Deckard's Movie Diary
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2002年11月18日(月)  ストーリーテリング ウェイキング・ライフ

 人間の愛すべきダークサイドを描き続けているトッド・ソロンズ最新作『ストーリーテリング』。前作の『ハピネス』が強烈な印象だったので、期待にダークサイドを膨らませながら観ました。さてさて今回は・・・見事に外してくれましたなぁ(苦笑)。登場人物やセリフなどは相変わらずの毒気ですが、映画としてのまとまりが悪いんですよ。全体がダラダラ続いてるというか・・・、脚本も面白いし、キャラも悪くないのに、映画としての完成度はとても低い!みたいな感じでしょうか。この辺りが映画の難しいところなんでしょう。しかし!この毒気は捨て難い!次回作に期待します。

 『ウェイキング・ライフ』。監督・脚本リチャード・リンクレイター。2001年サンダンス映画祭で絶賛されたアート・フィルムです。この映画は革新的な映像とトスカ・タンゴ・オーケストラの演奏する音楽。これが全てです。それだけで観る価値を見出せるかどうかがこの映画の評価になるんじゃないでしょうか?オイラはOK!この際、映画の内容はどうでもいいです(苦笑)。まぁ、色んな人が色んなコトについて、しょーもない御託を並べているだけですから、映像に興味を持てない人は心地よく眠る事が出来るんじゃないでしょうか?じゃ、そういうコトで(笑)


2002年11月13日(水)  太陽の雫 ザ・リング チェンジング・レーン

 今週、来週、再来週ってほとんど映画を観る機会がなくなりそうなので、本日は頑張っちゃいます!(やっぱ、バカですかね?)

 まずは“3時間”っつー上映時間から、なんとなく敬遠していた『太陽の雫』です。監督は『コンフィデンス』『メフィスト』でハンガリーを代表するイシュトヴァン・サボー。あるユダヤ系一族の19世紀末からの100年に渡る激動の物語。3時間を飽きさせる事無く見せてくれます。だけんどもしかし!観終わって思うことは「だから、何?」って感じなんですよ。困っちゃうんだよなぁ・・・・こういう映画。別に悪くないけど・・・だから何?まぁ、レイフ・ファインズは素晴らしいですけどねぇ!なんてたって、一緒に観に行った友人はレイフの1人3役が気がつかなかったみたいだし!ってマジかよー!(爆)

 さてさて『ザ・リング』です。「ハリウッド完全リメイク」っていうコピーが散々TVから流れてましたなぁ。いやぁ、まさに看板に嘘偽りなし!良くぞココまでコピーしました!ある意味偉い!本家と比べていいところもあれば、ダメなところもありました。でも、個人的には妙に気に入ってます・・・理由はワカリマセン(苦笑)。ただ、アメリカ人には「怨念」っつー感覚が希薄なんですね。だから、サマラ(貞子)の恨みがわかり辛いのが難点。馬のエピソードがもう少し上手に絡めば良かったのになぁ・・・『世にも怪奇な物語』くらいね。さて、ナオミ・ワッツです。・・・・いいですねぇ(苦笑)。巷で話題になってる誤訳(66回or66年)なんですけど、個人的には「回」のが面白いなぁ・・・・ボソ。

 賛否両論です。『チェンジング・レーン』。うーん、ダメだった!映画としては楽しめます。ちょっとした事故が引き金になってそれぞれの人生(ベン・アフレック&サミュエル・L・ジャクソン)が狂っていくというのは面白いですしね。ただ、その狂い方がねぇ・・・なんちゅーか、ワザとらしい!その上、彼らのやってる事と言ったら、もうバカ丸出し!さらに、周りにいる連中までお話しにならない奴らばっかり!この映画に出てくる人の何人もオイラの人生に近づいて欲しくないですねぇ。挙句の果てにちゃっかり「いい人」になっちゃってるし、まぁ、勝手にやってれば!っつー感じでしょうか(苦笑)。決して、つまらない映画ではないんですけどねぇ・・・・ボソ


