Deckard's Movie Diary
indexpastwill


2003年01月14日(火)  SWEET16

 TBSの『9・11』で「ふざんけんなよ!」って言いたくなったケン・ローチの新作『SWEET16』。例によってイギリスの低所得者層の話しです。主人公は複雑な家庭環境の15歳の少年。悪い映画じゃないです。まぁ、それはローチのいつものコトなんですけどね(苦笑)で、だからぁ?って感じもしちゃうんですよ。つまり、登場人物があまりにスレテオ・タイプなんで「はいはい。ふむふむ。そうね。で、そうなるのか。やっぱり!で、終るのね。」って感じなんですよ(わっかるかなぁ・・・こんな表現で)。ある意味安心して観てられますが(描いてる内容はそんなモンじゃありませんが・・・)、逆に言えば人間的な奥行きが感じられないんです。それが自分的には「だからぁ?」ってなっちゃうんです。長く生きてるとこの手の映画やドラマに幾度となく接しているので、今さらこの程度ではなぁ・・・だからと言ってこの映画を否定する気もありません。だって悪い映画じゃないですから。個人的にはアレだけ息子に慕われても、ダメな男に走る母親が主人公の方が興味深い映画が出来たと思います。しっかし、考えてみれば主人公が、どーしてあんなに母親を慕っているのか意味不明ですけどね。少年の心を美しく捉えすぎだからピンと来ないのかなぁ・・・?ひょっとしてケン・ローチって女性だったりして〜(爆)それにしても、わかんねー英語だなぁ・・・・ボソ。


2003年01月10日(金)  クライム&ダイアモンド

 昨年、シネマメディアージュで公開されてた『クライム&ダイアモンド』を新橋文化で観賞!シネマメディアージュって、個人的にどうにもこうにも観に行く気がしません。特に意味はありませんが(自爆)で、この映画はその時に評判が良かった作品でした。そういうワケで二番館の新橋文化に来るのを手薬煉引いて待ってました(シネマメディアージュでロードショー公開された映画は3ヶ月後くらいに新橋文化へ降りてくるパターンになってます)。感想は?こういう映画は大好きです!一言で言うと『映画好きの優しいタランティーノ』みたいな作劇です。全体的にスムーズさに欠けるのが残念なんですけど、そういうコトも許したくなっちゃう微笑ましさがこの映画にはあります。それもこれも趣味『映画』を上手に絡ませてるからなんですが(今時珍しくないんですけどね・・・)、それだけでなく、この映画そのもののストーリーが非常に映画的なんです。その辺りが魅力的であり、分り辛くもある・・・というコトなんです。ティム・アレンを筆頭に役者陣も可愛らしいですねぇ(って、こういう表現でいいのかぁ?)。監督のクリス・バー・ヴェルは今作がほとんどデビュー作みたいですけど、ちょっと応援したくなりました。とにかく嬉しい映画でした。


2003年01月09日(木)  AIKI Jam Films

 年末に時間を間違えて観られなかった『AIKI』に再度チャレンジ!チャレンジして良かったぁ!コレはけっこういいですよ。まずですねぇ、脚本がしっかりしてると思いました。身障者の下半身事情とかキッチリ描いてるし、ラストもさらに前向きな終り方で好感が持てました。それに役者陣も適材適所(加藤晴彦のボクサー役は笑ったけど・・・)だったし、何より石橋凌が良かったですねぇ。これも内助の功なんかなぁ(笑)ただねぇ・・・ラスト前、盛り上げる為にいきなりマンガになっちゃうんだよなぁ・・・。これが、しょーもない!何でこんなシークエンス入れちゃうんだろ?全く理解不能!残念でした。因みにモデルは実在のデンマーク人だそうです。豪華カメオ出演があり。(なんか「空き室あり」みたいだ(爆))

 そんでもってお隣で上映していた『Jam Films』。「日本映画史上前代未聞、誰も見たことがない新しい形のコンピレーション・ムービー」だそうですが(爆)、観なくても良かったなぁ・・・ボソ。では端から簡単に

