Deckard's Movie Diary
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2004年05月31日(月)  下妻物語 深呼吸の必要

「あ、これパパ好きだよ!ウ○コー!」と叫んだのは、左斜め前方に座っていた親子連れ(母と小学生の姉妹)の長女(小学3年生くらい?)でした。慌てた母親は鬼の形相で娘を睨み付けて激怒!上映前の半分薄暗くなった場内で映し出される広告映像には“ウ○コ”の影も形もありませんでしたが、まさか、右斜め前方の渋谷系女子二名がズルズルやってたレンジでチンのスパゲティ(おそらくボンゴレとミートソース)の匂いを勘違いしたとか?とまぁ、普段のシャンテ・シネ劇場からは想像も出来ないキャラで埋まった、そんな不思議な空間で観るには最適な映画でした(笑)予告編で「寒ぶ!」っと、感じたギャグも全編を通して見ると全く寒くありません(笑)。原作は漫画(未読)ですが、この作品は“漫画”という(原作に合っているかどうかではなく)世界観を十二分に反映した類稀な傑作となっています。ガンマ値を上げた映像に濃いキャラが寒ぶいギャグを連発!ともすれば、ただ疲れるだけの映画になりがちなのですが、そんな心配は無用。観客は気持ち良く空を浮遊出来ます。観終わった後には、まるでサッポロ黒生で山崎努との卓球に勝った豊川悦司のようなガッツポーズ(中島哲也演出CM)をしたくなります(苦笑)。深田恭子はイっちゃってるキャラとかは天然に上手い(なんだこの表現)んですが、ラストで未熟さを露呈してしまったのは残念でした。映画初出演になる土屋アンナは演じやすいキャラだった事を差し引いても魅力的です。脇を固める役者陣も的確な演出に恐ろしくハマっており、どいつもこいつもメチャメチャヤバイ(誉め言葉(苦笑))です。しょーもないギャグやしょーもない登場人物ばかりですが、キッチリとケジメもつけているのでホロっと来たりなんかしちゃって・・・(⌒o⌒;A とても欲張った作品ですが全体のバランスが良いので全く違和感が無く、ゴテゴテしたデザインなのに品の良さを感じさせるドレスのようです。エンディングで聞こえてくる往年のジャパニーズ・ロック・ナンバーも好感触♪中島哲也監督は少なからず縁のある人なのですが、彼にこういったセンスがあるとは思っていませんでした。中島氏(巨漢。咽頭が弱くダースベイダーのようにいつもスーハースーハー言ってる。口癖は「オレの後ろに立つな!」ってゴルゴ13かよ!)の長編映画は『夏時間の大人たち』『ビューティフル・サンデー』に続いて3本目ですが、初めてのメジャー作品で傑作をモノにしました。『踊る世界の中心で〜』みたいな作品ではなく、こういう映画こそ世界配給して欲しいもんですなぁ。でもって、タランティーノの次回作『キル・ビル外伝』(←大嘘)でリスペクトしてくれれば最高なんだけどなぁ(って、そりゃないだろ!)


どうにも相性の悪い篠原哲雄監督ですが“サトウキビ刈り”になんとなく惹かれていた(苦笑)『深呼吸の必要』。「まぁ、どうせ“それなり”だろう・・・」と期待値低目でTRYしたのが功を奏したのかもしれませんが、とても気持ちの良い映画でした。ストーリーには予告編以上のモノは何もありませんが、邦画にありがちな必要以上なウェット描写は無く、全編を通して潔くアッサリと描かれており(良い意味で寡黙)好印象でした。というワケでダメな作品では無かったのですが、もうひとつ足りないんですよねぇ!もう一捻りして欲しいと言うか、ルックスも正確も悪くないんだけど、イマイチ“華”が無いという感じです。だいたい「出会いと感動があるから旅が止められない・・・」なんて、陳腐なセリフが出てくる時点でドラマが浅くなっちゃうと思うんですけど、登場人物もありがちなキャラクターばかりというのもなぁ・・・もう少し頑張って欲しいモンです(ホント、コレばっかりだわ!)。個人的には(好)ですが、一般的には(暇)という感じでしょう。長澤まさみはこの作品でも好印象でしたが、相変わらずマイ・ラバは下手くそですなぁ〜(笑)