2002年11月11日(月)  たそがれ清兵衛 国性爺合戦

 山田洋次、初の時代劇だそうで・・・『たそがれ清兵衛』。これはイイ!監督が隅々まで気を遣っているのがわかります。演出はもちろん、撮影、照明、美術、衣装、音楽。ほぼ完璧です。脚本やキャストには好き嫌いが出るでしょうけど・・・例えば「語り」の形式が良かったのか?とか、ラストはコレでいいのか?とか、宮沢りえはどうなの?とかね(苦笑)。個人的には全く問題なかったです。描かれている世界はいつもの山田洋次の世界です。親子、家族、友人、秘めた恋心。いつもはその要素ばかりでヌルくなりがちな作品も多いのですが、今回はそこに壮絶な果し合いが用意されていて、それが今までの山田にはない緊張感を生んでいます。もう少し、ラストに向かって凝縮されれば良かったのですが・・・。地味ですけど地に足がついた真摯な態度の映画。こういう映画は好きですねぇ。今回の出来を見る限り、山田にはもっと時代劇を撮って欲しかったです。ひょっとすると黒澤並みだったかもぉ♪〜( ̄ε ̄;)。で、敵役の世界的舞踏家・田中泯ですが、素晴らしいです!予告編から「こいつ誰だぁ?」とは思ってたんですが、その迫力たるや、尋常ではありません。今まで何故に映画に出なかったのかなぁ・・・・。欲を言えば、もう少し笑わせて欲しかったです。それにしても相変わらず丹波はいい味出してるなぁ(笑)。

 母親が日本人だからと言って、「日本の英雄」ってのは言い過ぎでしょ(苦笑)。台湾をオランダから開放した英雄・鄭成功の半生記を描いた『国性爺合戦』。この映画のチラシが好みだったもんですから、観に行っちゃいました(苦笑)。監督はチェン・カイコー(陳凱歌)とチャン・イーモウ(張芸謀)と並び称されるウー・ヅーニィウ(呉子牛・『晩鐘』『南京1937』ともに未見)だそうですけど・・・ストーリーテーリングが下手ですねぇ。映画にまとまりない!っつーか、無駄な部分が多いというか、ドッシリした芯がありません。もっと鄭成功の人となりを掘り下げないとねぇ。まぁ、全体的な演出も大時代的ですし、撮影も照明も魅力ないです。だいたい、もっと面白い話になるんじゃないですかぁ?それでもお金はかかってるし、見せ場もそれなりにあります。もったいないですよー!しっかし!鄭成功って大陸を追い出されて、台湾を攻略したもんだとばっかり思ってました。ま、いいか!(爆)


2002年11月06日(水)  至福のとき マドモアゼル

 映画の日です。混んでるのが予想されたので、朝からル・シネマに行き『至福のとき』と『マドモワゼル』の2本を予約してから仕事へGO!お世話になっているエージェンシーが引越ししたので挨拶に!綺麗になってましたねぇ(って、アタリマエか!)だけんどもしかし!守秘義務を優先しているので外来者が簡単に入室出来なくなってるんですよ。最近の流行のパターン。これで、ますますお伺いの出入り業者はヤリ辛くなるワケですな。トホホ。まぁ、なんとかやって行きましょう(苦笑)

 そういうワケで、チャン・イーモウの『あの子を探して』『初恋のきた道』に続く幸せ3部作(だそうで・・・)のトリを飾る『至福のとき』。5万人の中から選ばれた美少女ドン・ジエ(19歳)が主演です。ハッキリ言って相当ヌルいです。ヤッツケ仕事のようなスカスカさとでも言いましょうか、人物描写や話の展開など、ほころびだらけなんですよ。古典落語の人情話のようなストーリーなんですが、古典落語は舞台が江戸時代とかですからねぇ、そんな話は現在では成り立ちませんよ。もちろん(最近の)イーモウらしい素朴な美しさもありますが・・・、気になってしまうのは、あまりに多いドン・ジエの下着姿なんです。どうにもこうにも痛々しくて・・・彼女の下着姿にどのような意図があるのか全くわかりませんでした。チャン・イーモウの美少女趣味が度を越しているような気がしたのはオイラだけでしょうか?

 『パリ空港の人々』のフィリップ・リオレ監督最新作『マドモワゼル』。キャッチ・コピーは「たった、24時間だけの愛のぬくもり。」で、主演は真田広之を野性的にしたような『クリクリのいた夏』のジャック・ガンブランと『イースト/ウエスト 遥かなる祖国』のサンドリーヌ・ボネール。まぁ、要するに・・・見知らぬ大人同士の単なるアバンチュール(最近使わないなぁ・・・)の話。コジャレた雰囲気で繕ってはいるけど、中身はそこら辺に転がっている恋愛映画。もの凄く嘘っぽいんだよねぇ。強引にやらされる結婚式のスピーチとかさ!行きずりのバイクの二人乗りとかさ!


