毎年、遅めの夏休みを取って自転車持参の 輪行旅行をするのが常なのだけれど 今年は私の夏負けの余韻で却下し、何年かぶりに愛車ヌキ。
体力的にはほぼ回復していると思うが、 正直なところ食欲がまだ戻っていない現状じゃ 知らない道を走るのは不安が残る。 どうせ走るならばベストな状態でありたいし。
『とりあえず温泉とかなくていいから 海と景色がきれいなところに行きたい。』
私が相方に言った希望は、それだけだった。 ずっと海が見たいと思いつつ 仕事が忙しいのも分かっていて、疲れた相方を誘うのも気が引けていた。 だから、こういう時でないと言い出せない。
『じゃぁ…どうしようか、伊豆は何度か行ってるしなぁ。 こないだ○○(弟)が松島行ってきて良かったって言ってたから 松島行こうか。北へは(2人で)行ったことないしさ。海もあるし。 帰りに仙台で牛タン食おうよ。』
……いや別に牛タンはどうでもいいんだけど、と 口から出そうになった言葉を慌てて飲み込み『そうだね』と答える。 行き先さえ決まれば後は私の仕事。 宿やら鉄道の手配やら、そういったものは全て私任せになっているため その日のうちにWebで済ませてしまった。
ただ今回やっていないのは、観光名所の下調べ。 本当に景色を眺めていたいだけだから、調べる気が起きない。 現地に行って気が変われば、そこから動いたっていいだろう。
ちょっと大きめの携帯灰皿を探そうと思う。
前にも書いたけれど、普段一人でいる時は 大抵白檀のお線香を焚いていることが多い。 深夜だと気分によって使い分けたりする。
先日ヒノキの香りがするお線香を買ってきていたのを思い出し、 相変わらずCDがかかりっぱなしの居間で火をつけた。
……なーにかが、物足りない。
香りが薄いくせに灰は派手に落ちるし、何より違うのは 煙が全く出ないこと。 何も発煙筒よろしくモクモク煙を立てて欲しいわけじゃない。
すーっと立ち上る煙を見ているのは結構心が落ち着くもので、 疲れた時や家事の合間にそれを見ていることがある。 ちなみにコーンタイプのお香の煙は、面白くないから見ていない。 どちらかといえば香り重視。
で、その煙の出ないお線香はどこを見りゃいいのか。
試しに火のついている部分を見ていたら、落ち着かない。 いつ灰が落ちるか、ついハラハラしてしまうせいだ。 『そろそろ落ちそう…結構持つなぁ…あ、落ちた』 そんなことを思ってしまっては、落ち着くわけがない。
再びいつもの白檀のに火をつけ、先のヒノキの箱をよく見てみると 小さい文字でこう書いてあった。
『自然派微煙微香消匂タイプ』
んー。なるほど。
12日間連続出勤中の相方の気分転換のため、 彼の仕事が終わってから隣町で待ち合わせ、外で食事しようとしていた。 時間は午後8時。
しかし。 土曜日の東京は夕方からかなりの豪雨で、 先に着いた私が見たものは雨で白く霞んで見える駅前ロータリーと 歩き出そうかどうしようか迷っている人、人、人。 そこへ相方から『電車が速度緩めてるから、遅れそう』とのメール。
5分遅れて到着した相方と普通に歩けば3分もかからない アーケードまで移動しようとしたところ、これがまた大変だった。 どこ歩いたって水溜りであっという間にパンプスの中ががぼがぼ、 ジーンズびたびた…隣でお兄さんが裸足で歩いてる。正解だと思う。
『アーケードには屋根もあるし、とりあえずそこまで行けば…』
そう思ったら、こちらもこちらでまた大変。 排水口から水が溢れ出していて、中心部が巨大な水溜りと化し 歩道はさながら波打ち際のようになっていた。
数軒のお店の中まで水は入り込み、商売どころの騒ぎじゃない。 中には相方と同業のところもあったりしたため 彼は少し他人事とも思えぬ口調で『大変だよ、ありゃ。』と呟く。
食事が済んで店を出ると、すっかり水はなくなっていた。
ふと土手がどうなっているのか気になる。 雨が止んでいたら、見に行ってみようか。
仕事前。 ここのところ忘れかけていたワークブーツのような スニーカーを履きたくなり、靴箱の中から引っ張り出す。 が、門から数mのところで異変に気付き 足元を見るとソールがはがれかけている。 ウレタンのような素材のソールは始末が悪くて 再び門まで戻る途中、変な粉を残しながらソール全部がはがれた。 見事靴の形そのまんまに。
仕事後。 相方も帰りが遅くて何となく真っ直ぐ帰る気もせず、 10年以上通う隣町のバーに寄り道。 とはいえ私だけでこの店へ来るのは本当に久しぶり。 たまたま開店直後だったのと、お気に入りの席が空いていたのと (早い話、一番乗りの客だったらしい) マスターが自転車乗りでもあるので 話をしながらバーボンをダブル+αで2杯空ける。 チェイサーを必要としないのも憶えてくれていたのが ちょっと嬉しかった。
いくつか通ったバーはあったけれど、結局ここに戻ってしまう。 マスターだけで細々やっているからか いつ来ても落ち着けるのは、この店だけになってしまった。
そういえばバーボン飲むのも久しぶり。
午前12時半に布団にもぐって2時間後、 何かにうなされるような気がして目が醒めた。 起きてみると胸元から上が汗だくになっていて 顎からポタポタ滴り落ちてくる。
そのままじゃ寝付けそうになく、着替えて 居間でお香を焚いて音楽を聴き30分ほど経って再び眠った。
ところがまたそれから1時間半後に 同じような状態で目が醒める。 何となく変な夢を2部構成で見ていたような感じなのだが 問題なのはその内容。
…全く憶えてない。
睡眠不足云々という現実的なものよりも、 忘れた夢の内容という非現実的なものが無性に気になる。 一体、何だったんだろう?
とりあえず現実的なものへの対策として 仕事前にカフェイン剤でも飲んでおかなくちゃ。 先日それで店の棚に何度も頭をぶつけていたから。
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