木陰の本棚<書庫>
絵本と読み物のあれこれ

2002年04月19日(金) 「ちっちゃな女の子のうた”わたしは生きてるさくらんぼ”」

デルモア・シュワルツ・文

バーバラ・クーニー・絵 しらいし かずこ・訳

ほるぷ出版
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      わたしは 生きてる さくらんぼ と

      ちいちゃな女の子が うたいます。

    
      まいあさ わたしは

      あたらしいものになるのよ。



雨上がりのきらきらとした新緑の中で、

きのうまでの少し落ち込んでいた自分を洗濯して、

ちょっと新しい「私」がいるような気がしました。

そうして緑の中へ出かけて行って、

自分の心が、新緑にそまったとき、

またがんばれるような気持ちになりました。


そんな日だったから、今日は

「わたしは生きてるさくらんぼ」を取り出してきました。

そうしてまた少し・・・元気が出ました。



       わたしは いつも わたしでしょう。



そうよね・・・、わたしは、わたしらしくありたい。

まわりに流されて、ついつい自分を見失うところだった。

そう・・・だからといって、肩ひじ張らなくてもいい・・・

わたしは、わたしでなくてはね・・・。



娘は読み終わった後に、言いました。

 娘「ゆうちゃんとママはね、今、白色なの」

 私「へえ、そうなんだ」

 娘「でね、あっちのお部屋に行くと、黒色なの」

 私「なんで?」

 娘「だって、あっちのお部屋は暗いでしょ・・・だから。」

娘の素直な心に、やすらぎをもらいました。(*^^*)


☆ ★ ☆

バーバラ・クーニーの絵本、いずれ手にはいるすべての作品を

手元に置きたい・・・そう思っている作家さんです。

(そう思っていらっしゃるクーニーファンは多いですよね・・・♪)

その中でも、私がいっとう好きな作品・・・というと、

「ルピナスさん」か、この「わたしは生きてるさくらんぼ」です。

クーニーの描く凛とした女性の姿に、憧れてしまいます。


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2002年04月18日(木) 「みずたまレンズ」

今森 光彦・作

かがくのとも2000年6月号(福音館書店)
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雨上がりって、好きです。

まだ、いろんなところに雨の名残がある中、

おひさまの光が輝いて。


ベランダから見える、物干しざおや、電線・・・

それに柳の枝にも・・・

きらきらしたみずたまのネックレスが出来ています。

そのひとつひとつをのぞくと、

小さな別の世界が出来ている・・・♪



今森さんのファインダーは、

子どもの目の高さなのだと思います。

こんなふうに子どものころは、

眺めていたわ。。。という、そういう視線なんです。

大人になって、背が高くなって、

見過ごすようになってしまったもの。。。

それに再会したきがします。


・・・雨上がりのクモの巣って、

こんなに美しかったんだ。

今度、雨上がりに

くもの巣を探しに行こうかな・・・。





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2002年04月15日(月) 「わたしのおふねマギーB」

アイリーン・ハース・作 

うちだ りさこ・訳  福音館書店
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「わたしのおふねマギーB」が限定復刊されましたね♪

我が家にも、お知り合い用に注文していた分が届きました。(*^^*)

荷物を開けながら、表紙を見ていると・・・うん、やっぱり大好き♪

この絵本は、イーゼルにたてかけて飾っておきたくなります。


学生時代、私はヨット部に所属していました。

ふだんは、二人乗りのちっちゃなディンギーに乗っていたのですが、

監督が、クルーザーを持っていらっしゃったのです。

2本マストのちょっとクラッシックなクルーザーで、

私たちは夏休みになると、監督の船のデッキ掃除に行かされました。

そのかわり、

琵琶湖1周のクルージングに連れて行ってくださるんですけれどね♪

コックピットの中に入ると酔ってしまう私は、

毛布を持ち出して、デッキの上で寝ていました・・・

すると空は満天の星・・・たまに、すぅっと星が流れていきます・・・

琵琶湖の波にゆらゆらと揺られながら、うとうととしていました。

朝になると、琵琶湖で泳ぎながら、歯磨きをしたりして・・・(^^;


マギーBのおふねのコックピット(船室)やデッキの様子・・・

こんな船に乗れたら、楽しいでしょうねぇ。

娘は頭の中で、マギーBと一緒に、このお船に乗って

旅をしているかしらね・・・

それとも、自分なりのお船をあらたに思い描いているかしら・・・♪

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この本は、サイトを立ち上げた当時に、「今月のお気に入り」で

