Deckard's Movie Diary
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2002年03月19日(火)  マルホランド・ドライヴ

 『ストレイト・ストーリー』で一息ついていたデビッド・リンチが帰って来ました。これまた巷で話題の『マルホランド・ドライブ』。リンチって、あんまり好きじゃないんですが、観てきました。相変わらず、観客を飽きさせない(煙に巻く?)凝った演出も素晴らしいし、今回はいつもよりワかりやすく作っている分(相変わらず無駄な謎も多いけど・・・)、苦手な小生もそれなりにリンチ・ワールドを堪能することが出来ました。たぶん・・・個人的にはリンチ映画の最高傑作かも。この手の映画にハマる人が多いのも納得出来ます。え、オレですか?オレはいいですよ。どうぞ皆さん「あーでもない!こーでもない!」と、どんどん先に進んじゃって下さい。オレはそんなコトを考えられるほど、脳みそに余裕がないので・・・。


2002年03月18日(月)  ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

 “みんな自分のカタワレを探してる・・・” 『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』。オフ・ブロードウェイで2年以上のロングランを記録したミュージカルの映画化です。性転換手術の失敗から不完全な身体を持ってしまったヘドウィグの半生を描いたストーリーは、はっきり言って胡散臭く(話しを作りすぎ!元々が舞台劇なので、仕方がないかも・・・)消化不良気味のエピソードも満載ですが、そんなコトはどうでもよくて、この映画の魅力はナンと言っても主人公演じるジョン・キャメロン・ミッチェルの猥雑で妖しいカリスマ系オーラを感じられるかどうかです。とあるロックスターがローリング・ストーン誌に語った『謎に包まれていた半生』の映画化だと思えばいいんじゃないでしょうか。そういう意味では全ての楽曲の詩が素晴らしく、主人公のアングリーインチな怒りも悲しみもすんなり受け入れるコトが出来ました。カルト・ムービーの歴史にまた新たな傑作が・・・。


2002年03月15日(金)  ぼくの神さま

 ハーレイ・ジョエル・オスメント最新作『ぼくの神さま』。ナチス占領下、ポーランドの小さな村が舞台。過酷な現実が子供たちにのしかかって・・・。メチャメチャ重たい映画でした。重すぎて、泣けない・・・・。だって、あまりに悲しすぎる展開なんですもの。ま、ストーリーは置いといて。とにかくトロを演じるリアム・ヘスが素晴らしく、その表情はまさに天使と見間違うような、無垢な美しさに溢れています。また、他の子供たちの表情もそれぞれに個性的で自然なので、ハーレイ君がちょっと浮いてるような気も・・・・。映画の出来としては、監督ユレク・ボガエヴィッチの演出が拙いので、まとまりに欠けています。話しがアッチコッチに飛んでしまって・・・・。


2002年03月14日(木)  ロード・オブ・ザ・リング

 巷でやたら評判の宜しい『ロード・オブ・ザ・リング』。東銀座で朝いち11時からの回で6分の入りでした。3時間の長丁場。結論は「どうってコトありませんでした。」なんでそんなに評価されるのかワカリマセン。テンポも判で押したようなワンパターンで、上映中、何度も欠伸を噛み殺しておりました。まず説明、んで、ちょこっと盛り上げて、はい休み!さぁ、美しい風景をどうぞ!←コレの繰り返し。9人の仲間の何人かは人数合わせの為だけにいる感じだし、説明ばかりのナレーションや取ってつけたようなセリフ回し。新味のないストーリー展開(これは仕方がないけど。)映像にしても、大騒ぎするようなモノはひとつもなかったです。あの終わり方もなぁ・・・・どうなんだろう?


2002年03月08日(金)  キリング・ミー・ソフトリー マリー・アントワネットの首飾り

 日本の週刊誌だったら、「あのヘザー・グラハムが惜しげもなく脱いだ!」みたいなキャプションが付きそうな『キリング・ミー・ソフトリー』。監督は巨匠チェン・カイコー。で、映画はツマンネェー!三流サスペンス映画。女優がヘザーじゃなかったらマジでキれてましたよ!

 続いては、本日で終わってしまう『マリー・アントワネットの首飾り』です。これはねぇ、キャスティングでけっこう期待していました。ヒラリー・スワンクが強烈な意思で想いを成し遂げるのかなぁ・・・と、思っていたんですよ。ところが、映画はヒラリー演じるジャンヌの過去をあまりにサラっと描いてるんで、彼女に全然思い入れ出来ないんです。これは致命的でしたね。「知ってるつもり」だってもう少し劇的に演出するんじゃない?


