ようやく、やっと、なんとなくショパンのソナタ、どう弾きたいのか全体の形が見えてきました。今まで細かく練習しておいて良かった。 仕上がるときは一気に仕上がるものなんです。 教授よ、焦らせないで。ちゃんと出来るんだから。
・・・そういえば、今日、友人に「最近いくちゃん、怒ってばっかりだね」と言われたのでした。 よくサイトを見てくれている友人で、最近の日記に、怒りの文章が多い、と。 「ささや」でご飯食べながら言われたのですが、ふと、ああ、そうだなぁ。と。 ・・・疲れてんのかな。最近、よくイライラするな。 まあ、7日の帰国前に試験とかウィーン行きとか、いろいろやる事があって、ちょっとテンパッてはいるのですが。 微妙に反省したのでした。
今日は、友人の一人が明日完全帰国すると言うので、顔を見せに行ったり、他の友人の引越しを手伝ったりと、いろいろ充実。 あしたは、お買い物に行かなくちゃ。
2004年06月28日(月) |
ドイツ人女性への怒り、即興演奏の試験 |
ライプツィヒに向かう電車の中、不意に前方で大喧嘩が始まった。 若い女性が、中年の男性に向かって「そこは私の席なのよ!!立ちなさい!!」と、キンキンの高い大声で連呼しているのだ。
彼女は、もともと席を予約していたわけではなく、予約なしの空席に座っていた。でも、まだ電車はすいていて、向かい側の予約席には人は来ない。なので、彼女は、「人が来るまで」と、その予約席(若干快適)の方に移動していたのだ。 しかし、次の駅からドカッと客が乗り込んできて、電車は満席。 彼女がもともと座っていたはずの予約なしの空席に、中年男性が座った。そこで彼女がなんと言ったのかはわからないが、彼女は他人が予約した予約席にそのまま座り、中年男性もそのまましばらく座っていた。 電車が動き出し、ようやく落ち着いたころに、遅れて老人2人が彼女達のいる席へやってきた。予約席を予約していた客だ。 老人は、当然、自分が予約した席に座っている彼女に、どいてくれ、と言う。 彼女は、「じゃあ、あなた退きなさい」と、中年男性に言う。 中年男性としては、空いていたから座ったのであって、退く筋合いはない、と動かない。
彼女は、どんどんエスカレートして、「そこは私が座っていたのよ!!!立ちなさい!!立ちなさい!!」と、車両全員に聞こえる大声で叫ぶ。 一方、それに立ち向かう中年男性の声は小さくて聞こえない。 キンキン響く大声を聞かされている他の客達はいいかげんうんざりしてきて、なんとなく「中年男性がさっさと退けばいいじゃん」という雰囲気になっていく。 結局、車掌が来て、中年男性が連れて行かれてしまった。 周りの客達も、ホッとして、「よかったわね」と、彼女に声をかける・・・。
しかし、しかし、彼女は、全く同じことを「私」に、その喧嘩の前にしていたのである!! 私は最初の駅で、車両に乗り込んですぐの、その予約なしの席を、実は真っ先に確保していたのだ。 そこへ、大騒ぎしながら乗り込んできた女性2人。私が荷物を置いていたその席で立ち止まって「ここ、ここ」と言うので、私はてっきり隣の予約席の客だと思い、窓側へ入りやすいように、いったん荷物を持ったまま通路へ出たのだ。 すると、あっという間に、私が確保していたはずの席に女性は荷物を置き、車両の出入り口に近いその通路で派手にお別れの抱擁を始めた。 私が、「はやく席に入ってよね」と思いながらも、待っていると、彼女達は怪訝な目で私を見て、「あなた予約したの?」と訊くのだ。 「いや、その空いていた席なんだけど」と言うと、「あなた予約してたわけじゃないんでしょ、そこ私の席よ」と、主張。 は?と思って、「でも、あなただって予約してないでしょ、そこ私がいたのよ」と言うと、「そうよ、でも私はそこをもう取ったの」と、当然のごとく、のたまうのだ。 あきれてモノも言えず、ここで争っては他の席が取れなくなる、と、私は急いでその場を離れ、手近に何とか空いていた予約なしの席を確保できたのだが、座ってからムカムカと腹が立ってきた。 あの、人を人とも思わないあの態度はなんなんだ!! もちろん、一瞬は私も荷物を持って席を離れましたよ、そこを付かれると痛いけれど、明らかに私がそこを確保していたことは、わかるじゃないか。 アジア人だからって見下した目で見るんじゃないよ、チクショウ。 もっと言い返してやるべきだった!! 自分のことしか見えない、自分がいつも正しいと思っている、ドイツ人女性の嫌な部分。 昔同居していたドイツ人との最悪な日々の思い出(エッセイ「同居生活のススメ」参照)が嫌でもよみがえってきて、余計にムカッ腹はおさまらない。もう、忘れつつあったのに。 Scheisse!!(ドイツ語で人をののしる言葉。クソッ、最悪、とか、そんな感じ。)
そう思ってムカムカしているときに、やっぱり一波乱やらかしたよ、その女性。 私から言わせれば、彼女は自分が確保した席から離れていたんだから、中年男性がそのまま座っていて当然なのだ。かわいそうなおじさん。 どうして、こうも自分勝手に物事を判断して、それを周り全部に押し付けられるのかね、ドイツ人女性ってヤツは。(もちろんそうでない人もたくさんいるのだけど) あんなにキンキンと怒鳴りたてられれば、相手は折れるしかないだろうよ。 そんなに、大喧嘩して車内の注目を浴びて、相手を嫌な目に合わせてまで、その席に座りたいのかね。スゴスゴと連れられていく中年男性を尻目に、「してやったり」とばかりに偉そうにその席に座って、あんた恥ずかしくないのかね。 多分、彼女的には、「当然よ、私が正しいのよ」としか思えないんだろうなぁ・・。なにが、「ありがとう、皆さん」だよ。信じられない。