ご紹介したことがある、とっても思い入れの深い本です。

よろしかったら、こちらも読んでやってくださいまし・・・

「ここ」をクリックしてね♪

(あのとき・・・洋書も欲しくなって、取り寄せました。。。)














2002年04月10日(水) 「きつねのホイティ」

シビル・ウェッタシンハ・作

まつおか きょうこ・訳   福音館書店
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この本は、スリランカ の絵本です。

舞台は、スリランカの小さな村。

   その村には、アンゴウ、マンゴウ、ランゴウというなまえの

   元気のいいおかみさんが、とても仲良く暮しておりました。

   そして、村外れの森の中には、くいしんぼうぎつねのホイティが

   すんでいました。

   あるばん、ホイティは、アンゴウさんのおうちのまどから

   こっそりと夕飯の様子を覗き見し、

   なんとか晩ご飯にありつきたいと思いました。

   そして・・・ホイティはいいことを思いつきます・・・


スリランカという国には、モルディブへ行く途中に

飛行機のトランジットで立ち寄ったことがあります。

モルディブもそうですが、スリランカも赤道に近いので、

1年中、あたたかなところです。

そして、植物・・・実りが豊かなところで、

人々は、ゆったりと生活しているように思います。

このお話に出てくる、アンゴウさんたちの住む村も、

とても実り豊かな村なのでしょう。

おかみさんたちは、とても大らかで、明るい人たちなんです。

ふふっ、私もこれくらい余裕のある気持ちで、生活を送れたら・・・と、

この三人に憧れてしまいました。(*^^*)


娘はこの本が我が家にやってきてから、

「ホイティ トイティ ホイティティ♪」と歌いながら、

ホイティになりすましております。

(今日は、ひざ掛けを身体にまきつけておりました・・・笑。)

私はもちろん、三人のおかみさん役・・・。


・・・ところで、この本に登場するココナッツミルク味のするカレー、

最初、いただいたときには、ちょっとカルチャーショックでした。

私が一番最初に食べたのは、モルディブだったと思います。

そして、シンガポールとマレーシア。

ともに、暑い国々です。

なんにでもココナッツミルクが入っていて、

汗が甘ったるい匂いになるんです!(笑)

先日、シンガポールに駐在していたことがある友人宅で、

このココナッツミルク味のカレーを久しぶりにいただきました。

これが・・・美味しくって!

・・・思わず、おかわりいたしました。(*^^*)

そのときはじめて知ったのですが、

ココナッツミルクの「缶詰」っていうのが、

売っているんですねぇ!

今度、このココナッツミルク入りカレー作りに

チャレンジしてみようと思う私でした。

(あ、もちろん、暑い日に!)






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2002年04月09日(火) 「トイレとっきゅう」

織茂 恭子・作

こどものとも2002年5月号(福音館書店)
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生理的な現象を我慢するのって、せっぱつまります。

よく経験するのが、バスなんかに乗っていて、

トイレに行きたくなったとき・・・。

私はトイレが近いので、長距離のバスに乗るときには、

結構、緊張します。

渋滞にひっかかったらどうしよう・・・なんて思ったり・・・

要するに、心配性なんです。

それで、またよけいにトイレが近くなったりする・・・苦笑。


娘も、ぎりぎりまで行きません。

朝起きても、すぐには行かずに、もぞもぞしています。

そして、人がトイレに入っているときにかぎって、

「ママァ〜! おトイレぇ〜!」と騒ぎます。

24時間も時間があるのに、なんで一瞬のトイレの時間が、

重なるんでしょ!?・・・まぁったく!


そんな娘ですから、やっぱり「トイレとっきゅう」は

身近な乗り物らしいです(笑)。

この本を読んでから、彼女の旬の遊びは

ずっと「トイレとっきゅう」ごっこ♪

私は駅員さん役だそうです。

で、娘がお人形を二人連れて、

「しっこがわは、どこですか!?」って、

せっぱつまった顔で、聞いてきます。(迫真の演技!・・・笑)

そして、私が「あっち」と指さすと、

人形を抱えて走って行って、

「あ〜、まにあった。よかった♪」などと言いながら、

お人形さんたちに、しっこさせているのでした・・・(笑えます。)


しかしなぁ・・・、

私なら「しっこ川」では、泳ぎたくないけど・・・ねぇ!(笑)








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2002年04月08日(月) 「すきですゴリラ」

アンソニー・ブラウン・作 

山下 明生・訳  あかね書房
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この本の復刊を、娘も私も心待ちにしていました♪


アンソニー・ブラウンという人は、

シュールレアリズムな作品を描く作家さんで、

この本のハナと同様、彼自身「ゴリラ」が好きなんだそうです。

確かに彼の作品の多くに、ゴリラが登場いたします。

娘が3歳の頃、この本に興味があって、まずは借りることに・・・

あいにくいつも利用する図書館にはなくて、他館取り寄せいたしました。

そうしましたら、娘のとても気に入ってしまったのです♪

じゃあ、我が家の1冊に!・・・と思ったら、なんと品切れ!

