木陰の本棚<書庫>
絵本と読み物のあれこれ

2002年06月21日(金) 「あめのひ きのこは・・・」

原作 ステーエフ 再話 ギンズバーグ

絵 アルエーゴとデューイ  訳 くりやがわ けいこ

偕成社
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閉館間際の図書室へ駆け込むべく、4時すぎに出かけました。

家を出るときに、なんだかあやしい雲行きだなぁ・・・と思っていたら、

やっぱり、雨が、ぽつぽつぽつ・・・と降り始めました。

娘と肩を寄せ合いながら、小さな傘の中に入って、

バス停まで急ぎました。

ふぅっ、折り畳みの傘を持っていてよかった!

でなければ、今日、本を返しそびれるところでしたから・・・。


さて、図書室につくと、あと残っている時間は、10分。

あわてて借りる本を探します。

今日は雨が降ったので、やっぱり「雨」の本だな・・・

それに今日は肩を寄せあって、娘と傘に入ってきたし・・・

そう思ったら、やっぱり、この本だわ♪


ある日、ありが外を歩いていると、雨がざぁ〜っと降り出します。

「わー、たいへん。 どこかへかくれようかな?」・・・

そうして、ありが雨宿りしたのは、

小さなありが、なんとか雨宿り出来るくらいのきのこでした。

しばらくすると、ちょうちょがやってきて・・・。


雨宿りをする様子がね、なんとも、すっとぼけた絵で、

おかしいんです。

生き物達がおしくらまんじゅう状態でおさまっている表情が、

たまりません。

娘と、ページをめくって絵を見るたびに、クスクス、クスクス♪

そして、最後は、私が読むまでに、娘が大声で、

きのこがどうなったかを、おしえてくれるのでした・・・。

あ〜、すっとした!
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2002年06月20日(木) 「どろだんご」

たなか よしゆき・文  のさか ゆうさく・絵

福音館書店(幼児絵本)
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今日、この本の絵を書いていらっしゃる野坂勇作さんのお話を

聞く機会がありました。

とてもおだやかで、それでいて時々ジョークをまじえながら、

「よくねる絵本はよく育つ」というお話をしてくださいました。


1冊の絵本が出来上がるのに、

いったい、どれだけの時間がかけて作られているのでしょう・・・。

絵本というのは、私たちが想像する以上の時間をかけて、

作られて行くいくのですね・・・。

お話を伺いながら、その絵本作りのエネルギーに

感動を覚えました。


さて、この「どろだんご」という本は、

もともとは「こどものとも 年少版」として、

10数年前に発行されたものです。


この本を完成されるのに、3年の月日をかけて取材され、

作られたことを伺いました。

絵本の中にある「どろ」は、独自でどろ絵の具を作られたそうです。

土というのは、その土地土地で色が違うんだそうです。

(話はそれますが、そういえば「赤毛のアン」ゆかりの島、

プリンスエドワード島は、本当に赤い土でした!)


・・・と、話をもとにもどします。

この絵本に使われた「どろ絵の具」は、

関東と奈良と広島の、3つの土をブレンドして

作られたとか。

思わず次の日に、園庭の土の色をしげしげと

ながめてしまいました。(*^^*)/


この日、夜寝る前に娘が持ってきた本は、偶然にも

『どろであそぼう』(野坂勇作・作 かがくのとも377号)

でした。


子どもにとって、「どろ」というのは、

一番、自分の五感で感じる身近な自然なのですね。

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2002年06月18日(火) お花とあそぼう「なかよしガーデニング」

木下 まゆみ・文  前田 まゆみ・絵

岩崎書店
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今日、大阪の朝日新聞社ビル!Fのアサコムホールで開催されている