2004年05月26日(水)  コールド・マウンテン

<ネタバレしています>

公開前から期待していた映画でしたが、ロードショーが始まって即観に行った友人二人がそろって「トホホ」と唸っていたので「あんれまぁ〜!スル〜にすっべか!」とホッタラカシにしていたら今週で終わり!ってんで、やっぱレニーのアカデミー助演女優賞演技は観とかなアカンなぁ・・・と一念発起してレディースデイにも関わらず観てきました(´―`)┌ふー(って、文章長いよ!)なるほど!「トホホ」という気持ちも分かりました。つまり、この映画は起承転結の“起”の部分が著しく短く“承”が異常に長いんですね。追跡調査をしたところ“起”の部分のシーンは全部で20シーン程度あったそうですが、半分以上がカットされたそうです。凡例を挙げますと、エイダ(ニコール・キッドマン)が弾くピアノの音色が聞こえてくる中、バルコニーで「彼女は何も知らないで育った娘なんだ・・・君が支えてくれると嬉しいんだが・・・」と父(ドナルド・サザーランド)に頼まれるインマン(ジュード・ロウ)とか、雑貨店で買い物をしていると「戦争になりそうだ・・・」という話が聞こえてきて思わずインマンの手を握り締めてしまうエイダとか、「キスをする時って鼻は邪魔にならないのかしら?」とインマンに尋ねるエイダとか、雨宿りの小屋で服を乾かす二人とか(笑)。まぁ早い話、エイダに会う為に脱走兵として追われながら山あり谷ありの長い道のりを文字通り這ってでも帰ろうとするインマン、そして周囲の「あいつはもう死んでいる」という言葉に耳を傾けず、ひたすら待ち続けるエイダ。そんな健気な二人の結びつきが“起”の部分を端折りすぎている為、観ている方にしてみれば思い入れがし辛いです。結局は相手への純粋な思いと言うよりは、過酷な現実の中で生きる糧にしているだけなんですけどね。で、レニーですが、これは素晴らしかったです!何も言うコトはありません。またニコールのインマンと再会した時の表情もとても良かった!ジュード・ロウって髭やら長髪やらで全く人相が変わるんですね(苦笑)。誰?この人?って、何度も思っちまいましたΣ( ̄□ ̄;) まぁ、全体を通してフラフラしている映画でしたが、好きな作品であるのは間違いありません。それにしても色んな人が出ていたんですねぇ、全く知らなかったのでフィリップ・シーモア・ホフマンとかナタリー・ポートマンとか出てきた日にゃ得した気分になっちまいました(爆)


2004年05月25日(火)  レディ・キラーズ

55年の『マダムと泥棒』のリメイク作品『レディ・キラーズ』はコーエン兄弟の新作でもあります。『マダムと泥棒』の主演はアレック・ギネスで、共演のピーター・セラーズが「アレック・ギネスって本当にコメディが上手いなぁ・・・」と感嘆したとかいう話がありましたが、今回のトム・ハンクスはアカデミー賞男優丸出しの怪演です(苦笑)。まぁ、トム・ハンクスに限らず残りの4人も濃ぃ〜キャラを作り出しているんですけどね。もちろん、映画自体も鬱陶しいくらいコーエン・コーエン(なんじゃ、そりゃ)しています。良くも悪くもコーエン節が炸裂していた『オー・ブラザー』『バーバー』に比べ、前作の『ディボース・ショウ』は口当たりが良過ぎてガッカリしていた諸兄にも今作は拍手を持って迎えられるでしょう。また、月1本程度を御覧になる映画ファンにも十分楽しめる作品になっていると思います。でもって、オイラみたいな捻くれモンは「なんだかなぁ・・・」となっちまう仕上がりなんですよ(自爆)。だからね“面白い”っちゃ、面白いんですけど、“なんだかなぁ〜”っちゃ、なんだかなぁ〜なワケですよ(わかんねぇ〜)。あ、そうそう!サントラは良さそうですよ。