『the messenger −弔いは夜の果てで』(北村龍平)
話は大して面白くないが、監督の力量を感じさせる緊張感ある演出(好)。

『けん玉』(篠原哲雄)
全く面白くないし、ズルズルの出来で7本の中で最低(恥)

『コールドスリープ』(飯田譲治) 
これも全く面白くない!出来損ないの『世にも奇妙な〜』風(恥)

『Pandora ―Hong Kong Leg―』(望月六郎) 
これもどーでもいい!何をやりたいのか全く意味不明(汗)

『HIJIKI』(堤幸彦) 
良くも悪くも堤らしい作風。ただ、狙いすぎが鼻につく余計な演出がウザイ(暇)

『JUSTICE』(行定勲)
小生の嫌いな行定!だけんどもしかし!この短編は最高!これが一番面白い!演出も実に分りやすく素晴らしい!見直したぞ!(愛)

『ARITA』(岩井俊二) 
ある意味これが一番、作家性を感じさせてくれたかもしれない。岩井でしか出来ない世界であるし、彼しか考えない世界。面白いかどうかは見る人次第だけど、明らかにセンスを感じさせる一品(好)

っつーことで、どうなん?この試み!という疑問は残ったなぁ・・・ボソ


2003年01月08日(水)  8人の女たち

 予告編の印象からスルー予定だったんですけど、あまりに皆から「面白いよ〜ん( ̄― ̄)ニヤ…」なんて思わせぶりなフリをされてしまったので観に行ってきました。『8人の女たち』。ま〜ま〜まぁねぇ!(爆)まぁ、面白いじゃないですか・・・。ヘタクソな歌や踊りも、そういうことならいいかぁ!みたいな・・・チャランポランな雰囲気を全編に塗した演出の勝利!って感じでしょうか。この監督(フランソワ・オゾン)は力ありますねぇ。上手いですよ。この手の映画が苦手なオイラは、ちょっと眠たくなりましたがそれなりに楽しみました(>_<)アチャ!


2003年01月06日(月)  ギャング・オブ・ニューヨーク

 さて、今年の初観は本来ならばとっくに完成してるはずだったスコセッシ入魂の作品『ギャング・オブ・ニューヨーク』!例の貿易センター崩壊の影響を受けたワケです。最近のスコセッシはどうなん?と思わせるような作品ばかり作ってましたから、かなり期待度低めの設定で観に行ったのですが・・・いやぁ!けっこういいじゃないですかぁ!絶賛というにはモノ足りませんが、最近のハリウッドの小賢しい映画よりも断然人間味を感じさせてくれます。人間味というより人間力かな?作家のエネルギーを感じさせるという意味では、作品の出来不出来に関係なく、大作と言われた『グラディエーター』や『パールハーバー』よりも血湧き肉踊る気分にさせてくれます。惜しむらくは恋愛部分が退屈だし、必要性があまり感じられません。まぁ、映画会社の戦略で仕方なく撮ったんじゃないの?な〜んて見方もあるくらいですから(笑)。それと最後の広がりとしてはもっと具体的にギャングの歴史のような方向へ導いてくれた方が良かったかもしれません。それにしてもダニエル・デイ=ルイスは素晴らしい!


2002年12月31日(火)  いろいろありましたぁ!

 さて、今年も終わりです。毎年、時が過ぎるのが早くなりますけど、今年は格別早かったです。何故か?例によってワカリマセン(自爆)ただ、大きな要因の一つに、ネットで知り合った人々と楽しい時間をたくさん過ごせたコトがあります。やはりネットというのは面白い!素敵な人がたくさん居ます。まぁ、嫌な人も居ましたけど(>_<)アチャ!気になったニュースはワールドカップ日韓共催、拉致問題、米でのスナイパーテロ、チェンチェン武装勢力の劇場占拠、北朝鮮の亡命家族拘束、田中真紀子更迭、様々な偽装工作辺りかなぁ・・・。個人的にはこの不況なのに、どーにかこーにか会社が乗り切れた事は嬉しいコトでしたね。まぁ、今年良かったから来年は安泰ってコトではありませんし、先行き不安ですけど、なるようになるさ!ってコトで、今年も皆様宜しくです〜m(_ _)m あ、因みに観賞本数は219本でした。


