木陰の本棚<書庫>
絵本と読み物のあれこれ

2002年11月03日(日) 「しずかなおはなし」

サムイル・マルシャーク/文 ウラジミル・レーベデフ/絵

うちだ りさこ/訳 福音館書店
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冒頭に、ちいさな こえで よむ おはなし

とありますので、小さな声で娘にそっと読みました。

すると…

本と娘と読んでいる私の間に、

ピンとはりつめた空気が出来ていくのがわかります。

娘は、一度読んだあとに、すぐに

「もう1回よんで」と言ったのですが、

そのときには、私の腕をつかみながら

聞いていました…ふふっ…すごい緊張感。

自然界の中で、動物と動物との間に発生する緊迫した空気…

それはやはり、息をひそめて、じぃっと見守らねばならない出来事だと

娘は絵本を通じて、肌から感じとっているのでしょう…。

あ…、それとも、

娘は傍観者なのではなく、

はりねずみのぼうやになりきっているのでしょうか。

それならばよけいに、緊迫感がありますよね…。


絵本がもたらす、一種の緊迫した空気。

こういうのに出会うと、

ああ、いいなぁと思います。



ところで、はりねずみって夜行性の動物だということを

この絵本で認識した次第です。

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久しぶりに「読み物memo」も更新いたしました。



2002年10月18日(金) 「さんまいのおふだ」

新潟の昔話

水沢謙一/再話 梶山俊夫/画 福音館書店
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娘がこどものともの本を入れてあるケースの中から

この本を見つけだして、持ってきました。

この本も買ってから、まだ娘に読むチャンスがなくって

ずっと眠ったままでした。

さて、娘が「読んで〜」と持ってきたので、

隣に座りながら、本を読みはじめました。

しばらくして…おばばが出てきたあたりから、

娘の身体が緊張してきたのを感じます…。

そして、読んでいる私にピタっとくっついて、

腕にぎゅっとしがみついてきました。

おばばがおっかけてくるあたりになると、

娘の緊張度がますますあがっています。

こわいんだねぇ…。


そして、読み終わると…。

「おばばはどうなったの?」とおそるおそる聞いてきました。

(まだ追っかけてきやしないかと、ドキドキしているんだね…。)

おばばがどうなったか、把握すると少しはほっとした様子。

しかし、しばらくして、お風呂に入る時に、

「おかあさん、べんじょのかみさまって、本当はいないよねぇ、

お話のなかだけよねぇ…」と、自分に言い聞かせるようにして

また聞いてきました。

ははっ、こりゃぁしばらく、和式のトイレに行けないかも…笑。


で、今、彼女が家にある本の中で、一番こわいからいやなのは、

「さんまいのおふだ」と相成りました。

この間までは「くいしんぼうのあおむしくん」が

一番こわかったみたいですが、

「さんまいのおふだ」がそれを追い越して、見事一番に。(笑)



…そのくせ、先日、おばあちゃんには

「このほん、むちゃくちゃこわいねんでぇ!」と言いながら、

嬉しそうに見せていたんですけれど…。(笑)

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10/17の「えほんmemo」に「むかでのいしゃむかえ」をupしました。



2002年10月17日(木) 「むかでのいしゃむかえ」

飯野 和好/作 福音館書店(幼児絵本)

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先日、鞍馬山へ行きました折り、毘沙門天のお使い霊虫とされる

ムカデに出会いました。

あの、体の側面の蛍光色な赤色が、妙に目に焼き付いています。

たぶん、ムカデを見たのははじめてな娘。

そんな娘に「そうだ、この本、まだ読んでなかった」と

本棚に眠らせておいた「むかでのいしゃむかえ」を

取り出して、読むことにいたしました。

(以前、読もうとしたら、娘に拒否されたので、眠っていたのです。)

さて、今日は最初から読んでいて、娘の反応がなかなかいい感じです。

(この飯野さんの絵のアクの強さが、

以前、娘は苦手だったみたいだったのですが、今は平気なようです。)


昔、しょうやのかまきりべえのおうちでの宴会のお話。

ばったのとくさんがはらいたをおこします。

そこでお医者さんを迎えにいくためにみんながお使いをたのんだのが、

むかでのたへいさんです…。

そうそう…杉の木を上って行ったムカデ、こんな色だったよぉ…。


娘は話がおもしろかったらしく、

結局、3回ほど続けてリクエストがかかりました。

その後も、自分で読んでは楽しんだり、パパに読んでもらったり…。


ところで、このお医者さまなんですけれど、

クモでいいんですよねぇ…(ちょっと自信がない…笑。)



2002年10月04日(金) 幼稚園のお話会 その1

今日、私にとっては記念すべき第1回目の「お話会」です。

1学期に先生にお話をもちかけてまして、

ようやく、開くところまでこぎつけました。

読むのは、保育が終わってから、園庭開放がある日に、

20分程の時間をもらって、教室ですることになりました。

子ども達は前に座ってもらい、

お母さまたちは後ろに座っていただきました。

さて、はじめてのこと…どうなることやら…とドキドキでしたが、

子ども達の熱心に見てくれる表情で、

ずいぶんと気持ちがラクになりました。

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<今日、読んだ絵本>

『鳥の巣みつけた』
鈴木まもる/文と絵 (あすなろ書房)