2002年03月05日(火)  ソルトレイク・オリンピック 竜二・Forever ミルクのお値段

 アメリカから友人が来ていたので久しぶりに会って、話したところ「アメリカではソルトレイク・オリンピックはアメリカ人しか出てないような報道だったよ」とコトも無げに言うのでビックリ!韓国の怒りも日本の怒りも全く知りませんでした。とにかくライブ中継は無く、1位3位がアメリカ人で2位が外国人の場合は2位の人が映らない・・・と言ってました。「恐るべし!」のアメリカは、やっぱり、どアホ!なアメリカでした。

 明日からみっちり仕事なので、寸暇を惜しんで『竜二 Forever』。日本映画史に残る!と言っても過言ではない切ないラストVーンを持つ『竜二』のバックステージもの。あの金子正次が蘇る・・・・。それだけで心躍る映画。18年前の映画『竜二』はホントに好きな映画なので、オカシナ物だけは作って欲しくなかったんですが、そういう意味では、まぁ、合格点かなぁ。言いたいコトはたくさんあります。まずね、テーマが『金子正次』本人なのか映画『竜二』なのかハッキリしていないので、散漫な感じが拭いきれません。金子正次役の高橋克典は賛否両論あると思いますが、オレは認めます。ちょっと作り過ぎ(無理に似せ過ぎ)なところと、時々、素になってしまうとことが、惜しかったです。金子の目ってけっこう可愛いからね。

 そして『ミルクのお値段』です。この映画はよくわかりません。何とも形容しがたい不思議な映画。一言で言えば『大人のおとぎ話』みたいなコトになるんだろうけど・・・。牧場で暮らすカップル、ルシンダとロブ。二人の倖せがいつまで続くのか気になるルシンダは、友人の囁きに心を惑わされて、二人の愛の強さを計ろうとするが・・・。引きこもりの犬や、ヘンテコな魔法使い、登場人物たちのワケわかんない行動など、とっても不可解。でもね、けっこう好きです。なんか微笑ましいんですよ。バカみたいな映画だから、人のには薦めずらいけど。


2002年03月04日(月)  しあわせの場所

 3月に入って最初の映画は『しあわせの場所』。母親と5人の兄妹が狭い所帯で暮らす家族の物語。しっかり者の長男は家族の面倒を見つつ、喜びも悲しみも幾歳月・・・・。山田洋次というよりは森崎東に近いかも・・・・っていう雰囲気の邦画みたいでした。悪くはナイです。でも。ちょっと食い足りないカンジかなぁ・・・。でも、それが大陸的な中国と島国・日本の違いかもなぁ・・・。


2002年02月27日(水)  コンセント

 田口ランディ原作、中原俊監督、市川美和子主演、『コンセント』。風変わりな映画でした。一人の女性が兄の死をキッカケにシャーマンに目覚めていく話しなのですが、多分にオカルト系な匂いとホラー風味の味付けが妙な空気感を生んでいました。原作を読んでいないので、ハッキリした事は分かりませんが、映像化が難しかっただろうコトは容易に想像出来ます。ちょっと原作も読んでみたくなりましたねぇ。ただ、もうちょっと映画としての迫力というか、緊張感というか欲しかったかも・・・・。それとこの手の邦画にありがちなインチキ臭い出演者達の部屋。もっとちゃんと仕事しようよ!あんな殺風景な部屋に住んでいる女なんて絶対的に少ないと思うよ。そろそろ脱却しよう!「それなり」の出来から・・・もう少しだよ。中原さん!


2002年02月26日(火)  バスを待ちながら ジーパーズ・クリーパーズ

 『苺とチョコレート』のファン・カルロス・タビオ監督作、『バスを待ちながら』です。キューバのとある町のバス停に集まってきた人たちが、バスが来ないことから妙な連帯感が出来てきて・・・という内容です。予告編を見る限り、「ほとんどバレバレの話しだなぁ・・・。ビデオスルーにしようかなぁ・・・」と、思っていたら、いつも有力な情報をくれるNさんが「イイですよ〜♪」と言うので行ってきました。なるほどねぇ!上手い!実はこの手のオチ(というか禁じ手)って大嫌いなんです。この映画でも最初「え、マジっすか?そういうコトなのぉ!」とちょっとガッカリしたのですが、その後の描き方がシッカリしているので、かなりツボにきました。そうそう!人生はそんなに甘くないけど、考えようによっては悪くないです。やはり人間は、生きている間は「夢」を見ることを忘れてはいけませんねぇ。

 『ジーパーズ・クリーパーズ』。ツッコミ所満載のおとぼけホラー・コメディ。誰が言ったか知らないが「羽ばたけ半漁ドン」(爆×99) 話しにならん!


2002年02月25日(月)  地獄の黙示録(完全版)

 やっと観てきました。『地獄の黙示録(完全版)』。オリジナル版でカットされていた部分が加わって4時間近い大作なんですが、全く長さは感じませんでした。自分の思考能力が当時よりも多少なりとも向上しているのか、オリジナル版よりも面白かったですねぇ。追加されたシークエンスもフランス人絡み以外は効果的で、『戦争が生んだ狂気』という意味では分かりやすくなってたような気がします。だけんどもしかし!オリジナル版でもそうだったんだけど、どうも最後のカーツ大佐のセリフが語り過ぎなんですよねぇ。あれさえ、無ければなぁ・・・・。それでもこの映画は間違いなく『愛』評価です。


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