2002年12月26日(木)  キス・キス・バン・バン スコルピオンは恋のまじない

 いやぁ・・・大失敗!『AIKI』を観に行こうと思ったら30分も時間を間違えちゃって・・・・結局、観られませんでした(>_<)アチャ!で、気を取り直して予告編で思いっきり気に入ってしまった『キス・キス・バン・バン』です。この映画は絶対もっと面白くなります!断言します!ストーリー、キャラ、役者、音楽、インテリア等、全てが魅力的!なのに!!!ぜ〜んぶズれちゃってるんです!つまり、歯車がぜ〜んぶズれちゃってる!上手く噛み合ってません。だから、ブレーキがかかる!かかる!(苦笑)本当にもったいない!かつては名うての殺し屋だった主人公を演じるステラン・スカルスガルドも、33歳の子供を演じるクリス・ペンもいい味出してますよー!音楽は『唇からナイフ』のジョン・ダンクワース!ひゃー!あー、もったいない!ステュワート・サッグ(←監督)のバカ!バカ!バカ!バカ!

 というワケで百戦錬磨のウッディ・アレン新作『スコルピオンの恋まじない』。こちらは上手いですねぇ!まさに職人芸!人間国宝!割り箸(手作り)作って50年!って感じでしょうか!非の打ち所のナイ出来ですね。何も言うコトはないです。お金を払った分だけは楽しめますし、ウッディ・アレン節は満載です。アレンの動き(コメディアンとしてのね)は前作の『おいしい生活』よりは際立っています。ヘレン・ハントもどうなのかなぁ?って思っていたんですけど、さすがウッディ・アレン!相手を生かしながら、自分が美味しいところを持っていく術を熟知しています!だけんどもしかし!そういう監督ですから自然とレベルは高くなっちゃうんですよ。そういう意味では及第点ですが、それ以上でも以下でもない!普通に笑えて楽しめる。安心して観ていられる映画です。


2002年12月25日(水)  ゴジラXメカゴジラ マーサの幸せレシピ さざなみ

 『ゴジラXメカゴジラ』・・・呆れ返るほど穴だらけのストーリー!役者の学芸会的演技が延々と続くし、子供は可愛くないし!どう考えても併映の『とっとこハム太郎』の観客レベル(幼稚園児〜小学校低学年)に合わせたとしか考えられないショッパイ内容でした。釈ちゃんもさ、美人過ぎるのは仕方ないにしろ・・・もっと日に焼けてないとなぁ・・・。冒頭の雨中の対ゴジラ戦なんかけっこういい画だし、メカゴジラの誕生過程も面白いのになぁ・・・・情けなくなっちゃうよ!

 前半は良かったんですけどねぇ・・・・『マーサの幸せレシピ』。後半は見事に失速!まるで電子レンジで暖めた料理のように急激に冷めてしまいました(苦笑)。食べるコトに無頓着な一流料理人(そんな奴いるんか?)って設定は女性シェフらしい感じがするので(個人的な勝手な思い込みです)、その辺がドラマのラストへ繋がっていけば良かったんじゃないかなぁ。途中から料理なんて関係ない方向へ流れてしまったのが残念でした。劇中に流れるキース・ジャレットがいい味出してるんですけどねぇ・・・。あ、そうそう!料理シーンは『ディナー・ラッシュ』より美味しそうでしたよ。

 『鉄塔武蔵野線』は評価されているらしいCMディレクター長尾直樹の新作『さざなみ』。何処ぞの新聞か何かで好意的な記事を目にしたので観に行って来ました。ふふん!超つまんねぇー!なんじゃこりゃ!一番嫌いな邦画のパターンだったわ(爆)独りよがりもいいところなんだよねぇ!チラシや解説を読まないとほとんど意味不明!何をダラダラやってるんだよ!としか感じませんでした。どうも広告出身の監督というのは一枚の映像や、寡黙な人物描写に過大な期待をし過ぎてるんじゃないですかねぇ?「愛してる」とか「好きだよ」とかを言えない日本人の男性みたいな映画!なんちって(苦笑)ま、そんなのが好きな人はどうぞ!ところで・・・原案が中山加奈子(プリプリのギタリスト)で音楽担当が奥居香(プリプリのヴォーカル)って・・・なんか関係あるんかなぁ・・・・ボソ