まずは、園庭で見つかった鳥の巣を子ども達に見てもらってから、

読みました。↓



長いし、きついかな…と思いながら読んだのですが、

結構、熱心に聞いてくれたので、嬉しかったです。



『きょうの おべんとう なんだろな』
きしだえりこ/さく やまわきゆりこ/え (福音館書店)

最後のページで、みんなにおべんとうクイズを出しました。(^-^)

この本は『みんなみーつけた』『どこでおひるねしようかな』と

3部作になっていることを御紹介いたしました。


『よーい どん!』
中川ひろたか/文 村上康成/絵 (童心社)

あさってが運動会なので、この本を読みました。

お母さま方からも思わず笑い声が…(^-^)

子ども達は、かりもの競争のところで、探してもらいました♪



3冊読み終えて、ほっ。

子ども達の目を見ていると、読んで良かったって、思います。

緊張もしましたが、楽しいひとときでした。



2002年09月26日(木) 「ヒロシマに原爆がおとされたとき」

大道あや/作  ポプラ社
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2年程前に、NHKのドキュメンタリーで、大道あやさんの特集がありました。

「90歳のおてんば」というような題がついていたような気がします。

その番組で、私ははじめて大道さんのことを知り、

画面を通じて見た大道あやさんの絵に感動したのでした。

この夏、その絵を長崎の「祈りの丘 絵本美術館」で

出会うことが出来て、本当によかったです。


さて、その番組の中で、大道さんが久しぶりに

絵本の製作に取り組んでいらっしゃることを知りました。

それが、この「ヒロシマに原爆がおとされたとき」という絵本です。

番組の中でも、あるシーンで、大道さんが

「ここは描けん…」とおっしゃってたページ。

そのページもありました…。


文章は淡々と書かれています。

それだけに、またその時の情景、そしてその時の体験が

想像を絶するものであったことを思い知らされます。

読み終わった後、しばらく動けなくなってしまいました。


私の拙い文章力では、この本のことを伝えきれない…。

どうぞ、図書館でお借りになってみてください。

大道さんの語りのCDも付いています。


まだ先のことですが、娘は小学校の修学旅行で広島にまいります。

その前に、広島でおきたこと、娘と一緒に考えたい。

大道さんのこの本が、そのとっかかりになってくれるのではないかと

思っています。



2002年09月23日(月) 「くさはら どん」

松岡達英/作

「ちいさなかがくのとも2002年8月号」(福音館書店)
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今年発刊された「ちいさなかがくのとも」を時々買っています。

これがなかなかいいので、気に入っています。

今日は、河原で大きなとのさまバッタに出会ったので、

この本を取り出してきました。

表紙の靴の上に、とのさまバッタがのっています。


中を広げてみると、じぃっとくさはらにとまっている虫達。

次のページに行くと、子どもの足が「どん!」と来たので、

いっせいに虫達が飛び立ちます。

同じ虫の、静と動を描いているのがいいです。


そしてひとつ、河原で見かけて何だろうって思っていたとんぼも

この本でわかりました!

「チョウトンボ」

一見、チョウチョが飛んでいるかのように

ヒラヒラと飛んでいるとんぼがいたのですが、

なるほど、「チョウトンボ」っていう名前だったんだ!

(見たまんまの名前…くすっ)


それにしても…

子どもって、そうして虫が飛び立つ様子などがおもしろくって

わざと「どん!」とやったりしますよねぇ。

昆虫などを観察している方って、ほんと、

子どもの視線を持ち続けている人なんだと、つくづく思います。



2002年09月17日(火) 「いろいろおせわになりました」

わらべうた「おちゃをのみにくてください」より

やぎゅうげんいちろう/作 

福音館書店(こどものとも年少版 2002年10月号)
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娘はやぎゅうげんいちろうさんの本、大好きです。

なので、今月号の年少版ははずせません♪

(といいながら、今日やっと、買ったんだけれど…。

380円のものを買うのに、給料日まで我慢した私…。

ああ、先月って臨時出費に苦しんだわっ…笑。)


見返しに、このわらべうたの楽譜が載っています。

どれどれ…なるほど、こういう歌ね。

そして娘に歌いながら、本を読み(?)ました。

 ♪おーちゃを のーみに きてください … ♪


「おもしろかったから、もういっかい!」

こうしてくり返すこと数回…

そうすると、いつのまにか歌がON状態。

今もまだ、♪おーちゃを のーみに きてください♪と

終わらないレコード状態のまま、

私の頭の中で、鳴り続けています。

ああ、はまるわ、このうた。


娘は、絵の遊びを発見して嬉しそう。

ふふっ、お茶をのみにいらしたお客さん達と、

この子は、なにがしか交換しているのね♪


「このおうた、もともとなわとびのお歌なんだって。」と

娘に申しましたところ、すっかりその気。

明日、これして遊ぼうとはりきっています。

さて、このなわとびの飛び方は…

「ゆうびんやさん、おはようさん」と同じ感じで、いいのかしらん?



