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Deckard's Movie Diary index|past|will
鳴り物入りで全米公開され大コケした『アラモ』です。なんと言いましょうか、歴史的な背景や登場人物達のバックボーンがほとんど描かれていないので、どうにも感情移入出来ない映画でした。アラモ砦の攻防、ディヴィ・クロケット、ジム・ボウイ、サム・ヒューストン等、歴史上有名な登場人物達の物語だからと言ってあまりにも穴だらけの脚本です。メキシコの独裁者サンタ・アナの圧制に反乱を起こしたテキサス独立の義勇軍・・・程度のストーリーくらいはキチンと描いてないとチンプンカンプンです。言い方を変えればな〜んの背景も描かれていない忠臣蔵みたいな映画です。どれだけ背景を知っていても、それはツマラナイと思うんですけど・・・。合戦シーンの他にも魅力的な部分もあるのに・・・なんとも情け無い駄作でした。どうせ観るならやっぱりジョン・ウェインの『アラモ』ですね!って当たり前か(笑)。
スポーツ・イラストレイテッドで紹介されて話題となった実話の映画化『僕はラジオ』。とにかくオチまでがステレオ・タイプの映画でした(苦笑)。知的障害者(キューバ・グッディングJr)の青年に高校のアメフト・コーチ(エド・ハリス)が「マネジャーにならないか?」と声をかけたコトから始まるストーリーですが、予告編を観て想像した通りに全てが進みます。それでもキューバ・グッディングJrとエド・ハリス(かっこ良過ぎ!(苦笑))の存在感でこの映画は“映画”としての体裁は整っています。何故にコーチが彼に執着するのか?ほとんど描かれません。まぁ、見方によっては「なんじゃ、こりゃ!」みたいな方もいらっしゃるでしょうが、押し付けがましくなくて良い!という意見もあります(笑)。人がイイコトしたくなる時って、別にガンに侵されなくてもあるでしょう?まぁ、ヌルい映画ではありますが、実話なんだし「ああ、いい話だなぁ・・・・」で、イイじゃん!
昨年のベストの1本だった『インファナル・アフェア/無間道』のラウとヤンの若き日が描かれている『インファナル・アフェア/無間序曲』。今回の主役は警察側のウォン(アンソニー・ウォン)とマフィア側のサム(エリック・ツァン)でした。ベテラン二人の存在感はさすがですが、さらに!サムの親分ハウを演じるフランシス・ンの凄みも素晴らしいですし、カリーナ・ラウ演じるサムの女・マリーも前作の女性の描き方に比べたら格段にハマっています。映画は二人を囲む人間達のストーリーをキチンと描くことによって、その人物達との関係から若き日のラウとヤンの性格づけをしていくという、かなり複雑に入り組んだストーリーです。そんな複雑な人間関係なのに“語り”としての演出が下手なのでちょっと戸惑います(苦笑)。それでも前作よりノワール感を増した雰囲気は悪くないですし、底無し沼に沈んでいくように抜け出せなくなるラウとヤンの状況も切ないです。また二人の女性関係もさり気なく触れられており、後付の脚本としては本当に良く出来ています。それは、今作を観ると再び『インファナル・アフェア/無間道』を観ずには居られなくなるというコトでも十分分かります。オイラも常々“善人になりたい”とは思ってるんですけどねぇ・・・ボソ。
『草の乱』って“秩父事件”を描いた映画だったんですねぇ(苦笑)。全然知りませんでした。幕末辺りの、ドコゾの戦いかと思ってました。まぁ、そんなコトはどーでもイイんですが、内容は相変わらずの神山征二郎節とでも言いましょうか、悪くないけど盛り上がらない(苦笑)本当に毎回同じなんですよねぇ・・・ボソ。今回もまた登場人物は多いし、どんどん時間が進むし、ダイジェスト版を観ているような錯覚を覚えます。真面目な人なんでしょうねぇ・・・もっと、絞り込めば良いと思うんですけどねぇ・・・まぁ、歴史の勉強にはなりますけどね。で、緒形直人ですけど、まだまだ固いですけど今後良い役者になる可能性を感じさせてくれました。
『父帰る』は菊地寛ですが、『乳帰る』は横田順彌でもあり、AV女優沢口みきの復帰作だったりもします。また“乳離れ・乳帰る”は小池栄子のデビュー当時のネタだったりもしますし、ブラジャーを胸で一回りさせて「これが本当の乳帰る!」とかいうアホくさいギャグもありました(笑)。というワケでこちらはベネチア映画祭グランプリにして新人監督賞を受賞した『父、帰る』。抜けるような青空さえ寒々しく切り取ってしまう映像は素晴らしく、ロシアに一度も行った事が無くても「ああ、これがロシアの風景なんだ・・・」と納得させるのに十分な説得力を持っています。写真でしか知らない父親が12年ぶりに帰って来て、父と息子二人の旅が始まる。父と兄弟、父と長男、父と次男、長男と次男・・・その全ての関係が新人監督とは思えない巧みな演出で鮮やかに浮き彫りにされます。またそれぞれを演じる役者たちの演技は紛れもなく一流で、特に次男役のイワン・ドブロスラヴォフは卓越した存在感を発揮します。観て損の無い映画であるのは間違いありません。しかし、この映画は好きになれません。この親父には納得出来ません。おそらく、この映画は宗教的だったり神話的だったりする話なんでしょうから、オイラが納得出来ない理由なんて卑小なコトなんだと思います。それでも個人的には好きではありません。遠い昔に『男は黙ってサッポロビール』なんて広告がありましたが、この手の映画が絶賛されると、失われた父性とか、父親復権みたいコトを言うトンチンカンな輩が出て来そうな気もして、さらに嫌です(苦笑)。この映画が絶賛されても不思議は無いと思いますが、こんな親父は嫌いです!