2002年12月21日(土)  中国からの贈りもの

 中国人留学生の日本での日々を記録し、3本の傑作ドキュメンタリーを制作してきた張 麗玲さん。今回の『中国からの贈りもの』は彼女自身が主役です。「中国人留学生のドキュメンタリーを作りたいんですが・・・」と、突然フジテレビを訪問した1995年から始まり、中国で10話連続のドキュメンタリーとして大成功した99年、そして現在。7年に渡る彼女の奮闘振りが描かれます。17歳でスカウトされ中国では女優として活躍、その後22歳で日本へ、1年で日本語検定を突破して、学芸大大学院を卒業。大倉商事に入社してOLのまま、フジテレビを訪問。親族、親友を巻き込んで、いくつもの困難を乗り越えながら、初心貫徹!それにしても、凄いなぁ・・・。中国でノホホンと女優をやってれば何の苦労も無かったろうに、日本ではOLと二束のわらじですから、毎日仕事が終ってから寝る時間を惜しんで撮影、休みの日は当然早朝から撮影。2年間休み無しで働いて、挙句の果てに入院。妹も、友人も入院。「日本での留学生たちの日々を、どうしても中国の人々に伝えたい」という思い込みが彼女を動かしているんでしょうけど、そのエネルギーは尋常ではありません。彼女が日本で作った3本、『小さな留学生』『若者たち』『私の太陽』の主人公たちもそうでした。彼等は日本人が遥か昔に忘れてしまった、目標に向かってひた向きに生きる『力』に溢れ、充実した毎日を過ごしていました。日本で放映された3本はいずれも素晴らしいモノです。もしどこかで接する機会がありましたら、是非ご覧になって下さい。これからも彼女の活躍が楽しみです。


2002年12月20日(金)  CQ 夜を賭けて

 フランシス・フォード・コッポラの息子でクリップやCMで活躍中のローマン・コッポラのデビュー作『CQ』。つまんねぇー!テンポ無いし、テキトーに作ってんじゃねーよ!っつーか、映画舐めてんじゃねーの!メッチャ腹立たしい!こんな映画作って「どうよ?」とか言ってるのかなぁ・・・。はっきり言ってこの映画はダメダメ!映画の中の映画『ドラゴンフライ』のがよっぽど面白そうだぜ!前の回が終って観終わった観客をロビーで待っていたら、友人とバッタリ!友人に「どうだった?」って聞いたら、友人はコブシを震わせており、そのコブシには透明なナイフが見えました。(>_<)アチャ!

 『CQ』の映画を舐めきった姿勢からガラっと一変して、こちらは、マジで命を賭けてるンかい!と思わせてくれるほど気合の入った映画でした。『夜を賭けて』。往年の深作と今村を合わせたようなエネルギッシュな演出でビックリしました。今の小賢しい日本人には絶対作れない映画なのは間違いありません。というワケで、この映画は監督を含め、主要スタッフのほとんどが在日の方のようなんです。ある意味、ワールドカップのベスト4と16の違いなんでしょうか(爆)とにかく下品で猥雑!スクリーンから泥や汗が飛び散って来ますが、生命力に溢れている映画とも言えます。十分見応えのあるパワー!まるでボブ・サップのような突進力でテクニックや理論を破壊して、得体の知れない塊を心の中に作られてしまいました。(逆に言えば、いいのかこれで?みたいな感想もありますが・・・(苦笑))汚い!と、目を背けても別に構いません。それでも多くの人に観て欲しい映画でした。何気に豪華な出演陣も嬉しいですよ。


デッカード |HomePage

My追加