前田まゆみさんの原画展に行ってまいりました。

前田まゆみさんは、透明水彩と色鉛筆を使って、

優しいタッチの草花の絵を描かれています。

彼女の描くバラの花からは、優しい香りが漂ってきそうだし、

そして、野の花からは、ふと道端で見つけたときの

心がぽっと明るくなる・・・そんな気持ちを思い出させてくれます。



しばし、優しい空気に浸りながら、原画を楽しんだ後、

いくつか展示されていた前田まゆみさんの本を、

手にとって、ながめました。

そのうち、娘へのお土産に・・・と思って、買ってまいりましたのが、

この「なかよしガーデニング」です。


今年の春から、我が家もベランダに、

小さなガーデニングスペースを作りました。

娘の役割は、夕方の水やりです。

ひと鉢、ひと鉢、水をやりながら、

娘なりに、植物が日々成長し、変化していくさまを、

受け止めているようです。

今は夏に向かって、朝顔や風船かづらなど、

蔓性の植物が、ぐんぐん伸びていく様子を見るのが、

毎日の楽しみとなっているのでした。


この本では、4月からはじまって、

12カ月にわたるお庭作りが楽しめるようになっています。


仲よしのプッテとポポという女の子が遊んでいると、

今まで住んでいなかったおうちに、おばあちゃんが引っ越してきました。

おばあちゃんは、お庭作りをはじめるのですが、

おばあちゃんとおともだちになった二人も、

一緒になって、お庭作りをしていきます・・・。


さて、今は6月、

雨ばかり降っていて、たいくつをしている二人に、

おばあちゃんは、なにやらあじさいのまほうを教えてくれます。

なにをするかと申しますと・・・

あじさいを増やす方法を、おばあちゃんは教えてくれたのでした。

そして、もうひとつ、あさがおのしたてかたが載っています。

これがとても素敵なんです。

あさがおのつるを、いろんなアレンジで仕立てる方法が載っていて、

どんなふうにアレンジするかを考えるだけでも、

ワクワクと楽しい作業になりそうです。

7月には、育った朝顔での楽しみ方が載っていて、

今から、花が咲くのが、待ち遠しくなっちゃうのでした。


そして、秋になったら、

どんなふうに、次の春のお花の準備をしようかしら・・・と

この本を見ながら、娘と相談しています♪

今年はいろんな球根を植えてしまいそうです・・・うふふっ。


ガーデニングは、咲いたお花を楽しむのはもちろんだけれど、

こうして、どんなふうにしようかな・・・と、

庭作りのプランを、子どもと一緒になって、思いめぐらすことも、

実はとっても楽しいことなんですね♪



それから・・・

前田まゆみさんの絵本に、

「いもむしパピはしたてやさん」(PHP研究所)

というのがありまして、娘の大の大のお気に入りです♪

(たぶん、娘のお気に入り絵本ベスト5冊に入ります。)

花嫁さんの衣装に憧れているお子さんに・・・どうぞ♪








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文中に使いました、前田まゆみさんのフリー素材は、

彼女のサイト「Garden*Garden」にて、ダウンロード出来ます♪

(↑ 「リンク集」に入っていますので、行ってみてね♪)









2002年06月17日(月) 「ぜったい たべないからね」

ローレン・チャイルド・作 

木坂 涼・訳  フレーベル館
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最近、気になっている作家さんの一人に、

ローレン・チャイルドがいます。

描かれている人物の目つきが独特。

一度、その目つきに出会ってしまうと、気になって、

ついつい、本を手にとってしまいます。


この本も、図書館に行った途端、ぱっと目に入ってきて、

素通りが出来ずに、借りてきたのでした。


この『ぜったい たべないからね』は、

チャーリーとローラのおはなしとなっていて、

おにいちゃんといもうとが登場します。


でね、この妹ときたら、すききらいがはげしくて、大変なんです!

(ああ、うちの娘みたい・・・笑。)

そこで、お兄ちゃんは、一計を案じます・・・。


子どもって、真っ正面から「これを食べなさい!」って言ったって

全然、言うことを聞いてくれません。

けれど、ちょっと斜めの角度から攻めると、

敵(!)も、うま〜く、その作戦にのっかってくれたりします。

うちも今度、娘が「ぜったい たべないからね」と言い出したときには、

このお兄ちゃんの案を、採用させていただこうかな♪

娘は、このお兄ちゃんの言い出したこと、

ずいぶんお気に召しているようだし・・・ね♪  ふふっ


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「読み物memo」も、久々に更新いたしました。



2002年06月16日(日) 「こぐまのくまくん」

E・H・ミナリック・文   モーリス・センダック・絵

まつおか きょうこ・訳 福音館書店
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「はじめてよむどうわ1」となっているとおり、

