LORANの日記
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2004年07月25日(日) |
お伝えしたかったこと |
ここ数日間、新聞の記事をコピーして掲載しました。 一言も論評しないで、そのまま掲載しました。 読者の中には、「なにを伝えたいのだろう?」と思われたかたもいるでしょうね。
三國連太郎さんのインタヴュー記事は、81歳になられてもなお自分の確固たる意思を通している勇気に敬服したからです。ご自分の仕事に徹底して迫っていく気迫に圧倒されます。高齢者問題が次第に大きくなりますが、三國さんのように生きる方が増えたら素晴らしいと思いました。若いときから、妥協しないで自分にこだわって初めてできることですから、お手本にしたいですね。
アフガニスタンで17〜18年間も辺地医療に取り組まれている中村哲医師の本から引用させていただきました。国や国連などの公的機関の援助を受けず、「ペシャワールの会」の会員からの寄付金年約8,000万円を元に活躍されています。ご自分の良心に基づく医療活動は国、民族、宗教などが複雑に絡んだ現地の人々の信頼を全面的に獲得することができました。中村医師のご自分の良心に基づく行動のみが現在の世界に必要であると思います。ともすれば、自分の損得だけで生きる人が圧倒的に多くいます。そのような世界を作ってしまったのは彼ら自身ですが、もとより責任を感じるより相手の非を責めることしか考えていませんから、改善できず悪化する一方です。このような状態を打開するためには良心に従って行動する人が必要になります。それができる人こそが「魂が生きている」人でしょう。
世界中で最も勤労者所得が高いのは日本人でしょう。3歳児から保育園へ入れ、20年間の学校生活を過ごします。より所得条件のいい勤務先を選び、家、車、家電製品などの豊かな財貨に囲まれた生活をします。それが幸せな生活だと信じています。そんな日本で6年間連続で30,000人以上の自殺者がでています。小・中学校生徒の自殺者もいます。同じ国民が同じ思考をし、同じ行動をすることが要求されます。それができない脱落者が自殺に追い込まれます。異分子を排除しようとするのは中世ヨーロッパの魔女狩りと同じです。高校進学は学校を選ばなければ全員が入学できるそうです。にもかかわらず小学生から進学塾へ行くのは親の欲でしょう。開発途上国の国民は貧しく物も持っていませんが、家族は愛しあい、助け合っています。学歴はなくても大らかに自然の中で生きています。うつが5人に一人という日本人より、精神的にははるかに健康です。私たちはどこかで道を間違えました。
昨年1年間の全国の自殺者は、3万4427人で一昨年より7・1%(2284人)増え、統計を取り始めた1978年以降で最悪だったことが22日、警察庁のまとめでわかった。
負債や生活苦など「経済・生活問題」が原因の自殺が初めて8000人を突破するとともに、40―50代の自殺者では動機のトップを占め、リストラや倒産など厳しい経済情勢に苦しむ中高年の実態を浮き彫りにしている。
人口10万人当たりの自殺者数(自殺率)で見ると、前年より1・8人増の27・0人。男女別では、男性が8・2%(1883人)増の2万4963人、女性が4・4%(401人)増の9464人だった。自殺率では男性が40・1人、女性は14・5人となった。
動機は、病苦などの「健康問題」が1万5416人と最も多く、「経済・生活問題」が8897人、「家族問題」が2928人、仕事の失敗など「勤務問題」が1878人の順だった。
中でも「経済・生活問題」の増加が著しく、前年を12・1%(957人)も上回り、過去最悪だった。さらに原因を具体的に分類すると、「倒産」や「事業不振」がほぼ横ばいだったのに対し、「負債」を理由とした自殺が5043人で、一昨年より21・7%増えた。「生活苦」は13・1%増の1321人、「就職失敗」は18・1%増の183人だった。
年齢別では、60歳以上が3・7%増の1万1529人、50歳代が1・8%増の8614人、40歳代が12・6%増の5419人。60歳以上と50歳代は過去最悪だった。
急増したのが、初めて4000人を超えた30歳代の自殺。一昨年を17・0%(668人)上回る4603人だった。専門家は「40〜50歳代がリストラで減り、30歳代にも仕事の負担が重くのしかかるようになり、過度のストレスを抱える人が増えたのではないか」と指摘している。
一方、小中学生の自殺者は93人で、前年より57・6%(34人)増。高校生も前年比29・3%増の225人だった。
都道府県別では、最も多かったのが東京(2967人)で、続いて大阪(2180人)、北海道(1745人)、神奈川(1640人)、愛知(1633人)の順。
逆に少なかったのは鳥取(172人)で、次いで徳島(204人)、香川(258人)の順だった。
(2004/7/23/05:12 読売新聞)

asahi.com
2004年07月22日(木) |
文明の倨傲(きょごう) |