ふぅ!・・・こんなときは、とてもがっかりします。


復刊されて、世の中で一番喜んでいるのは、

我が娘ではないかと思うぐらい、このところ毎日読んでいます。(*^^*)


   ハナはゴリラがだいすき。

   ゴリラの本もいっぱい読んだし、テレビだって見たし、

   絵もいっぱいかいた。

   でも、ハナはまだいちども、いきているゴリラをみたことありません。

   ハナのおとうさん、仕事が忙しくって、ハナを動物園へ

   連れて行ってくれるひまがないんです。・・・


この本には、お母さんが登場しません。

登場どころか、気配すらないのです。

たぶん、ハナはパパと二人で暮しているんだと思わせる設定です。

パパは仕事が忙しくって、ハナと遊んでくれません。

だから、ハナはとてもさびしそうです・・・。


娘は、ハナがポツンと一人でテレビを見ている様子が

とても気になるようで、

「ハナ、とっても寂しそうだね・・・」とぽつり・・・。


去年の秋に、我が家もパパの仕事先が変わって遠くになったため、

2日に1度、パパは向うの寮にとまることになりました。

ただでさえ、秋は寂しいのに、パパが今日はいない日だとわかると、

娘は、その寂しさを紛らわすために、

勝手にテレビをつけるようになりました。

私も娘があまりにも「寂しい、寂しい」というのに負けてしまって、

ついつい、テレビのにぎやかさを求めてしまったのです。

(今では、ちょっと後悔・・・)

娘が、ハナが寂しそうね・・・と強く感じたのは、

そんな自分の姿を見ているのかも知れません。

それだからこそ、ラストは、娘も嬉しそうなんです♪・・・ふふっ。



それにしても・・・チンパンジーの絵、

なんてリアルなのかしら・・・。

チンパンジーの心まで見えてきそうです。


あ、それからね、

娘は絵のいろんなところに、隠された遊びを見つけるのを、

楽しみにしているようです、うふふっ♪




2002年04月05日(金) 「あおい目のこねこ」

エゴン・マチーセン・作

せた ていじ・訳  福音館書店
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初版が1965年という、長く読みつがれてきた1冊です。

この本は、読み物なのか絵本なのか、

その中間ぐらいかしらん・・・

「しおり」がついているので、一応「読み物」の方へ入れました。


  昔、あおい目のこねこがいました。

  あるとき、こねこはねずみのくにをさがしにでかけました・・・。


あおい目のこねこがめざす「ねずみのくに」・・・

これがなかなか見つかりません。

途中で話がそれていくので、

一瞬「おや?!ねずみの国はどないなったんや〜」と思いましたが、

なるほど・・・話にふくらみをもたしていたんですねぇ。


この本には、一応「1のまき」「2のまき」・・・と

章にわけられているのですが、

娘に「もうちょっと読んで」と言われて、

結局、1日で読んでしまいました。

あ、お話は短いので、

あっと言う間に読めるんですけれどね・・・笑。


あおい目のこねこは、「ねずみのくに」を探す旅をしながら、

「自分」というものをちゃんと獲得し、

精神的にとても成長していきます。

 「なるほど、ぼくは青い目だ。 

  だけど青い目は、よくみえるよ。」

という言葉には、凛としたものを感じます。

こねこの姿が輝いて見えました♪







2002年04月04日(木) 「あかちゃんのゆりかご」

レベッカ・ボンド・作 

さくまゆみこ・訳 偕成社
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私はもともと、子どもが苦手な人間です。

ですから、娘をみごもったときに、

お腹にあかちゃんがいるということを嬉しいと思う自分と、

その一方で「困った、困った!・・・私が母親になって大丈夫?」

と思っている自分がいました。

生まれてくる赤ちゃんのものを準備しているときにも、

嬉しい気持ちよりも、むしろ不安な気持ちの方が、

自分を支配していたような記憶があります。


そして、娘が生まれて、病院から退院するときも、

心底「どうしよう!看護婦さんどなたか一人、家までついてきて!」って

思っていました。


ほんとうに・・・今から思うと、心にゆとりがなくって、

緊張していたのねぇ・・・と、思います。

もしあのとき、今の時点の私だったら、

この絵本の家族のように、ゆったりとした気持ちで

あかちゃんを迎える準備が出来たんだろうな・・・

そう、思えるようになりました。



娘が親しくしているおともだちのところに、

この8月に、赤ちゃんが生まれることになりました。

娘は、そのおともだちと二人で、

生まれてくるあかちゃんのために、名前を考えはじめました。

先日も、「おんなのこだったら、ひなこちゃんよ~♪」と

そのお母さんに、報告していました・・・笑。

娘もその赤ちゃんの誕生を心待ちにしている・・・

それだけで、幸せな気持ちをわけていただいた気がします。



   あかちゃんが うまれてくると わかったとき、

   かぞくは みんなで おおよろこびしました。

   「あかちゃんが ねるところは どうしよう?

