Deckard's Movie Diary index|past|will
本日も2本!まず『姉のいた夏、いない夏』。ヨーロッパ旅行に行ったままポルトガルで自殺した姉。数年後、大好きだった姉の死因を探る為、同じ旅に出る妹。やがて姉の行動が少しずつ・・・謎が少しずつ・・・。みたいなストーリーです。結論から言えばどっちつかずの映画でした。誰の話しをしたいのかわからないんですよね!もうちょっと妹を中心にスポットを当てた方が良かったんじゃないでしょうか。ただ60年代後半から70年代のヒッピーな雰囲気がちょっと懐かしかったです。
久しぶりでんがな!映画鑑賞!まずは、このままホっといたらそろそろ終わってしまいそうな『テイラー・オブ・パナマ』から!007シリーズのイアン・フレミングとは対極をなすスパイ小説作家ジョン・ル・カレ原作。監督は久々のジョン・ブアマン。パナマの景色とスパイという組み合わせに惹かれて見に行ってきました。ちょっとわかり辛いところもありますが、それなりに楽しめます。いかにも胡散臭そうなスパイ役のピアース・ブロスナン(この人は007のようなマジなスパイよりこっちの方が適役でしょ!)といい、臆病なくせに戯言(仕立て話)ばかりしてるジェフリー・ラッシュといい、そこそこ味があります。ただ結局どういう映画にしたかったのか、イマイチわかりませんでしたねぇ・・・。
今週から始まっている夏のドラマの1回目をまとめて観賞。春のドラマは仕事の都合で1ヶ月ほど見られない時期がありそうだったので全てパスしました。今季は「恋がしたい×3」「できちゃった結婚」「ファイティング・ガール」「ネバーランド」の4本です。まず「恋がしたい×3」ですが、キャスティングに惹かれて見たのですが、TVドラマにありがちな偶然の多用であえなく沈没!続いて「できちゃった結婚」。あんまり期待していなかったんですけど意外と良かったです。最近私生活でキレている行動(記事が真実ならば人間としてかなりマズイでしょ^^;)が目立つ広末ですが、竹野内豊とのやりとりは、二人の温度差がヨク出ていて興味を惹きます。まぁ、どこまでイけるか?ってカンジもありますが・・・。今季一番の出来は「ファイティング・ガール」。これは文句ナシに面白い!深田恭子扮する今時スタイルの主人公は、傷つきたくない!だから強くなりたい。と日々行動していて、まぁ、それが腕力だったりする事もあるのですが、その気持ちはヨクわかります。で、そこにユン・ソナ扮する正義感が強く、礼儀正しく常識的な韓国からの留学生が絡むのですが、二人の考え方の違いが今後どういう風に展開していくのかとても楽しみです。脇を固める萩原健一、天海祐希もなかなか魅力的!それにしても深田恭子のアクションはヒドかったなぁ!「ネバーランド」は最後まで見られませんでした。どうしようもなくつまらなかった。
予告編で気になって前売りを購入していた『ニュー・イヤーズ・デイ』。高校生の友人同志がスキーに行き、雪崩れと遭遇。生き残ってしまった2人は死んでしまった皆の夢を叶える為に・・・・。というストーリーです。設定がかなり切なさそうで、泣けちゃいそう!と思っていたのですが、全くダメでした。で、ダメだった理由は簡単!脚本をいじりすぎてるんです。なんでもっと素直な流れにしなかったのか、理解に苦しみます。残念!たぶん監督がヘタなんでしょう。あ!そう言えば、懐かしのジャクリーヌ・ビセットが出てました^^
前日『E T』のトーマス・ハウエルと再会したからではありませんが、見ましたぜ!『A.I』。結論から言えば「トホホ」でした。想像していた話は「子供を無くした夫婦が、その子供とそっくりなロボットを手に入れる。夫婦はとても喜び、そのロボットを可愛がる。深い愛情をそそぎ、その内ロボットとは思えなくなってくる。しかしやがて気付く、ロボットは成長をしない・・・。決して大きくならない・・・。本当の子供とは違う!その時、人間の愛情は、ロボットの無償の愛情は・・・・やがて起こりうるだろう人間とロボットの複雑な関係・・・」というようなストーリーかなぁ・・・と、「天馬博士とトビオとアトム」の関係ですね。人間というのは不確かな生き物で、エゴの塊です。だから「確かなモノ」に憧れ、それが「信じる」という気持ちにさせてくれたりするのです。しかし「信じる」もまた自分だけのエゴに変わりはありません。そして、その「確かなモノに憧れるエゴ」が、様々な芸術を生んでいるとも思います。逆に言えば「確かなモノ」ほどつまらなく平凡なモノはありません。まぁ、この世の中に「確かなモノ」なんてありませんが・・・、あるとしたら「死」だけでしょう。だからロボットにインプットされた「確かな愛」なんてなんの魅力もありません。彼はロボットですから。どこまでも「憎め!」とインプットされたら壊れるまで何千年も憎むワケです。「想像以上に人間の心が宿ってしまったロボット」という観点で考えてみても可笑しいと思います。人間の心が宿ったのなら、自分を捨てた相手を無条件に愛しているのも可笑しいでしょ。ロボット以外は、単細胞でお馬鹿な人間ばかりが出てきて大騒ぎをし、手垢のついた世界観は見るべき物もありません。飼い主の都合で遠い場所に捨てられた犬が、何ヶ月もかかってボロボロになって帰ってくるまでのハナシです。それでも犬は生きもの(不確かなもの)ですから、そこにドラマは生まれるでしょう。でもロボットはどうなの?修理すればいいんでしょ^^ だいたい彼はあの後どうするの?また違うコトでもインプットされるのかなぁ? まぁ、気に入ってる人は「そんな固いコト云うなよ!これだけ無償な愛って美しいよなぁ・・・」なんて思ったりするんでしょうか・・・。それにしてもホントにオスメント君は上手い!10時からの初回でしたが半分位の入りでした。
役者兼脚本家兼監督のビリー・ボブ・ソーントン最新作『すべての美しい馬』。お久しぶりにラストで気持ち良くホっとしました。そんなに感動作ってワケでもないんですが、長い物語の末だったので「あぁ良かったネ・・・また始めよう!」と思いました。カウボーイの居場所がだんだん無くなってきた1949年。カウボーイに拘るジョン(マット・デイモン)とレイシー(トーマス・ハウエル)がメキシコに新天地を求め、異国で経験する愛と友情、そして挫折の物語。原作はコーマック・マッカーシーの国境3部作の1作目で、未読なのでハッキリしたコトは云えませんが、監督のビリーはかなり上手く映画化したんじゃないでしょうか。話しがとても良くわかるようにキチンと描かれています。ただ、全体に優等生の答案のようで・・・・。もう少し重きを置いた部分が、例えばジョンとアレハンドラ(ペネロペ・クルス)の出会いから結ばれるまでが、ちょっと物足りないです。後半の二人の結論が良かっただけに・・・惜しいナァ。シネマチャットで知り合いのHN・おば様が言うように、マット・デイモンは純朴な田舎の青年役がホンマによく似合うなぁ・・・。サム・シェパードとブルース・ダーンが脇で出演にはビックリでした。で、やっぱり種馬よりも繁殖牝馬が大事なんだな、馬は!