2004年05月19日(水)  THREE/臨死

韓国、タイ、香港の3人の監督が“臨死”をテーマに描くオムニバス・ホラー『THREE/臨死』。最初にスクリーンに映し出されるのは『反則王』で手堅い演出を見せた韓国代表・キム・ジウン監督作『メモリーズ』。とにかくドッキリ的“驚かし”ばかりでうんざり!当然のコトながら最大ボリュームのSEを伴いますから心臓に悪いです。この監督の次回作は韓国で大ヒットした『箪笥』ですが、このような演出が2時間も続くのかと思ったら、ちょっと勘弁ですなぁ・・・。またストーリーも意味有り気な描写が続きますが、深いモノは全く無くガッカリでした。二本目はタイ代表。『ナンナーク』『シャンダラ』(共に未見)のノンスィー・ニミブット監督作『ホイール』ですが、これは拙い・・・というか、演出もストーリーも全く魅力の感じない作品でした。途中で何度も眠たくなってしまい困ってしまいました(苦笑)。上記2本は“低予算”が画面にハッキリ映ってしまっているのも難点でしたが、ラストの『ゴーイング・ホーム』は、監督のピーター・チャン(『ラヴソング』)が映画全体のプロデュースも兼ねているので、一番グレード感がありました(って、どういう意味だよ(笑))。まぁ、撮影はクリストファー・ドイルですし、出演がレオン・ライにエリック・ツァンですから、それなりの出来は確保されたようなモンでしょう。前半部、子供の表情で観る者を不安にさせる演出が上手く(子供の表情も上手いんですよ!)、ついつい引き込まれます。ところが、途中から違う話になってしまったような印象です。プロローグ、本編、エピローグ、3つの部分のリンクが甘くそれぞれが別モノに見えてしまったのは残念でした。もう少し脚本を煮詰めて欲しかったですね。主演のレオン・ライは今までとは違った雰囲気を醸し出しており、見応えのある演技でした。最後に流れた歌も上手かったですよ。しかし、国は違えど“ホラー”というジャンルは似たり寄ったりの色彩設定、カメラアングル、編集なんですねぇ・・・ボソ。


2004年05月18日(火)  スイミング・プール

<未見の方は読まない方が宜しいかと・・・>

フランソワーズ・オゾン・・・ちょっと甘くみていました(⌒o⌒;A やっぱり只者ではなかったですね(って、今頃かい!)。ある意味、禁じ手の映画とも言えるのですが、全く悪い印象は無かったです。しかし、この作品は書き辛いですわ。何を書いてもネタバレになってしまう可能性が高いですからねぇ・・・っつーか、何も知らないで観るのが一番です。オイラの場合、エンドロールが終わってから、ようやく気がついた鈍感野郎でした(>_<)アチャ!
始まって
20分後、シャーロット・ランプリングは上手いなぁ、物凄い存在感だなぁ・・・
40分後、オゾンってカットを重ねる間の取り方とかカメラの細かい動きとか奥が深いなぁ・・・
60分後、それにしてもエロいなぁ・・・
75分後、男がこんなの内容の映画を観ちゃっていいのかなぁ・・・
80分後、そんなコトしちゃうわけ!マジかよ・・・
95分後、え〜!!!どういうこと?????オマケに場内もあっちこっちで?????

で、明るくなって「あ!そういうコトかぁ!!」思わず声に出してしまいました(自爆)。な〜るほど!考えてみればアチコチ「ん?」となるところはあったんですが、ほったらかしちゃいました!だって、あまりに餌の撒き方が上手くて!くっそ〜!もう一度見たいなぁ・・・。というワケで、ランプリングの表情とサニエの肉体とオゾンの才能にすっかりやられてしまいましたとさ(大恥・苦笑)。


2004年05月17日(月)  ビッグ・フィッシュ ドーン・オブ・ザ・デッド

拝啓 ティム・バートン様
風薫るさわやかな季節になりました。樹々の若葉が目にしみる今日この頃ですが、本日は貴方の新作映画『ビッグ・フィッシュ』を鑑賞してまいりました。貴方の童心溢れる性格、茶目っ気が、あらためて思い出されます。世知辛い世の中で、ともすれば忘れがちな“夢見る心”を周囲に振りまく貴方の心根がスクリーンから溢れており、映画を観ている時からとても暖かい気持ちに包まれました。人にはいろいろな立場や状況があり、自分を守ることや主張することに一生懸命になるあまり、目の前の大切なことに気がつかず失ってしまうことも多いようです。そんななかで、いつも貴方の作品は本当に大切なコトを教えてくれます。“人生なんてお伽話さ。”という今回の作品もまた素敵な物語でした。だけんどもしかし!(あ、失礼しました)ダニー・エルフマンの名曲(『シザーハンズ』)に乗せた予告編で見られる、貴方の魅力を存分に発揮しているシーンの数々は「素晴らしい!」の一言なのですが、ごくごく普通のシーンとなると、僭越ながら消化不良の印象が残りました。特にジェシカ・ラングの存在感の無さと言ったら・・・アルバート・フィニーが輝いているだけに残念です。やはり貴方は現実世界や大人の女性が苦手なのですね。でも逆に言えば、私はそんなコトが気になってしまうような凡庸な感性しか持ち合わせていない自分を恥じなければいけないのです。考えてみれば分かる事ですが、貴方のような方はそんな末梢的な事を気にする必要はありません。貴方の魅力は現実世界をよりリアルに見せるコトではなく、現実世界を夢のように見せるコトなのですから!私は自分の至らなさを戒める為にも死ぬまでに後100回は『ビッグ・フィッシュ』観ることをお約束します。貴方は、これからも周りの雑音など気にせず堂堂と胸をはって「オイラはオイラ」と、欠点なんか笑い飛ばして好き勝手に作って下さいませ。自他共に認める貴方の大ファンである私は、今回もまた楽しいひとときを過ごすことが出来ました。大変感謝しています。末筆ながら、ますますのご活躍を心からお祈りしています。
敬具