はあ、うんざりだ。ドイツ人の気質は、絶対に好きになれない。
気分が悪いまま、ライプツィヒに到着。 ムカついていたのと、読んでいたピアノの本が面白かったのとで、あっという間の2時間の電車の旅。 一時間ほど練習室で弾いてから、即興演奏の試験。 自分が他の生徒に授業をする試験は、なんとか、のりきった・・・んじゃないかな。 不安なのは、3人でのセッション。 テーマは「海の上の月」「山の上の月」「街の上の月」。うーん、わかりにくい。 「海」以外は、どうも具体的なイメージが浮かばないまま、セッション開始。 他の2人も、どうもイマイチはっきりイメージができていなかったらしく、3つのテーマの区切りがわからないまま、もう終わる?え、あんた、まだやるの?もう「街」までやったんじゃないの?とお互いに無言で戸惑いつつ、いつのまにか5テーマ分ぐらい弾いてしまった・・・。 どうなんでしょう、これ。 ・・・落ちるとしたら、これが原因だな。
ピアノが面白くて仕方がない。 実際に鍵盤に向かっている時間は少ないのだけど、頭の中が、音楽だらけだ。 飲み会に行く気にもならない。もっと、勉強したい。
2004年06月26日(土) |
Waldbu"hne |
明日は、ベルリンフィルの今シーズン最後の演奏会である、野外演奏会がWaldbu"hne(直訳すると”森の舞台”)で行われる。 今年で私はこのシーズンをドイツで迎えるのが4回目(!!)になるわけで、つまりWaldbu"hneでの演奏会も、もう4度目。 今年は、いろいろと忙しくてピクニック気分で半日潰すわけにもいかないし、もう過去3度も観たので、今回は今日のリハーサルを見に行くことに。
この野外コンサート、本当に毎年人気で、チケットを手に入れるのはとても困難。 普段クラシックを聴かない人たちも、お祭り気分でやってくるのだ。手には、ワインとビールとピクニックのお弁当。ゆったりと野外でくつろぎながら、今シーズン最後のコンサートを盛り上げる。会場全体でウェーブしてみたり、花火をしたり、踊ったり歌ったり・・・。 日本でもテレビ放送されるし、本当に楽しい気持ちになれるイベント。
で、リハーサルは、団員さんの家族や、招待客だけが聴く事ができまして。(私は、友人がオケに乗っているので、招待していただきました。) 過去3回、山のように人がいる状態でしかこの舞台を見たことがなかったから、こういう内輪だけが集まっている、人の少ないWaldbu"hneは、とても新鮮。いつもは、会場が人で埋まっていて身動きもできないくらいの雰囲気なのですが。 場所取り合戦をしていた去年までがウソのよう・・。ゆったりと、好きなところに座って、テレビのインタビューを受けているラトルを遠目から見たり、団員さんたちの家族団欒を眺めたりしながら、リハが始まるのを待つ、優雅な私。 人が少ないから、子供達も走りたい放題。演奏が始まっても、いろんなところから子供のはしゃぐ声や泣き声や雄叫び(笑)が聴こえてきて・・・。最初は微笑ましく思っていたものの、やっぱり「音楽聴きなさい」と説教したくなってしまった。 子供にとっては、前半の、若きピアニスト、ラン・ランの弾く直情的なチャイコフスキーは魅力がなかったようで。私は、楽しく聴きましたが。 とにかく、若い!曲に入り込みすぎじゃ・・、と思ってしまう体の動きが笑えたけど、しっかり弾いていて好感を持った。 しかし、マイクで拾って音を出すと、粗が目立って怖いねぇ。ピアノだけじゃなく、オケの方も・・。
後半の「くるみ割り人形」の2幕では、いつのまにか子供達が主役に・・。 ある女の子が、一人、舞台のすぐ前で音楽にあわせて踊りだして、あまりにも可愛いもんだから、他の子供達も(親に勧められたのか)恐る恐る前のほうに出てきて、あっという間に舞台の前の芝生は、子供達のダンスパーティー会場状態。 同じような歳の子供でも、音楽にあわせて生き生きと踊りだす子と、踊りたくてもどうしていいのかわからずに固まってしまっている子、そして、テレビカメラの前にどうしても行きたがる子、親に無理やり前のほうへ引っ張ってこられて嫌だ嫌だと引き返す子、そういう個性を見ているだけでも、「ああ、子供社会も大変だなあ」なんて思ってしまった。 そして、面白かったのは、子供達に「花のワルツ」のようなゆったりした3拍子は踊れない、ということを発見した事。 それまではクルクルはしゃいで踊っていたのに、「花のワルツ」ではどう踊っていいのかわからない様子。 なんだ、西洋人にだって、3拍子は難しいんじゃん。なんだ。
オケは、けっこう弾けてなかったりバラバラだったりしていて(気が抜けてるんでしょうね、お祭りだし)オイオイとおもったけど、ま、明日の本番ではきっと良くなるのでしょう。
森の中なので、寒い寒い。 リハ終了後、キンキンに冷えた空に光る月の美しかった事・・。
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