ジル・バレンタインがようやく出てきました。映画の元になっているゲーム版“バイオ・ハザード”のヒロインは誰が何と言ってもジル・バレンタインでしょ(笑)。ミラ・ジョヴォビッチが演じるアリスというキャラは映画の創作なんですけど、ちょっと強すぎる印象です。まぁ、映画にするならこのくらいマッチョなキャラじゃないと作り辛いとは思いますけどね。というワケで『バイオ・ハザード/アポカリプス』です。今回、ストーリーの元になっているのはゲーム版で言えば『3』の“ラスト・ステージ”って奴です。例のモンスターが出てきますからね。まぁ、このモンスターはちょっとどうかと思いますけどね・・・(苦笑)。それ以外は前作に比べて演出の切れ味は上がっていますし、二人のヒロインもカッコいいですし、十分楽しめる出来になっています。個人的には前作より好きかも・・・ボソ。ゲームからとは言え、モンスターは要らないんですけどね(苦笑)。
『24アワー・パーティ・ピープル』『イン・ディス・ワールド』と立て続けに作品を発表しているマイケル・ウインターボトムの新作は初のSF作品『CODE46』。どうもこの人の作品は肌に合わないんです(じゃ、観るなよ(苦笑))。でも、今回は肌に合う合わない以前の問題で全然ダメでした。つまり、近未来の話だからって、物語に都合良いモノだけ進歩させてもらっては困ります。こういうSFが一番ダメなんですよ。あまりに高度な医療技術や、幾らでも犯罪に使われそうなクスリ等、デタラメです。だいたい、そんなに医学が進歩しているのなら妊娠くらい幾らでも制御しているだろうに(苦笑)。まぁ、そういうコトを全部横に置いといても、何故ウィリアム(ティム・ロビンス)がマリア(サマンサ・モートン)に惹かれたのかさっぱり分かりませんでした。っつーか、そういう(惹かれあう)シーンが全くありません(オイラが見逃したのかなぁ・・・)。だから、その後の二人の行動がチンプンカンプン(苦笑)。何故、そういう流れになったのかは後に説明されるんですが、別にそこまで“一瞬の相思相愛”になる説得力は無いと思うんですけどねぇ・・・(笑)まぁ、実際には誰にもわかりませんけどね。物語の骨子は興味深いので、こんなストーリーにしなきゃ、もっと面白くなっただろうに・・・どんなに美しく物語を繕ったところで、歪なモノは歪です。
『ウォーターボーイズ』で一躍メジャー・シーンに躍り出た矢口史靖最新作『スウィングガールズ』。想像していた通りの楽しい映画でした。ただ、悲しいかな、想像は越えないんですよ。矢口監督には、もうひとつ上の輝きを目指して欲しいんですけどねぇ・・・。矢口史靖という人の持ち味は良くも悪くもアマチュア風な匂いがあるところで、毎回手作りっぽい親しみやすさを感じるのですが、同じように全体に風通しが良過ぎるって言うか、ヌルい部分も感じます。ストーリーのアイデアやセンスは申し分ないので、監督としての“巧さ”を観につけたら素晴らしい娯楽映画作家になると思うんですけどねぇ。今回もかなりお粗末なところで演技にOKを出しているのも気になりますし、ギャグの間合いで全体のテンポがズレるところもあって、ところどころでブレーキがかかります。前半の泣きのシーンや後半の全員集合シーンなんてもう少し脚本を煮詰めて欲しいんだけどなぁ・・・。まぁ、全体に軽〜いノリのコメディを狙ったんでしょうけど、それにしては切れ味が今一歩です。この辺りは先日の山中貞雄『丹下左膳餘話・百萬両の壷』なんか参考にして欲しいモンです。それでも、大好きな作品に変わりはありません。全て吹き替え無しの演奏・・・よくぞここまで出来るようになりましたわ!巷では「上手くなるまでの描写がほとんど無いのが不満!」というのがありますが、そんなに気にならなかったなぁ・・・。どうせ上手くなるんだから、あんまりそういうシーンをダラダラ描かれても鬱陶しいだけなような気もします。上手くなる過程に具体的な面白さがあれば気にならないんでしょうけど・・・。