なんだよ!この映画!『ドーン・オブ・ザ・デッド』。全く怖くない!気味悪くも無いし、物体Xの顔頭蟹みたいに笑える部分もないし、切なさ系もとってつけたような印象しかないし・・・ゾンビで遊ぶシーンとか面白いところもあるんだけど、どーでもいい映画でした。スピードアップした動きもどうなんでしょ?個人的にはつまらなくなったような気もします。だって、“タメ”が無くなっちゃいましたよ。・・・スポーツでも、歌でも、芝居でも、お笑いでも“タメ”は大事ですからねぇ(笑)。サラ・ポーリーをはじめ出演者が皆頑張っていただけに、もう少し何とかして欲しかったです。


2004年05月14日(金)  チルソクの夏

『半落ち』でその実力を知らしめた佐々部清監督が『半落ち』の前に撮っていた『チルソクの夏』。舞台は山口県下関、年に1回開催される釜山との合同親善陸上競技界。そこで、走り高跳びの選手だった郁子は一人の韓国人の男の子と出会う・・・古き良き邦画の香りとでも言うのでしょうか、とても懐かしく清々しい後味の映画でした。まさに“愛すべき小品”と呼ぶのに相応しい作品といえるでしょう(笑)。時代背景は70年代後半、郁子(水谷紀里)の遠距離純愛を軸に初々しい青春模様が繰り広げられます。時代や世相を色濃く反映したストーリーの中、この映画の最大の功労者とも言える主演女子高生4人(真理役の上野樹里は『ジョゼと〜』で元彼女役、次回作は矢口史靖(ウォーター・ボイーイズ)監督作品『スウィングガールズ』)の瑞々しくハツラツとした姿は、観る者に“真っ直ぐだったあの頃”を思い出させてくれます。小生は男子ですが、あの頃の女子ってあんな感じだったんじゃないでしょうか、誰か教えて下さい。また、これが映画初出演(本当かよ!)になる山本譲二も存在感タップリの好演!監督の佐々部清という人は、間違いなく邦画黄金期の正統な継承者ですね。やっぱ『陽はまた昇る』を観ないとダメかなぁ・・・ボソ。


2004年05月13日(木)  世界の中心で、愛をさけぶ

<ネタバレしています>

『世界の中心で愛を叫んだけもの』。もちろん原作はハーラン・エリスの短編集で暴力と絶望、不条理を描いたSFの名作で・・・あれ?違うなぁ・・・あ、そうか!原作はエヴァンゲリオンの最終話で・・・あ、コレも違うなぁ・・・“けもの”は無いのね?っつー、ワザと過ぎるほどワザとらしい書き出しですが、それでも書かずにはいられないK点越えのベストセラー『世界の中心で、愛をさけぶ』です。監督は“またかよ!”の行定勲(笑)。今回の演出は主人公・朔太郎が四国へ飛んで暫くは悪くなかったんですが、途中から例によってダラダラと垂れ流し(幾らなんでも2時間20分は長いだろ!)のように進んでしまいました。まぁ、今作に関しては脚本がダメダメですから・・・では以下にその点を上げて見ます。

�� 台風中継をしているTV画面に偶然に恋人が映り、それをまた偶然に見ていて気がつく。
�� ラジオ番組にふざけて書いた葉書の内容(文化祭でシンデレラ役の女生徒が白血病になって参加出来なくなる)が、そのまま起こる。投書以前に彼女が何らかの病にかかっている節はありましたが・・・。
�� 結婚しようとしている相手、同郷(それも片田舎)で、片親で、脚が不自由なのに、片親の理由や脚が不自由な理由を聞いている節がない(聞いていれば二人の糸はもっと早く繋がるはず)。
�� これは質問なんですが(誰にだよ)白血病を患っていながら、ホンの数時間前まで病院の庭を歩いていたような人間がいきなり死んでしまう・・・なんてコトがあるんですか?

