心情整理。 |
心情整理。
私は「さよなら」が嫌い。 一人でいることも、嫌い。 ……なんだと、思う。
一人でいることが嫌い、なのは、大体原因が分かってる。 あの一年。 きっと、ほんの些細なことが原因での、一年。 カーテンを引いた自室の下は居間で 聞こえてくる音に耳を塞いだ日々を 夏でも真冬の様に音が無かった事を思い出すから ……だと、思う。
「さよなら」が嫌いなのは 見捨てられた、と思うから、だと思う。 一番最初の彼にそれを告げられた時 代わりになってといった彼女が離れて行った時 私をこの海の中で見つけてくれたあの人がいなくなった時 酷く痛くて 一つの誓いを立てたんだ。
しかめ面をやめて、笑っていよう。 手の届くモノだけを愛そう。 手の届くモノだけを守ろう。 手の届くモノだけを慈しもう。 求められるモノを、返そう。
そうすれば当面の間 痛くないと思った。 そうすれば周りの子達は 笑ってくれると思った。 そうすれば何時か 誰か手を差し伸べてくれると思った。 ……そうすれば、何時か、 この痛みは消えると思った。
子供はそう決断した。 子供を継いだ私は、そうしようと思った。 それが最善で それが最高で それが綺麗だと、思った、から。
失望されるのは、怖い。 見捨てられるのは、怖い。 人より少しだけ頭の良かっただけの私の中身はがらんどうで あの閉じた世界の中であの人達は絶対で 『必要じゃない』 それが、何よりも、怖かった。 だから、条件がついたあの日に それを満たせないならいらない、と それが愛されるための条件だ、と 言われたような、気がしたんだ。 それが思い込みだったとしても それが勘違いだったとしても ただ、痛くて怖くて腹立たしかったのを覚えている。
きっと、ただ、褒めて欲しかっただけなんだ。 初めて自分で選んだものを 認めて欲しかった。 きっと、ただ、それだけ。 それはきっと、あの人達がされなかったことで あの人達が、少なくとも私の時に、知らなかったこと。 時間を経て、あの人達が得たもので 私には向けられなかったモノ。 それが、ほしかったんだ。 勉強が出来なくたっていいんだよ、って 友達と遊んできたっていいんだよ、って ……すきなこと、していいんだよ、って、ことば。
腕が、言葉が、欲しかったんだ。 クラスで一位を取ったり 学年上位に入ったりしたら 褒めて欲しかったんだ。 あの馬鹿にするみたいに だきしめて、ほしかったんだ。
見ないようにしてたのは、そんな、子供の我儘。 年にしては幼い、子供の我儘。 あの人達が悪いと言う為に目を塞いだモノは、ソレなんだ。
ねぇ、見捨てないでよ どれだけ駄目でも どれだけみっともなくても 見捨てないで。 必要として。
そんな言葉を、ずっと、叫び続けていたんだ。 誰か 誰か一人居てくれればいいと
それ以上望んだらバチアタリだから だから たった一人 見捨てないでくれればいいと 認めてくれればいいと 願ったんだ
でも いつの間にか たった一人じゃ無理で それだけじゃ生きてけなくなってた
子供との誓いを反故にしないと いけなく、なってた。
見捨てられるのは、まだ、怖い けど失うことの方が、もっと、怖い
結局、七年前と何も変わって無かったんだ。 こんな、臆病な根底は。
人一倍臆病なんです。 人一倍怖がりなんです。 人よりずっと駄目なんです。 それでも 失望しないでください。 見捨てないでください。
そんな泣き声が、何時か聞こえなくなる日が、来ればいい。
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2008年03月24日(月)
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