スルーにしようと思っていたのですが、モントリオール映画祭でイノベーション賞(“詩的で、現代的な、非常に美しい革新的映画のための賞”・・・わかんねぇ〜(苦笑))を受賞したので最終日に観てきました。東陽一監督作品『風音』。沖縄の美しい海を臨む崖の中腹に鎮座するこめかみに穴が開いた頭蓋骨。“風音”とは、その穴を風が通る時に鳴る音のことで、“泣き御頭(なきうんかみ)”と呼ばれるその頭蓋骨を巡って3つの話が交差します。DVから逃げ故郷・沖縄に戻ってきた母と子。戦争で行方不明になった初恋の人を毎年沖縄へ捜しに来ている老婆。子供の頃に島に流れ着いた特攻隊員を埋葬したことのある漁師。もちろん、それぞれは微妙に絡んでいるのですが、3つの話が作品としての大きな塊になっているとは思えませんでした。少しずつジグソーパズルのピースがズレている印象です。無理やりハメていると言うよりも、スカスカな感じでしょうか。面白い展開の脚本だとは思うんですけどねぇ・・・もう少し上手にまとめて欲しかったです。おそらく東陽一向きじゃなかったんでしょう。基本的には群像劇ですからねぇ・・・。それにしても何故に背景に流れる音楽がジプシー音楽なんですかねぇ?特にハマっているとは思いませんでした。場違い!とも感じませんでしたけどね(苦笑)。
『コウノトリの歌』はベトナム人が作ったベトナム戦争をモチーフにした映画です。ベトナム映画と言えば『青いパパイヤの香り』『夏至』等で有名なトラン・アン・ユン監督作品が有名ですが、ベトナム戦争を扱った映画は初めて観ました。他にも74年(ベトナム戦争終わってないじゃん)に作られた『ハノイの少女』とか97年『サイゴンからの旅人』00年『朝よ、来ないで』03年『ハノイの12日間』とかあるそうですが、全く知りません。この映画はベトナム軍(当時は“ベトコン”って呼んでました)に帯同していた元従軍カメラマンの証言を元にしたドラマ部分と現在の彼を捉えるドキュメンタリー部分の二つのパートから成り立っています。完成度は高くありませんが(二つのパートの絡みがチグハグですし・・・)、興味深い作品ではありました。つまり、当然のコトなんですが、全てのエピソードはベトコン側から描いています。それが、どうにも新鮮に感じてしまいました(大汗)。内容は戦争映画では良く描かれるストーリーで、もっと“勝利”を意識した部分があるのかなぁ・・・と思っていたので、それも良い意味で肩透かしでした。結局、戦争なんて勝っても負けても人々の苦しみは同じなんですよ。この映画に触れたコトでベトナム側から描いたベトナム戦争映画をもっと観たくなりましたね。特に『ハノイの12日間』ってのは観てみたいです。
♪よ〜く考えよう〜 お金は大事だよ〜 あ、失礼しました。
<ネタバレしています>
『ハムナプトラ』シリーズで名を売ったスティーヴン・ソマーズが監督、脚本、製作を兼ねる『ヴァン・ヘルシング』。ブラッカイマーより、さらにお馬鹿なブラッカイマーっぽい映画でした(って、なんじゃそりゃ!)。お寒い限りのストーリーは全く意に介さず、ひたすらCGで作った映像を「どや、オモロイやろ!」って見せられてもねぇ・・・(苦笑)。つまんねーよ!どうせ荒唐無稽なら、もっとハチャメチャなストーリーにすればいいのに!例えばドラちゃんとヴァンちゃんが異母兄弟で、アナ王女はヴァンちゃんと生き別れた双子の片割れで、フランケンの脳はドラちゃんの親父のモノで、心臓はヴァンちゃんの母親のモノで、でもってフランケンはドラちゃんに「I’m your father」とか言っちゃったりして、オマケにフランケン博士とヴァンちゃんの助手Qちゃんは親子で・・・みたいな感じでいかがでしょう(笑)。ところで、いつ頃から人間のキャラも不死身になっちゃったんですか?チャリエンでは既に全員が不死身でしたが・・・(苦笑)。