という風にクドクドと書いてきましたが、まぁ、この際(なにがこの際なんだ?)上記のケチには目を瞑ります。が、小学生(おそらく3〜4年生)の時、土砂降りの雨の中で交通事故に遭い、その時着ていたカーディガンを14年経っても持っていて、さらに!そのカーディガンのポケットにカセットテープが入ったままになっている!しかも聴いてない。(同じ家にズーっと住んでいるのなら100歩譲りますが、四国から東京に引越してますしねぇ・・・)な〜んてのは、どう考えたってオカシイでしょ?オカシクないのかなぁ・・・?

それでも良かったところはあります。雑踏の中で柴崎コウが涙を流すシーンと長澤まさみのナレーションを含む演技は見応えありました。元々ダンサーの森山末來はこれからの人ですが、大沢たかおは例によって“別にぃ?”でした。

この作品を観て“奇跡の純愛小説”というキャッチの本当の意味が分かりました。これだけ都合の良い偶然が重なるってコトが奇跡なんですね(苦笑)。まぁ、小説の方はもう少しまともだとは思いますが。それにしても、昨年のメガヒット・ムービーにしてもこの作品にしても・・・大丈夫かなぁ・・・(何が?)だいたい、原題の『恋するソクラテス』だったら25万部売れなかったでしょうね。オイラが社長だったら、パクリタイトルを考えた編集者には特別ボーナスをドッカ〜ン!と進呈します(笑)。ところで、二人が行く無人島の廃墟は『BR�供戮納係興�也が潜んでいた場所のような気がするんですが・・・。


2004年05月12日(水)  パッション ジャンプ

全米で公開されると同時に物議をかもしたメル・ギブソン監督最新作『パッション』。簡単に言ってしまえば(簡単に言うなよ)原題にある “キリストの受難”を追体験する為だけの映画でした。例えば、これからカソリックの信仰に一生を捧げたいと思っている人はこの映画を毎日朝晩に1回ずつ観てキリストの受難を敬虔な気持ちで受け止め、信仰を深める・・・とか、まぁ、そんな風に活用出来る作品とか言っちゃったりなんかして・・・す、す、すみませんm(_ _)m。というワケで、舞い上がる土埃から滴り落ちる水の一滴まで、作り手のテンションが漲る作品でした。監督メル・ギブソンのこの作品に賭ける異様な意気込みが全てのカットから滲み出ており、高評価をする人々がいるのも理解出来ます。しかし、オイラはキリストのコトを良く知っているワケでもありませんし、特に興味もありません。当然理解し難い部分も出てきますし、ジム・カヴィーゼル扮するイエスに感情移入するのも至難の業です。また、理解の及ばない部分がこの作品にどういう意味で絡んでいるのかも全く分かりません。結果、オイラには拷問シーンばかりが延々と続く作品にしか感じられませんでした。逆に、ここまでそのようなシーンを生真面目に見せ付けられると、作品云々ではなく教育的指導をされているような気分にもなってしまいました。それは、タバコを吸っているシーンを延々と見せられるとタバコを吸いたくなくなるような気分になるのと似ています。結局は、そんなトンチンカンなコトしか感じられなかったオイラにはハードルが高過ぎる作品でした。でも、信じないからと言って目は突付かないでね、知らないだけかもしれないでしょダッシュ!ε≡≡≡ヘ(; -_-)ノ


突然、恋人が失踪・・・っつーシチュエーションに興味を持ったので観てきました。佐藤正午原作『ジャンプ』。監督はこれがデビュー作になる竹下昌男。突然彼女が消えてしまい、残される彼。彼女は何処へ?彼は彼女の足跡を辿って、やがて・・・・これはミステリーの手法、ある種の謎解きです。だからその謎が解けた時に「うっそ〜!」となるのか「なるほどねぇ〜」となるのか・・・結局は失踪した人間の心情が理解出来るかどうかにかかってきます。この映画の場合は現代における人間関係の希薄さがモチーフなので共感出来るところもありますが、それならば明らかに前半部分の描写が物足りません。しかし、全編に流れる実直なトーンには好感を持てます。おそらく失踪する南雲みはる(笛木優子)、残される三谷純之輔(原田泰造)、三谷の同僚・鈴乃木早苗(牧瀬里穂)の3人の糸がもっと上手く絡み合っていたのならさらに魅力的な作品に仕上がっていたでしょう。竹下の師匠にあたる根岸吉太郎辺りが監督していたら・・・残念です。それにしても失踪する南雲みはるの部屋の存在感の無さと言ったら酷いモンです。人が居なくなるんですから、その人がそこにホンの少し前まで生活していたような温もりが無いと説得力がありません。 壁にカレンダーのひとつもかかってないって、どういうこと?そういうところがダメなんだよなぁ・・・何度言ったらわかるんだよ(って、誰も聞いてないよ)。


