて、三時五十五分発新幹線のぞみ東京行き自由席に乗り込む。けっこう並んでたけどなんとか座れた。新大阪でお袋の弟夫婦（親父の妹夫婦ともいう）と別れて、そこからはひとり。九時過ぎに東京着。中央線で三鷹まで。ケンタッキーフライドチキン２ピース買って久我山行きバスに乗る。十時半帰宅。約十二時間かかるのね。例年にない有意義な正月でした。

親父の生家千々石へ戻る。午後は裏山のみかんの収穫の手伝い。切っても切ってもきりがない。みかんを食べ食べ・・夕暮れになる。
夜、富津へ。軽く飲んで寝る。

こちらは白菜のお雑煮。港を散歩。崖の上に立つ弁天神社にお参り。これが初詣。都会では見られない景色にただただ感動。
夜は長崎市内へ。関西に学校で来ている娘（うちの両親がいろいろ面倒見ている）のお母さん（お袋の弟の同級生）のおうちへ。お父さんも合流して中華街で夕食。ちゃんぽん、皿うどん等々。食え食え飲め飲め・・。タクシーに乗り込み稲佐山へ。三大夜景のひとつというだけあってすばらしくきれかった。神戸よりきれいかも・・。かなり寒かったけど。
そこからまた繁華街へ戻り、今度はお袋の四十何年ぶりのご対面というお友達のお店へ。飲め飲め歌え歌え・・。気がついたら日付が変ってた。
そのお母さんのおうちに帰ってまた飲め飲め。最後はその娘と二人になってた。午前四時就寝。

雑煮の中身は高菜、切り昆布、こうや豆腐、もち。
墓参りなどしてゆっくり過ごす。午後からはお袋の生家富津へ。車で二十分。
近くの遠い親戚（最近お袋の弟の同窓会でわかったらしい）の家へ。
かに、なまこ、はまち、くじらの刺身等々・・。飲め飲め食え食え・・。
外も暗くなりお袋のお兄さんが住む生家へ戻る。早々とお休み・・。

朝まで飲んで、シーン号で京都まで。そこから電車で西宮の実家へ。そうこうするうちに甲子園から高速バスで伊丹空港へ。
約十年ぶりの飛行機。窓からの景色に感動。雲の上を飛ぶ。不思議な感覚。文明の利器だ。一時間あまりずっと窓の外を見てた。
長崎に到着。迎えの車で親父の兄貴の家（本家）へ。ここに来るのも十年ぶりくらいかな。さっそく飲め飲め食え食え・・。酔いが回って眠気が・・。早々とお休み。

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