『HERO』に続くチャン・イーモウの新作『LOVERS』は<チャン・イーモウ展“featuring Zhang Ziyi”>みたいな展覧会を観に行ったと思えば問題ないでしょう(苦笑)。ストーリーは驚くほど投げやりですし、グラフィカルな様式美を追求する演出は、格闘シーンはともかく“LOVERS”な場面になると、コッ恥ずかしいモノがあります(笑)。特にラストは「これが笑わずに居られよか!」っつーくらい、口あ〜んぐりモノです。それでも観る価値は十分あると思いますよ。何せ、世にも美しい展覧会ですから(笑)。ワダエミの衣装も綺麗ですよぉ〜♪コンテ通りと思われるシーンの連続なので、ちょっとボーっと観ているとゲームのCGムーヴィーのような趣きもあり、なんだかなぁ・・・という印象も無きにしも非ずです(一体、どっちなんだよ(笑))。でも、チャン・ツィイーはマジで美しいですし(この人は成長してますねぇ!)、金城は下手くそですがそれなりにハマってます。で、友人も指摘していますが、アンディ・ラウがちょっとズレてるかなぁ・・・だって、この人ってルックスがグラフィカルじゃないじゃん!個人的にはもっと冷たい美形が良かったです。金城にチビっと無骨系が入ってるので・・・往年の田村正和とか近藤正臣(古いよ!)、最近だったら京本正樹(オイオイ…( ;・_・)ッ( ゚ー゚)ウキ…)とか、最近だったら北村一輝とか・・・どちらにせよ、切れ長系の美形が良かったかな(笑)。
「由井正雪のような長髪を振りかざしながら、長州力率いる維新軍の登場です!」あの古館一郎を一躍有名にしたプロレス第二期黄金期・・・アレからもう24〜5年が経つんですねぇ・・・(遠い目)。『マスク・ド・41』は猪木や長州力、タイガーマスクの登場に一喜一憂していた高校生が中年になった時の話です。リストラがきっかけで家庭崩壊した41歳の中年男・倉持(田口トモロヲ)は、何を血迷ったか趣味のプロレスに全てを注ぎこんでしまいます。オイラは少女やゲイの心の内なんて、ほとんど理解出来ないボンクラですが、妻子持ちで生活に疲れている中年男の気持ちは十分理解出来ると自負しております(笑)。まぁ、家庭なんて多かれ少なかれ問題を抱えているワケで、どうにか踏み止まっていられるのは収入があり、それなりに生活出来ているからで、その支えが無くなった時に色んな問題が噴出し一気に崩壊へ向かうってコトは良くあることです。この作品は崩壊家庭の描写と蛯脇(松尾スズキ)が絡んだプロレス部分の描写がいまいち噛みあわないので、映画としてのまとまりに欠けていますが、美味いけど形の悪いオニギリみたいな味わいがあります(苦笑)。オイラにはドタバタ風味の味付けがちょっと濃かったですが・・・それでもこの映画が好きです。情けない中年男が昔から好きだったしょーもない趣味で一念発起して、なんとか立ち直るというストーリーが自分的にはツボなんですねぇ(苦笑)。だって多くの男性って、毎日たいして好きでもない仕事(昔は好きだったのかもしれないけど、いつのまにか“好き”だけじゃすまなくなってしまいます)をこなしながら、チビチビと趣味の世界でストレス解消したりしてるワケですよ(って、勝手に決め付けてます)。で、何も無くなって四面楚歌状態になった時に、開き直ってその若かりし日々に燃えた趣味の世界で一旗揚げよう!ってのは、楽しいじゃないですかぁ!応援したくなります。現実では、抱えているモノが多ければ多いほど守りに入って無難に生きていくしかないのですが、そんな中年オッサンの溜飲を少しでも下げてくれる映画だと思います。倉持の妻を演じた筒井真理子が120%そんじょそこらに居そうな主婦を熱演していて好感触(笑)。ラストでの決着の仕方がまたまた痛快で、最後に来てさらにメートルが上がっちゃいました(ろぶさん的表現から引用)。また、切羽詰ってもヌル〜い親子関係とか、妙に力が抜けててリアルに感じました。まぁ、実際に大変なのはこれからですからね。特にお薦めはしませんが、オイラはこの映画は好きです!蛇足ですが、この映画の中で度々登場するプロレス仲間が集まる飲み屋ですが、以前オフ会の二次会で使った店です。花園神社横にある『唯唯』でした。オイラが学生の頃から出入りしていた店で本来は映画と音楽好きが集まる場所です。入り口に通じる階段には松田優作のポスターが貼ってあるんですよね。また皆で行きたいモンです。
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