2004年05月10日(月)  死に花

『ジョゼと虎と魚たち』で評価を高めたであろう犬童一心監督。最新作は老人達が主役の『死に花』。最近の邦画のほとんどがそうであるように、全てにおいてヌルい映画でした。それぞれのキャラの描き方が中途半端でヌルい!肝心な“ひと花咲かせよう!”と行動に出るそれぞれの動悸の描写がヌルい!オチがストーリーに上手く嵌ってない脚本がヌルい!この映画のメインターゲットである年配の方に考慮したワケじゃないだろうけど(苦笑)、テンポがヌルい!(っつーか、ノンビリ?)結局は演出が単調でヌルい!それでも、そんなに悪い映画ではありません。山崎努演じる菊島の“老い”てゆく描写、唯一の若者・和子(星野真里)の絡み方、菊島と明日香(松原智恵子)の恋模様等、魅力的な部分もあります。エンディングも美しいですしねぇ・・・しかし、これだけの芸達者が揃っているのに作品に深みが無いっては致命的です。ナンだか簡単に作っている気がしてしょうがないのですが・・・もちろん、そんなコトは無いでしょうけどね。ちょいと昔だったら、この手の映画をキッチリと娯楽作品にした監督はけっこう居たんですけどねぇ・・・まぁ、役者が若い監督を欲する機運もあるようですが、若くても自分の哲学を持っている人(例えば岩井俊二、是枝裕和)とか、勢いだけは負けない人(最近コケてる北村龍平、矢口史靖)とかだったら意味もありますが、単に小賢しいだけの監督だったら無意味なんじゃないでしょうか・・・ボソ。若い時から小さくまとまってどーすんだよ!(って、人のふりみて、我が身を振り返り、ジっと過去を思う(自爆))


2004年05月07日(金)  永遠のモータウン

正直言いますと、ジョーン・オズボーンが♪恋に破れてを熱唱する辺りからライヴ映像に突入する度に泣けて仕方がなかったです。この歌のオリジナルはジミー・ラフィンですが『フライド・グリーン・トマト』の中でもポール・ヤングがカバーしていました。いい曲ですなぁ〜。というワケで『永遠のモータウン』です。

ファンク・ブラザーズのコトもジェームス・ジェマーソンの逸話(モータウン25周年コンサートにダフ屋から買ったチケットで観に行った)も知っていましたが、こうやって描かれるとやはりジーンと来ますね。小生がファンク・ブラザーズのコトを知ったのは第1期ジェフ・ベックグループが解散した後、BBAを結成しようとして叶わず、その時にベックが「だったらモータウンのリズム・セクションとやりたい・・・」と発言した時なんです。あのジェフ・ベックが心酔しているモータウンのリズム・セクションって?というコトで、知ったワケです。そして、モータウン・スタジオでコージー・パウエルと共に完成させたのが『Rough And Ready』。(余談ですが、この時デトロイトに同行したマネージャーのミッキー・モストが地元のライブ・ハウスで見つけたのがスージー・クアトロ。その後、ロンドンからソロ・デビューして大成功しちゃったんですねぇ。)

話を元に戻して・・・映画は現在のインタビュー、過去の素材、そして再現フィルム、それぞれの混ざり具合がちょっとアタフタしているのが難点ですが、それでも十分満足出来る仕上がりです。モータウン・ストーリーをバックボーンに繰り広げられる素晴らしいライヴ・シーン。誰も彼もがファンク・ブラザーズの演奏をバックに天にも昇るような気持ち良さで歌っています。そんな演奏シーンが絶妙の按配で挿入されるので、ついついひきこまれてしまいます。モータウンに関しては怪しい話が色々あって、例えばシュープリームスのほとんどの曲はロスでレコーディングされていたとか、『リーチ・アウト、アイル・ビー・ゼア』のベースはジェームス・ジェマーソンではなくハリウッドのセッション・ミュージシャン(確か女性・・・名前は忘れました!Σ( ̄□ ̄;))が弾いていたとか、モータウンが衰退の道を歩むきっかけになったのはマーサを追い落とした、出世欲の固まりだったダイアナ・ロスだったとか、まぁ、色々ありますが、モータウン・サウンドの基礎を作ったのはジェマーソンとベニー・ベンジャミンだったというコトに異論を唱える人はほとんど居ないでしょう。