この本には、短いお話が4つ載っています。

その中で、娘が一番、お気に入りになったお話は

「くまくんのねがいごと」。


娘はよく、

「ゆうちゃんがちいちゃかったときのお話をして」

と、リクエストします。

このくらい(5歳くらい)の年ごろって、

自分の小さかった頃のお話を聞くのが、大好きなようです。

少し、自分の小さかったときのことに

興味を持ちはじめたのでしょうか。

それとも、親から自分が小さかった頃のお話を聞いて、

愛情の再確認をしているのでしょうか・・・

どちらにしても、そのお話を聞いているときの娘は、

とても満足そうで、嬉しそうです・・・。

そう、ちょうどこの本のくまくんのように・・・ね♪


センダックの描く、くまくんのおかあさんの視線・・・

こちらの気持ちまで柔らかく包んでくれる気がします。



2002年06月15日(土) エンバリーおじさんの絵かきえほん「しもんスタンプでかいてみよう」

エド・エンバリー・作   偕成社
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エンバリーおじさんの絵かきえほんの最新刊です。

このエンバリーおじさんの絵かきえほんシリーズは、

こんなふうにしたら楽しく絵が描けるんだ!というヒントが

ぎゅっとつまっています。

今回のお絵かきのテーマは「しもんスタンプ」♪

要するに、手にインクをつけて、ぺたん! と押して、

それにサインペンや色鉛筆などで、絵を描き足していくというもの。


娘、早速、はまりました!

画用紙に ペタペタペタ! ペタペタペタペタ!!!

ほんと、たのしそう。

自分の身体の一部が絵筆になるって、

なんだかとっても気持ちがいいのよね〜♪


そのうち、パパも一緒に巻き込んで、

いろいろな作品を作っていってます。

・・・と、

おやぁ〜、これは、あおむしさんだ・・・。

パパがはらぺこあおむしをしもんスタンプで作っていたら、

娘がその紙の上の方に、

「りんごをひとつ食べました」とたのしそうにおしゃべりしながら、

りんごやら、なしやら、ぶどうなどを

ペタペタとつくりはじめました。

ほんと、こうしてお絵かきするのって、楽しいね!


えほんの中も、しもんスタンプで描かれた絵がいっぱい!

それが不思議と動きのある絵なんですよ。

見ているだけで、happyな1冊。(*^^*)/

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2002年06月09日(日) 「しのだけむらのやぶがっこう」

カズコ・G・ストーン・作 

こどものとも2002年7月号(福音館書店)
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竹を見ると、「夏」というイメージがあります。

やっぱり七夕飾りから、そう思うのでしょうか?

それとも・・・

竹の筒に入った水ようかん、

これが食べたくなるからでしょうか・・・。(笑)


ともあれ、笹をさらさらと揺らして渡っていく風、

夏には、それがいかにも涼しげな気がいたします。


娘の大好きなカズコ・G・ストーンさんの「やなぎむらシリーズ」。

小さな虫達が、色鉛筆で細やかに描かれている絵本です。


そのやなぎむらの隣に、近ごろ、

どうやら「しのだけむら」というのがあることが、

わかりました。

そして、しのだけむらの住人とは・・・

おぉ、

私がいつも目の敵にしている、蚊!それに蛾とは!

・・・いやはや、まいった、まいった。


けれど、カズコ・G・ストーンさんの色鉛筆にかかると、

蚊や蛾も、なぜだが愛嬌があって、

急に、親しみのあるものに、思えてくるから不思議ですね。


さあて、しのだけむらの七夕の夜に、

ちょっくら、出かけてみましょうかね、

どうやら、やなぎ村の住人も出かけるようですし・・・(*^^*)

あ、虫よけに長袖は必需品かしらねぇ・・・(笑)。


昨晩、また、ホタルを見に行きましたので、

今夜は『しのだけむらのやぶがっこう』と一緒に、

やなぎむらシリーズの1冊『ほたるホテル』(福音館書店)も

楽しみました。

シリーズものは、こうしてともに読むと、

よりいっそうお話が広がるので、大好きです。(*^^*)


ところで、今回の折り込みを見ていましたら、

カズコ・G・ストーンさんは、この虫達の世界を描くのに

500色の色鉛筆をお使いなんですねぇ!

