一日後記

2006年07月14日(金) 順序。

先日亡くなった叔母は
“死に顔を見せるより各々の思い出のままの方がいい”
という意向(本人のなのか家族のなのかは分からないが)で
お通夜と告別式の前に、荼毘に付された。

単純なことだけれど、すごくいい考えだと思う。


何かで読んだ話に、葬儀社でバイトを始めた人が
まず最初にやることは現場の手伝いなのだそうだ。
ただそれにも注意点がいくつかあり
その中には『仏様の顔を見ないこと』というのがあるという。
たとえ親戚でも知人でもない方の死に顔でも
結構印象に残ってしまうものらしい。

これは私も身に覚えがある。
以前の後記に書いたので詳しいことは割愛するけれども
確かに印象に残ってしまう。
生前の思い出が少しかすれてしまうほどに。


普段からお互いに
『もし脳死状態になったら、延命措置はしないで欲しい』と
言っていたけれど、もう一つ言うことが増えた。


残る問題は、相方がそれをきちんと憶えてくれているかどうか
・・・・だろうな。きっと。



2006年07月11日(火) おろしたて。

洋服や靴など、おろしたてのものは
何かワクワクするような気分になるものだ。
しかしそうは思えない時もある。

揃えたのは結婚した当初であったから約10年前のこと。
それまでは適当に色を合わせてごまかしていたが
さすがにそれではまずいと思い、新調した。
そしてその服やバッグは買った時のまま、カバーにかけ
幸い出す機会もないまま今日まできていた。


今朝 実母から叔母の訃報が入る。

あまりに突然すぎて、最初はあまり実感がなく
実母からのその後の連絡も、普通に話をしていた。


それが 10年ぶりに出した喪服のタグを切った瞬間
いつもニコニコしていた叔母の顔をふと思い出し
急に涙が出てきた。


合掌。





2006年07月09日(日) 生産者。

とあるスーパーの野菜売り場で見つけたズッキーニ。







2006年07月07日(金) はなたけ。

ここ2〜3ヶ月ほど、鼻がたまに痒い。
しかも場所が外側ではなく内側の
詳しく書けば鼻骨の辺りなので、ちょっと始末が悪かったりする。


そういえばだいぶ昔の話なのだけれど
祖父が鼻にポリープを患い、手術したことがあった。
この鼻ポリープ、別名を“はなたけ”と言う。

漢字で書くと“鼻茸”。
読み方によっては“はなきのこ”。

実は恥ずかしながらついさっきまで本当に
鼻の穴にキノコが生える病気だと思っていた。
実母からその話を聞いた時
『おじいちゃん、鼻にキノコが生えて手術するんだって』
としか言わず、ポリープのポの字も出てこなかったからだ。

鼻にキノコって。
不謹慎とは知りつつ色んな画が頭の中に浮かんでは消えた。
鼻の穴からシメジみたいなのが1本にょきっと生えてたりとか
鼻毛と共生するエノキの思い切り小さいヤツとか。


しかしこの“鼻茸”、何となくおかしい名前とは裏腹に
放っておくと嗅覚が鈍るらしい。

おそるべし鼻茸。





2006年07月04日(火) ナビ頼りの罠。

海はそろそろ人出が多そうな時期
どこか一人で出かけるのにいい場所はないだろうかと
少し前からそう思っていた。

で、思いついたのは“滝”。
大好きな水の音はしてるし、何より涼しい。
(波やら渓流やら、自然の中で水の流れる音は落ち着くものがある)
今日は東京都桧原村にある『払沢(ほっさわ)の滝』に行くことにした。

拙宅からだと一般道で3時間ほどかかったところに駐車場があり
そこから更に徒歩約10分のところに目指す滝がある。
実際行ってみるとそれほど大きくはないためか
滝壺のすぐ傍まで行けることと、大きい水飛沫が少ないことが気に入った。
そこで小一時間ほど水の流れる音を楽しみ
滝の横にある苔から落ちる玉のような雫を眺めて過ごす。

駐車場に戻ったのが14時少し前。
確かこの辺りに『数馬の湯』という温泉施設があったことを思い出し
ナビで調べると、案外すぐ出てきた。
念のためマイお風呂セットも持ってきてあったので、立ち寄ることに。


ところが だ。

30分走っても一向にそのような看板は出てこないばかりか
軽自動車同士でもすれ違えないような山道に入ってしまう始末。
所々待避所のような場所があることから対向車が来る可能性は想像できる。
幸い一度しかその場所は使わなかったが
それでも『秘湯みたいなトコなのかな』程度にしか思っていなかった。

それが完全におかしいと気付いたのは
“この先採石場”の看板を見つけた瞬間。
そこは少し開けていて、プレハブの事務所もあり人影も見える。
ナビはその先を示しているものの
どう見てもこの先に温泉があるとは思えないので、そこで道を尋ねた。

丁寧に紙に地図を書いて下さった方に伺うと
私は真逆の方向に車を走らせていたらしい。
故に滝からだと10分少々で行ける場所であったにも関わらず
そこからだと40分はかかるというのである。
しかも、ごく稀にナビ頼りでここまで来てしまった人もいるという
・・・そう 私のように。

とりあえず夕食時までには帰らなきゃと思った瞬間
温泉に浸かる気はヘナヘナと萎えてしまい、帰路についた。





払沢の滝。
紅葉の季節になったらまた来ようと思う。





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