今で言えば優良なベンチャー企業だった“モーター・タウン”ことデトロイトで生まれたモータウン。売れれば売れるほど「楽しければイイや!」では成り立たなくなります。結局は、映画産業にまで手を出し衰退の一途を辿るコトに・・・。モータウンの基礎を作り、数々のヒット曲を送り出し、世界の音楽ファン&ミュージシャンに与えた影響は計り知れないファンク・ブラザーズ。そんな彼等に陽の当たる映画が作られて本当に良かった!泣けてしまいました♪〜( ̄ε ̄;)

ところで“モータウン・カフェ”って何でタイトーがやってるんですか?それも仙台で?誰か教えて下さい。


2004年05月06日(木)  スクール・オブ・ロック ピーター・パン

『ハイ・フィデリティ』でティム・ロビンスをコバカにしたシーンが印象的だったジャック・ブラック(笑)。現在もロックグループで活躍しているだけに、今回の『スクール・オブ・ロック』はまさにギターを得たヴァン・ヘイレン状態(笑)。個人的には上映前に流れているロック・クラシックの数々だけで、かなりの高得点(オイオイ…( ;・_・)ッ( ゚ー゚)ウキ…内容は、ロック好きにはたまらないコネタ満載で涙モノの仕上がりになっていました。主演のジャック・ブラック演じるデューイは時代錯誤のロック至上主義者。自分で結成したバンドなのにメンバーからリコールされるし、「こいつ最低だよ」と陰口を叩かれている野郎です。元々ズレてる奴ですから、独り善がりの曲も全く魅力がありません。そんな彼の偏った主義が全く反対のベクトルで偏った教えを受けてきた小学生に(相手が高校生だったら話になりませんが、まだまだ洗脳され易い小学生っていうところが上手い!)カルチャーショックを与え、上手い具合に融合してエンディングへ。毒を持って毒を制す!というパターンですな。まぁ、かなり好意的で大甘な見方ですが・・・とにかくロック大好きなモンですから(苦笑)同居している元バンド仲間の彼が“スクール・オブ・ロック”の良心っつーコトで、これまた好意的に判断しました。一昔前なら、世代間のコミュニケーション・ツールとしてばかり使われていたロックでしたが、こういう映画が作られ、ヒットする時代になったんですねぇ・・・しみじみ。個人的にはジョーン・キューザック(実に魅力的なキャラで好演!)がテーブルの上でスカーフ片手に歌うスティーヴィー・ニックスの物真似を是非拝見したいものです(爆)。ラストの盛り上がりがイマイチだったのが残念でしたが、一番ガッカリしたのは、ロック映画なのに音響が良くなかったんです。因みに日比谷映画でした。


『ピーター・パン』・・・この歳になっても重度のピーター・パン症候群に犯されている自分は観なけれいけない!という使命感で観てきました(苦笑)無粋なコトにディズニー・アニメが苦手なオイラも実写版なら楽しむ事が出来るでしょう(自爆)。まぁ、内容は可も無く不可も無く普通でした(苦笑)。ウェンディが大人になるコトを選んだ後、キチンとピーター・パンが可愛そうに見えます(笑)。つまりピーター・パンは憧れではあるけれど、永遠ではないんですよね。一時の夢。やっぱ、夢ばっかり見てちゃダメなんですかね?


2004年05月01日(土)  Re:プレイ ソニー ロスト・イン・トランスレーション

なぜかK’s cinemaで公開されている『Re:プレイ』。原作・脚本が『アイデンティティー』のマイケル・クーニー、監督が『トンネル』のローランド・ズゾ・リヒター。これはチェックしたくなるでしょ!不安はK’s cinemaってだけだったんですが(笑)・・・

いやぁ、やっぱり見といて良かったです。さすがに一筋縄では行きません(苦笑)。『アイデンティティー』を御覧になっている方は分かると思うのですが、何を言ってもネタバレになるので書き方が難しいです。『アイデンティティー』ほどの切れ味は無いので、かなりこんがらがります(苦笑)。何故?の疑問も多少残りますが、なるほどねぇ〜!と納得出来るオチにはなっています。ただ、このオチは今までもあったような・・・ボソ。