2002年11月01日(金)  ゴスフォード・パーク マッスル・ヒート

 アルトマン新作『ゴスフォード・パーク』!もう素晴らしい!としか言いようがありません。上手くて、洒落ていて、大人っぽくて、ちょっぴりHで、シニカルさはスパイス程度に効いていて、まさに、上質の素材を五つ星の腕で料理したフル・コースのようです。非の打ち所のない衣装や調度品の数々、そして完成された完璧な演技。惚れ惚れするような演出の妙を十分に堪能させられました。全てに無駄がなく、ウットリするような時間の流れ。これぞ映画!これぞアルトマン!まぁ、今さらどーでもイイですが、アカデミー作品賞、監督賞はコレでしょう!最後は泣かせてもくれます。

 あのケイン・コスギ初主演作『マッスル・ヒート』。TVバラエティ『筋肉番付』での貢献度を考慮してTBSが作ってくれたような映画です。もちろん、どんな経緯で作られたって構いません。面白ければ関係ないです。監督はCMやクリップ(サザン、B’s)等を手がける下山天。アクション監督は香港のサム・ウォン。ロケーションがいいですねぇ。中々魅力的な場所を使ってます。で、もちろんアクションは見せ場ですから、キチンと見せてくれます。内容はねぇ・・・キャスト的には問題は多いでしょうけど、それでも演出が良ければ誤魔けちゃうんだけどね。中途半端なんだよなぁ。どうせならもっとハメ外しちゃえばいいのに!漫画でいいんだからさぁ。『デッド・オア・アライヴ』のデタラメさを見習った方がいいですなぁ。ナ〜ニ、真面目に作ってるんだか(苦笑)。「感動」とか「涙」とか、誰も求めてない!っつーの(爆)え、ケインですか?まぁ、これからでしょ。


2002年10月31日(木)  木曜組曲 ダーク・ブルー

 なんじゃこりゃ!オレは松田優作か!(すみません)っつーくらいビックリしちゃったシネ・ラセット近辺。なんてたって開演20分前に行って既に超満員状態!列は道にまで溢れて、もう大騒ぎ!元凶は京香、美枝子、靖子、尚美、登紀子、大御所・ルリ子、6大女優?共演の『木曜組曲』。出直して翌週が本日の木曜日(だって1000円なんだもーん)でんがな。それだけ苦労して観た映画だったんですけどねぇ・・・つまらんなぁ・・・。だってさ、ルリ子と登紀子の関係ってナンだったの?それにミートソースは誰がやったの?何故にデビュー作へ書き込みしてるの?わからないコトだらけ!っつーか、それ以前に演出がヘタクソだし、演技がヘタクソだし、特に西田尚美はミスキャスト!どーやっても純文学の作家に見えねー!っつーの!観客をバカにしてんのかよー(苦笑)。アホくさ。良かったのは浅丘ルリ子が見れただけだな・・・ボソ。監督の篠原哲雄の代表作は『月とキャベツ』『初恋』『命』等ですが、個人的には『初恋』が好きなんですよ。他はちょっとねぇ・・・。どうやら『初恋』は長沢ナニガシ(『ココニイルコト』の監督さん)の脚本が良かったようです。これからは期待しません。それにしても、このシチュエーションって、まもなく始まるフランス映画『8人の女たち』に似てるんかなぁ・・・ボソ

 スピット・ファイア(第2次大戦中に活躍した英の飛行機で、あの『パール・ハーバー』にもちょこっと出てきました。)好きなんですよ。あの主翼の形が!何か女性っぽい感じがしてね(苦笑)そういうワケで『ダーク・ブルー』です。『コーリャ 愛のプラハ』で東京国際映画祭GPを獲得したヤン・スヴィエラー監督の新作。『コーリャ』はとても良い映画でしたが、この監督の持ち味であるような「淡々さ(イラン映画に通じるような雰囲気なのかなぁ)」はこの映画ではアダになったようです。決して悪い映画ではありませんし、ストーリーも良く出来てます。だけんどもしかし!何もこちらに響いて来ないのです。空を飛ぶ!ということは「夢のある現象」で、例えそれが戦争中であっても、そこにロマンがあって欲しいと思うのは男だけなんでしょうか?この映画には飛行機乗りが持つ(だろうと思われる)、大空を飛ぶ行為への敬意が全くありません。飛行シーンが良く出来ていただけに残念です。