大女優でウォーレン・ビューティの姉であるシャーリー・マクレーン初監督作『ぼくが天使になった日』。コレは泣けました。いつも学校でイジメられてる女の子のみたいな男の子。母親は過食症で230キロもあり、それもまたイジメの対象で、そんなことから両親は別居。少年は小さな頃から天使に憧れていて、天使の姿(ドレープだらけのドレス)で学校のスペリング大会(漢字検定みたいな大会)に優勝したことから・・・。この映画は色んな人々が登場し交差しますが、基本的には人(または世間一般)と違っている事が生む差別を描いています。まぁ、差別なんて皆そうなんだけどネ。解決の糸口はやはり相手を思いやる心に尽きるのでしょう。少年は素晴らしい才能に恵まれていましたが、現実にはそんな才能に恵まれてない人のが多いワケですからねぇ!その辺がちょっと・・・・^^; そんな才能のない凡人の私は中嶋みゆきでも歌いましょう。♪Tell Me Sister 教えておくれよ Tell Me Sister 恵まれたものは何? Tell Me Sister 何を真似ればいい?「そのままでいいのに」と微笑みだけが残った〜♪ いつも強面のゲイリー・シニーズがいい味出していました。しっかし「フリーク(freak)」にあんな意味があるなんて知らなかったなぁ・・・。
ゲイリー・オールドマン制作総指揮で、本人も敵役で出演している『ザ・コンテンダー』。大統領が指名した女性副大統領候補にセックススキャンダルの過去が!?っつー話。予告編ではあんまり気乗りしなかったんだけど、けっこう面白い!モニターやニュース影像を多用した演出がリズムを出していて、実にテンポ良く引っ張ってくれます。かなりイイ感じで進むのですが、ラスト近くのドンデン返しあたりから、どうもワザとらしい展開になってきて「オイオイ!話がキレイ過ぎるヤロ!」とちょっとツッコミを入れたくなってしまいました。いかにもアメリカ的な正義の映画で、とってもハリウッドらしいです。まぁいいんだけどね。それでもイけてたのは、とにかく上手い!オールドマン&ジョーン・アレン!
制作直後から、理由がわからないまま一切の上映が禁止になっていた幻のイラン映画『ダンス・オブ・ダスト』を見ました。ストーリーは煉瓦造りをして暮らしている少年と、その村に来た季節労働者の娘との儚い心の思いを描いています。二人は手を触れるどころか言葉さえ交わしません。遠くから名前を呼び合うだけです。音楽はほとんどありませんし、字幕もありません。ただ、笑い声、泣き声、叫び声、歌声、祈りの声、風、水、火の燃える音、土を捏ねる音、道具の音など様々な音が聞こえてきます。ほとんど影像と現場音だけを重ねたスケッチ風な作りで、映画はどこまでも淡々と進み突然終わります。しかしこの影像映画が観る物に強いるイマジネーションは心地の良いものでした。イラン映画というのは淡白な作りが多くて、ハリウッド的コミュニケーションに慣れてしまった身としては少々もの足りない気もしますが、それはそれで奥深く侮れないものを感じます。それにしてもスカーフとかヴェールとか小物が綺麗だなぁ・・・・。もちろん表情が一番なんだけど!
前作『シンプル・プラン』で慣れないコトに手を出しズッコケたサム・ライミの新作は、初心に戻ってサイコ・ホラー・サスペンスの『ギフト』です。元はといえばB級ホラー専門の監督だったワケですから手馴れたモンですなぁ。主人公のケイト・ブランシェトが生まれながらに授かった「過去や未来が見える力」を使って占いなどをやっているのですが、いろいろトラブルに巻き込まれて、まぁ舞台が田舎ですから魔女扱いされたりするワケです。話しはヨク出来ていてけっこう楽しめます。まぁオチは推測出来ますけどネ!でも超能力モノってのは、凄みがないのなら切なくないとなぁ・・・超能力者ケイトの哀しみっつーのかなぁ、その辺がキチンと描けないとサム・ライミは二流のまんまだろうな!それでも全然構わないけどネ!それにESPカードってのもどうなの?ちなみに登場人物の弁護士(否定派)は大槻教授のような論法でした。
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