あ、そうそう!なかなかセンスの良いエフェクトどなぁ・・・と、思っていたら、エンドロールで懐かしい名前を見つけました。70年代から80年代にかけてピンクフロイド、ツェッペリン、ピーター・ガブリエル、ユーミン等のジャケット・デザインで名を馳せた“ヒプノシス”がヴィジュアル・エフェクトに絡んでいました。まぁ、考えてみれば今の時代、映像関係に進出していてもナ〜ンの不思議もないですからね。最後に・・・K’s cinemaなんですが、小綺麗な映画館でした。従業員の対応も拙いながら良かったですし、また行ってみたいですね。



『ソニー』・・・ニコラス・ケイジ初監督作だそうです。まぁ、はっきり言って“見出し”ばかりの映画というか、行間が無いというか、雑誌の中吊り広告みたいな映画というか、全然はっきり言ってないじゃん(自爆)。登場人物がいろいろ行動を起こすんですが、そのバックボーンが全く分かりません。っつーか、おざなりです。だから全く感情移入出来ません。こういう世界ってけっこう好きなんですけどねぇ・・・ゴミ溜めから抜け出そうとする青春モノ・・・なんつーか、ATG(また出たよ)っぽくてね。まぁ、ハリー・ディーン・スタントンが渋かったからイイや!って、なんだそりゃ!本当は3時間くらいの力作を無理やり1時間50分にまとめたのかもしれませんね!って、そんなアホな(苦笑)。



<ネタバレしています!>
アカデミー賞脚本賞受賞、ソフィア・コッポラ監督の『ロスト・イン・トランスレーション』。映画の日とはいえ、1時間前で既に立ち見!Σ( ̄□ ̄;) 3時間後の次の回にするのもバカらしいので通路で座って観てしまいました。

ビル・マーレイとスカーレット・ヨハンセンは素晴らしく、監督の狙いを完璧に表現していると言っても過言ではないでしょう。二人は“異国での疎外感”の中で生まれた淡い恋愛感情を巧みに表現してみませます。そして、その疎外感を際立たせる場所として“東京”が選ばれたワケです。つまり、この映画における“東京”は単なるバックボーンとしての登場だったんです。英語の出来る日本人とも遊びました。カラオケもやりました。歌舞伎町でも遊びました。京都にも行きました。生け花もやりました。富士山に向かってゴルフもやりました・・・・でも“東京(日本)”の文化を理解するような場面は無く、歩みよることも全くありません。病院でのやりとりは単なるコントのノリで楽しめますが、またかよ!という印象です。まぁ、外国人は「そう!そう!」って膝でも打つんでしょうけどね(苦笑)。

目の前に提示され、言葉が通じないモノは基本的に理解不能。言葉を越えて感じるモノは一切描かれません。描かれるのは同じ穴の狢である二人の感情だけです。この映画に脚本賞を与えるアメリカ人の感覚は、まさにアメリカ人ならではの傲慢さを感じさせます。ソフィア・コッポラが「私は、東京への愛、東京の魅力を描きたくてこの映画を撮ったの。」と言うところの“愛”が、この映画の何処にあるのか全く分かりませんでした。なぜなら、東京を単なるディズニーランドの新アトラクション“トーキョー国”としか捉えてないからです。

個人的にはソウルや北京、バンコク辺りが舞台だったのなら、もう少し高い評価になっていた可能性は十分あります。ただ、ソウルが舞台だったとしても、韓国の方に「韓国人から見たらどうなんですか?」と聞く耳は持っているつもりです。何処かのおエライさんのように、自分の経験ばかりを相手に押し付けるようなコトは避けたいと思います。が、しかし!この映画は日本が舞台です。普段から、外国の方に日本を理解してもらいたいと思っている自分には苦い映画でしかありませんでした。まぁ、そんなコトはどーでもイイや!という日本人も大勢いますからね(苦笑)。そんな輩で連日シネマ・ライズは大騒ぎ!(´―`)┌ ヤレヤレ…。

それにしても、広告撮影現場、通訳、売春婦、たった一人でやってくる200万ドルのハリウッドスター(パンフレットには2万ドルって書いてありますが、まぁ、どちらにしてもオカシイです)、以上はデフォルメを通り越してデタラメですよ!「おとつっぁん、おかゆが出来たわよ♪」「カァーット!」「安田ぁ〜!」・・・キントト映画じゃないんだから(って、こんな古いネタなんかワカンねーよ(自爆))。まぁ、アメリカ人が何をどう思おうと構いません!だけんどもしかし!テメェ達が世界基準だなんて大間違いだ!っつーの。バカァ〜!しかし、エンディングソングの『風をあつめて』・・・どういうつもりなんでしょう。あ、そうか!日本のCM等が歌詞の意味に関係なく雰囲気だけで使ってるコトへのオマージュですね(オマージュかい!)


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