2002年10月29日(火)  トリプルX

 『ワイルド・スピード』より断然面白かったぁー!ヴィン・ディーゼル主演『トリプルX』。こういう映画こそ「楽しんだモン勝ち!」て奴ですね。理屈ぬきに楽しめました。ハラハラドキドキの見せ場満載!雪崩のシーンなんて最高でした。手すりの銀プレートボードも上手いアイデアだったしね。ならずモノ(古い言い方だなぁ(苦笑))が国に利用されるシチュエーションは決して新しくありませんけど、ここまでシークレットエージェント風に作り上げてるパターンってのは珍しいんじゃないですか。出来れば続編も観たいです。『ウラ007』の道まっしぐらぁ〜!。なんてたって自分で名乗らなくても「あんたぁ、ザンダー・ケイジだろ!」って言われちゃうくらいですから、既に超えてます(何を?)タイトルバックまでも妖しい雰囲気で楽しいいよー♪


2002年10月25日(金)  9デイズ

 ナンだか怪しい噂が飛び交っていたジェリー・ブラッカイマーの新作『9デイズ』。怪しい噂というのは「コレってコメディだったんですね。」って言葉を聞いてしまったんで、予告編の印象からは全くそういうイメージが無かったものですから、ちょっとビックリしてしまったんです。まぁ、観てわかりましたよ。まさに全てが中途半端な映画!眠たかったなぁ。だいたい、アンソニー・ホプキンスにアクションとかやらすなよ!無理だし、観てて辛いし、いくらなんでも掴み合いで若いテロリストに勝てっこないでしょ(苦笑)。ホテルの銃撃戦とかもいい加減だったなぁ(呆)。良かったのはトレバー・ラヴィンの音楽くらい・・・って、またかよ!えー、良かったのはテロリストが最後に発するアメリカへ向けてのセリフですね。監督はジョエル・シュマッカーですけど、一作一作が全くバラバラですねぇ。内容はもちろん、出来不出来もね(苦笑)


2002年10月24日(木)  テキサス・レンジャーズ

 木曜1000円に釣られて『木曜組曲』を観に行ったら、20分前で長蛇の列で、ラ・セット前の通りはもう大騒ぎ!唖然としながらも冷静に標的を『テキサス・レンジャーズ』に変更。いやぁ、ヌルかったなぁ!この映画。平々凡々なストーリー&キャラに、退屈な演出。いやぁ、ヌルかった(爆)まぁ、ある程度、予想はしてましたけどね(苦笑)でも、久々に西部劇が観たかったんですよぉ。良かったのはトレバー・ラヴィンの音楽くらいですかね。それから個人的にはどーでもイイんですけど、レイチェル・リー・クック・・・口が曲がってましたよ(爆)


2002年10月23日(水)  群青の夜の羽毛布

 『恋愛中毒』等で、OL層に人気のあるらしい直木賞作家(『プラナリア』で受賞)山本文緒の原作『群青の夜の羽毛布』です。主演がヘタッピィな本上まなみですし、全く観る気はなかったのですが、監督があの『がんばっていきまっしょい』の磯村一路と聞いて、急遽行ってきました。レディースデイってコトもあったでしょうけど、噂に違わぬようで、観客の95%は女性でした(苦笑)。映画は全編を明暗の差のないライティングで覆って、どんよりした空気感を出すのには成功していますが・・・だから何?厳格な母親に抑圧されて生きてきた娘の自立の話。藤真利子演じる母親は、とても正気とは思えませんし、全編がうそ臭いエピソードの羅列で全く理解し難いストーリーでした。物語を作る為に、わざわざ現実離れした人たちを登場させるような手合いは苦手です。しかし相手役の鉄男君があの『ウォーター・ボーイズ』の玉木くん(アフロヘアで頭に火がボーボーの彼)だったんですねぇ。全くイイ男になっちゃって!このー(笑)


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