2002年09月14日(土)  公園での「お話会」ー9月ー

お知り合いに誘われ、今日はじめて、

公園での「お話会」なるものに、参加いたしました。

家で10冊程、お月さんの絵本を選び、それを持って行きました。

行く途中、娘が「絵本の発表会みたいだね!」なんて言って、

笑わせてくれました。


公園の一角のベンチの前にレジャーシートを敷きます。

なんとなく、昔懐かしい「紙芝居屋」さんの気分♪



■ 本日のメニュー ■
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・「紙芝居」なぞなぞのくにのアンパンマン

・「からすのカラッポ」
  舟崎克彦/作 黒井健/絵 ひさかたチャイルド

★「パパ、お月さまとって!」
  エリック・カール/作 もりひさし/訳 偕成社

★「あたごの浦」
  脇 和子・明子/作 大道あや/絵 福音館書店

・「いそがしいよる」
  さとうわきこ/作 福音館書店

★「ぼく、お月さまとはなしたよ」
  フランク・アッシュ/作 山口文生/訳  評論社

★「14ひきのおつきみ」
  いわむらかずお/作 童心社

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★印のついている本を、私が担当いたしました。

『パパ、お月さまとって』は、色使いがはっきりしていること、

大胆な仕掛けがあることで、子どもの反応がとてもよかったです。

いいお顔で見てくれているので、こちらも嬉しくなりました。

気をよくしながら、『あたごの浦』を読みました。

う〜ん、こちらは、むずかしかったかなぁ…。

反応が今ひとつでした。

『ぼく、お月さまとはなしたよ』は、

クマくんとお月さんのやりとりに笑ってくれました。

『14ひきのおつきみ』

最後に残った二人の男の子に、読みました。

(わが娘は、ばばばあちゃんの後、ブランコに行ってしまった…笑。)

少ない人数だからこそ、ゆっくりと14ひきを楽しめたかも。

「アマガエルはどこ?」とか「シャクトリムシ」は?って

探しながら読み、最後に表紙のしかけを見せてあげました。

(表紙のカバーをとると…ふふっ♪)


『からすのカラッポ』はとうもろこしとやまぶどうが出てくる

季節のお話です。

『いそがしいよる』は、さすが、ばばばあちゃん!

話は長いけれども、みんな楽しそうでした。

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公園というのは、子どもにとって遊びの誘惑が多いところ。

子ども達が、すべり台やブランコへ行ってしまったり、

横で太極拳をしている音楽が聞こえてきたり…。(笑)


「公園のお話会」では、

「紙芝居」的な楽しい雰囲気を大事にして、

本選びをするのといいかなぁ…って思ってみたり。

そんなことを念頭におきながら、次回、

本選びをしてみようと思います。

あと、やっぱり声が通るように発声練習かなァ?




  



2002年09月09日(月) 「オリビア サーカスをすくう」

イアン・ファルコナー/作

谷川俊太郎/訳 あすなろ書房
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わぁ〜い、共同購入で注文していましたOLIVIAちゃんの2作目が

ついにやってきました、るん♪


幼稚園から帰ってきた娘、早速、見つけて、

「あ!OLIVIAだ! 見てい〜い?」

「だめ! まず手洗って、着替えてきてから!」

(ここは、1作めのお母さんとのやりとり風に…)


そして娘より先に、ちらりと本を見る私…


ぶふふっ、

最初からちょっと笑ってしまいました。

谷川さん、楽しい訳をありがとう。


「え!? なになに〜ぃ? ゆうちゃんにもみせてぇ!」


その後、親子で奪い合いながら、本を見る…(^^;



娘のお気に入りシーンは…はい、もちろんあのシーンです。

この間、本人もやってました、公園で。(近くの公園にあるんです。)

最近は、一度おしりで着地してから、ジャンプするというワザに

磨きをかけている娘です。(^-^)


それにしても、OLIVIAちゃん!

お部屋のポスター、どなたかと思ったら…へぇ…。

『おちびのネル』(バーバラ・クーニー/作 ほるぷ出版)を

読み返したくなりました。








2002年09月07日(土) 「つきよに」

安房直子/作 南塚直子/絵 

岩崎書店(日本の名作童話20)
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『つきよに』は、ほんの2ページのみじかい、みじかいお話です。

けれど、とても優しくいい香りに包まれるお話なんです。

今夜も娘と読みながら、

花の匂いと月明かりに、包まれた気持ちになりました♪


『つきよに』の他に、

『やさしいたんぽぽ』『青い花』『きつねの窓』『ひぐれのお客』

4つのお話が収録されています。


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スズ [木陰でひと休み]

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