    そうだ、ゆりかごを つくろう。」と

   と、おとうさんが、いいました。



あかちゃんが生まれてくるのを、おとうさんも、おかあさんも、

おじいちゃんも、おばあちゃんも、

そしておにいちゃんも待ち焦がれています。

そして、みながそれぞれに生まれてくるあかちゃんのために、

いろいろと準備をするのですが、そのどれもが、暖かいのです。

読んでいるこちらも、その家族の暖かい「ゆりかご」の中にいる・・・

そんな優しい気持ちで満たされました。











2002年04月03日(水) 「小さな花の王様」

クヴィエタ・パツォウスカー・作・絵

川本 三郎・訳  太平社
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今週は2回も植物園に行きました。

植物園は、今、いろんなチューリップが花盛りです。

正面玄関には赤いチューリップの絨毯、

園内には、オレンジや黄色、紫色のチューリップ・・・

それに紅茶のような色をしたものや、八重咲きのものなど、

チューリップも、本当にいろんな種類があるのですねぇ・・・。


なかでも「まぁ!なんてかわいいチューリップ!」って思ったのは、

ピンク色をしたチューリップでした。

       


このピンクのチューリップを見ていたら、

久しぶりに「小さな花の王様」を読みなくなったので、

帰ってきてから、取り出しました。


パツォウスカー独特の色使い、あかとみどりのコントラスト、

それに加えて、この本では、ピンクと黄色が効果的に使われています。

まさにチューリップカラー♪



娘は3歳の頃、この本のことを

「ほしいものがわかった」のごほんと呼んでいました・・・くすっ。

それでね、4歳のときのお誕生日プレゼントにしたんです♪


表紙はまどがあいていて、かわいい仕掛けになっているのですが、

娘は、後ろの扉をぱかっと開けるのが好きです。

そうすると、幸せそうな王女さまと王様がいるの・・・

そうして、娘も幸せそうな笑顔になります♪


こんな幸せなそうなお二人のもとの小さな国って、

とても素敵な国なんだろうね!・・・ふふっ。





2002年04月02日(火) 「おばあちゃんの時計」

ジェラルディン・マッコーリーン・文

スティーブン・ランバート・絵 

まつかわ まゆみ・訳   評論社
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先日、図書館へ行きましたら、スティーブン・ランバートの絵が

目に入りました。

「コーラルの海」(「涼をもとめて水辺へ行こう♪」にUPしています。)が、

お気に入りなので、この本もすぐに手にとりました。

この方のやわらかいタッチの絵が、好きです・・・。



小さな頃、時間は時計で計らずに、肌で感じていたように思います。

今が朝であったり、昼であったり、夕方であったりするのは

お日様の輝きや傾き、影で、知らず知らずのうちに判断していました。


まだ、小学校1年生だったころだと思うのですが、

ある春の日、もうお日様の光が弱くなった夕方に、

ペンペン草で遊びながら、

「ああ、1日って、なんて長いんでしょう・・・

こんなに長かったら、6年生になるのって、一体いつのことなんだろう」と

思った記憶があります。

あの頃は、お日様が傾くまで、気のむくまま遊んで、

レンゲ畑で、レンゲの花の蜜を吸ってみたり、

しろつめ草で花輪を作ったりして、過ごしていました。


いつのころか、時計の時間に支配されるようになって、

気がつくと、1日というものが、私にとって、

とても短いものになっていました。

(特に、パソコンをしているとあっと言う間です・・・)


今、娘たちの世代はどうなんだろう・・・

少なくとも、私のころよりは、時間に支配されているかも知れません。


時の流れって、ほんとうは、おばあちゃんが言うように

時計の中におさまりきれないものなのだろうと思います・・・。


今日は娘に「もう○時よ! はやく!」と

言わないようにしよう・・・と、思う私です・・・(^^;


娘は、この本をみながら「おじいちゃんの古時計」を

歌っていました、くすっ。




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スズ [木陰でひと休み]

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