あこがれの500色の色鉛筆♪

私もいつか、欲しいのよ・・・。

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2002年06月01日(土) 「ほたる」

神沢利子・文 栗林 慧・写真

かがくのとも2002年6月号(福音館書店)
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6月に入り、そろそろホタルの季節です。

毎年、この時期になると少し早めに夕食を済ませて、

自転車に乗って、ホタル狩りに出かけます。


私が子どもの頃は、ちょっとそこらの川へ行けば、

どこにでもホタルはいましたので、

本当にホタルを網で取って、虫かごに入れて連れて帰り、

蚊帳の中に放って寝たようなことがありましたっけ・・・。

(要するに、田舎育ち・・・。)

今はもう、「ホタル狩り」と言っても、

実際にホタルを狩ることはないですよね・・・。

ホタルのぽうっと光るさまを楽しんで、満足して帰ってきます。

それでも、娘にしてみたら、とても印象的な出来事らしく、

ホタルを見に行った場所を自転車で通りすぎるたびに、

「ここに、ホタルさんいたよね〜」と、

ニッコリしながら言ってくれます。


この本は、ホタルの一生を、写真でずっと追っていきます。

ホタルの卵って、暗い夜に、うっすら光って見えるのですねぇ・・・。

ホタルは卵から孵って、水中→地中→地上と、

3度も自分の住む場所を移していきます。

なんだかそのことに、とても感動してしまったのでした。


娘は、ホタルのオスがしんでしまうということが、

とても気になったようで、

「どうして、ホタルさんは死んでしまうの?」と

何度もたずねてきました。

「ホタルさん、自分のお仕事を終えると、死んじゃうんだよ」って

こたえるのですが、

娘は「ふ〜ん」と言いながらも、納得してない様子。


ホタルって、成虫になるまでは地味ですが、

成虫になったとたん、美しく輝いて、

そして次世代の命の種を残して死んでいく、

とてもはかないいきものですね・・・。


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2002年05月31日(金) 「よあけ」

ユリー・シュルヴィッツ・作・画

瀬田貞二・訳   福音館書店
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ふだん、もうあたりが明るくなってから起きることが多いですが、

たまに娘と一緒に早く就寝して、5時ごろ起きることがあります。

そうすると、まだしーんと寝静まっていた世界から、

次第に明るくなってきて、

そして小鳥たちが目覚めて、

チュンチュンと鳴きかわす声が聞こえてくるようになります。


夜から朝へと時が移り行くさまというのは、

本当に「静」の世界から、「動」の世界へと移っていく・・・

そういう感覚を、ああ、五感で感じるなぁ・・・と思います。


この本は、ずっとママの本棚におさめていたのですが、

きのう、娘がこの本に気がついて、取り出してきました。

娘とこの本を読める日を、ずっと楽しみにしていた私は、

彼女が自分で本棚から見つけてきたことが、

とても嬉しくなりました。


この本を読んでいると、

しーんとした夜の湖の空気を肌に感じることができる気がします・・・

墨絵のようなシュルビッツの絵からも、

瀬田貞二さんの美しい日本語からも。


そしてやがて「動」の世界へ移っていくとき、

ページをめくる前に、ドキドキしている自分に気がつきます。

娘も、そのページをめくった瞬間に、

「わぁ!」と声をあげました。(*^^*)


・・・いつか行こうね、美しい「よあけ」を見に。

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2002年05月30日(木) 「マドレンカ」

ピーター・シス・作 

松田素子・訳 BL出版
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今日、娘は幼稚園で歯科健診を受けてきました。

娘はきっと、下の歯が2本抜けているのを、

さぞかし嬉しそうに歯医者さんに報告していたんだろう・・・

と、思います。

この間も、いつも行くスーパーのレジのおばちゃんに

「見て〜♪」と、口をぱかっと開けて見せていましたもの・・・くすっ。


歯が抜けたってことは、子どもにとってはよほど嬉しいことなんですねぇ。

娘もきっと、「これで、私も一人前のおねえちゃん!」

っていう気分なのかな・・・と、思います。


宇宙のなかの ある惑星の ある大陸の ある国の ある町の

ある建物の ある窓のなかにいる「マドレンカ」も、

やっぱり「歯がぬけた」ことは、彼女の中で

とても大きな出来事だったのでしょうね。

マドレンカも、もうすぐ歯が抜けることを

みんなにしらせなくっちゃ!って思います。

そして、彼女が知らせにいった人々というのが、

実にワールドワイド!

フランス・イタリア・インド・ラテンアメリカ・・・etc.

みなさん、それぞれそのお国の言葉で、

マドレンカを出迎えてくれます♪



この本を読み終わった後、娘が、

「マドレンカって、私より歯が抜けるの遅いな」って言うんです。

何を根拠に言っているのかわからなかった私・・・

「なんで?」と尋ねましたところ、

「だって、今日、歯が抜けたんだもん、この子」ですって。

子どもっておもしろいですねぇ・・・ふふっ。

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スズ [木陰でひと休み]

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