(アフガニスタンで)ある団体が日本と協力して、「恵まれない子供のために」村々に学校を建設するプロジェクトがあり、「哀れな」子供たちを繰り返し説明した。 先進諸国の技術文明の優位を信じる彼らは、学校にはないその地域全体の伝統の中で、日々の生活を通して教えられる「教育」に気づいているとは言えない。 問題は、教育施設が乏しいとか、教材がないとか、そんなことではないはずである。石板にチョークでメモをとり、青空を眺める授業風景もなかなか風情のあるものである。子供たちはちっとも「哀れだ」とは思っていない。羊を追い、薪を背負う労働も、家族の絆を強め、共同体の中で必要な協力と生活の技術とを教える。 日々の祈りは、人間の道を教える倫理教育そのものなのだ。 仮にこの山奥の子供たちが日本や欧米並みになったとすればどうだろう。 おそらく山村は荒れ果て、現金収入を求めて都市に失業者が溢れ、共同体の秩序と 伝統が完全に破壊されるだろう。
「識字率や工業化は社会・文化の優劣を測る物差しになりえない。カネと暴力が 支配する米国社会が優れているのか。武器を生産して無節操に儲けるフランスや ロシアが進んだ国であるのか。欧米の技術文明を盲目的に信ずる日本の教育 システムが、戦後なにをもたらしたのか。 諸君は先ずホワイトハウスへ行き、大統領を教育して武器輸出と対外干渉を 断ち、アフガン戦争の死者200万人に対して、ロシアと共に謝罪することから 始めねばならない。 道義的に腐敗した国が、この平和な山村で教育を論ずるのは笑止の沙汰である。」
「医は国境を越えて」 中村 哲著 石風社 (p185〜 原文のまま)
ペシャワ−ル会ホームページ http://www1m.mesh.ne.jp/~peshawar/
今朝の夜明けは素晴らしかったですね。
愛鷹連峰の稜線から朝日が昇ります。 オレンジから金色、白色へとゆっくり光が変化していきます。
あらゆる宗教が朝日を、太陽を「神」と信じたのも無理はありません。 同じ太陽を「神」としながら、他方を邪教と非難、攻撃するのは愚かなことです。
短パンで海に入っています。 海水は暖かく、いつまでも入ったままでいたいと思います。
塩も水も霊力があると信じられて、いまも神棚に捧げられています。
海水に身を浸けて置くことは、様々な不要なエネルギーの解消に効果があります。
海から上がると、体が軽くなっているのを感じます。
人が集まると自分や自然の波動を感じることが難しくなります。
やはり、夜明け直後のだれもいない海が最高です。
2004年07月20日(火) |
三國 連太郎さんのことば |
出演映画は180本近いですかねぇ。5年周期で自分自身に疑問を持つんですよ。流されているのではないか、流された状態で芝居をしていたのでいいのかなあという疑問が出てくる。世間の評価におぼれてしまうと、自分の目が曇ってしまうんですね。悩んで悩んで、長い時には3年ぐらい遊んだりしてフラフラしながら何かに触発されて、また役者をやってというのを繰り返して……。気がついたら百七十何本になっていました。
(仕事の)選択の基準は……う〜ん、直感、ですか。単なる好奇心だけで見せるものであればやめた方がいい。非常に罪深いことになってしまう。こういうものを今までやったんだと、てらいもなく言える生涯にしたいという気はします。これは年のせいかもしれませんが。
僕は父親だという押し付けは一切しない。押し付けをしないことが親子という自覚の原点になって、いずれ自分に子供が出来たりしたら分かってくるんではないかと思うんです。一緒にメシを食う以外は会ったりもしません。向こうも何も言わないから、私も何も言わない。お互いに背中を見せ合った方がいいんじゃないですかね。自分で理解していく方式を取っております。
だから、恨むときは勝手に恨めばいいわけです。恨まれていいことも僕はやってきてますから、弁解しません。弁解すること自体が父親らしくないと思うんです。
大事なのは、自分の評価を崩せっていうことなんですよ。評価ばかり引きずっていてはダメだということです。人の評価なんてものはみんなインチキなんだ、と思いながらやっていった方がいいんじゃないか。そういうことを子供には言いにくいから孫あてにね、何とはなしに言っています。
今の映画は大事なものを無視しているという気がします。見せ物的な傾向が強くなってきた。合理的なアメリカ映画に浸潤されてしまって、ああいう映画以外は理解しにくいとか言うんですよ。
ある映画会社の役員がね、パーティーで僕に「君は難しい映画ばっかり作るから、日本映画がダメになるんだ」と言う。頭にきちゃって「ああいう責任者がいるからダメなんだ」と言った。それ以来、その人はチラッとも口を利いてくれませんけどね。
日本の人たちも、文化というのは自分の命と大きなかかわりを持っている、という重みを感じる時代が来ますよ。いずれ満足できるところに行き着くというか、原点に返らざるを得ない。だから、いいものは出来てくる。いい物を作れば観客も戻ってきますよ。
(毎日新聞 東京夕刊 原文のまま)
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