Deckard's Movie Diary
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2004年06月11日(金)  21g

『アモーレス・ぺロス』のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督、最新作にしてアカデミー主演男優、助演男優、主演女優賞の候補になった『21g』です。ひたすら重く暗く、その上恐ろしく魅力の無いストーリー。なんなんですかね?この映画は?目先を変えているだけのカットバック手法にも、いい加減うんざりました。この鬱陶しい梅雨空にお似合いの映画とも言えますが、観たくねぇ〜!っつーの(◎`ε´◎ )ブゥーー!まぁ、予告編からけっこうヤバかったですから、オイラの自業自得ですな(苦笑)。アカデミー賞候補になった3人の演技は見もの(特にナオミ・ワッツが素晴らしい!)ですけどね。脇でクレア・デュバル、シャルロット・ゲンズブールが出ていました(21ヘェ)


2004年06月10日(木)  シルミド

とにかく熱い映画でした。その上、女性はほとんど登場しないので“男臭い”ったらありゃしない!さらに!所謂“いい男”も一人も登場しません(苦笑)。ストーリーは30年以上韓国の歴史に封印されてきた暗い真実を暴く骨太な物語です。主要キャラクターの心情はワンパターンではなく、それぞれが深みのある人物像に描かれています。ただ、日本人のオイラが観ると「何でそうなるの?」と、ちょっとわからないエピソードがあったりして、後半になるとある程度は理解出来るんですが・・・おそらく韓国人の方が御覧になると、日本人にはおいそれとは理解出来ない複雑な感情の動きがあると思われます。気になったのは映像センスが古臭く(30年前の雰囲気を出そうと思ったワケじゃないでしょうけど・・・)全体にチープな印象です。また韓国映画にありがちな映画話法の未熟さというか・・・この映画に関しては、訓練の時間経過があまり感じられませんでした。それでも歴史の闇に葬り去られた彼らの悲惨さ、やるせなさは観ている者にひしひしと伝わってきます。それは明らかに今現在のコリアンパワーの成せるワザなんでしょう!『オアシス』、『殺人の追憶』、そしてこの『シルミド』と映画制作に賭ける姿勢は羨ましい限りです。う〜ん、マジで邦画も頑張ろう!さて『ブラザーフッド』はどうなんだ?


2004年06月08日(火)  デイ・アフター・トゥモロー

『デイ・アフター・トゥモロー』・・・ロスが竜巻に、NYが洪水に見舞われるシーンを大きなスクリーンで観るだけでもうほとんど満足(笑)。物語りはもったいぶることなくさくさくと進み、「おお!すげぇ!」ってな映像を連発してくれます!中盤までに怒涛の迫力映像で十分満足させてくれるので「そりゃオカシイだろ!」なんてツッコミは野暮ってモンです。人間ドラマは平板ですから、旅の途中で“キリストで無言で語り合う”なんてシーンはありません(笑)。まぁ、ブラッカイマーならいざ知らず、なんせエメリッヒなんですから、泣けるわけがありません(笑)。というワケで映画は満足だったんですが・・・劇場入り口で最大級のバカチン竜巻に遭遇してしまい、危うく噴火するところでした(って、噴火しちゃったのか?)

その日は、1時頃に全席指定制を採用している日劇PLEXの1階チケット売り場に到着。4時の回の座席指定券を購入して一旦仕事に戻り、上映の5分前に再び劇場に。館内に入るとオイラが指定した席の前後だけが異常に人口密度が高く「こりゃ息苦しいなぁ・・・」と思い、ふと前方を見るとスカスカなので「これは席を変えてもらおう」と(松竹ピカデリーではなんの問題も無く変えてくれますから)受付に行って変更を申し出たところ・・・
「すみません、この指定席を前方の○列に変えてくれませんか?」
「あのぉ・・・そのチケットの半券にも書いてあるのですが、一度決めた指定席は変更出来ないんですよ!」
「はぁ?例え、そう書いてあっても○列にはほとんど人が座っていませんし、変更するのに問題ないじゃないですか?」
「そう言われましても・・・今のお客様の席の方が観やすいですよ」
「アンタ、何を言ってんの!そんなコトを何でアンタが決めるんだよ!」
「○列ですと、隣に人が居ますよ」
「今の列だって前後左右にギッチリ人が居るよ!そのくらい分かるだろ!」
「ただ、その半券にも書いてありますように・・・」
「席が空いてるか、空いて無いか!なんて、そのコンピュータで即分かるでしょ!指定席の変更なんて松竹では簡単だよ!どうして東宝はダメなの!その理由を教えてくれよ!」
と揉めていたら予告編が始まってしまい、
「お客様、大変申し訳ありませんが、予告編が始まってしまいました。この○列には通路側に他のお客様が座っております、そのお客様の前を通らないと(予告編の邪魔になる)辿りつけない席に変更する事は出来ません。」
「なんじゃ、そりゃ!意味分かんねー!だいたい、アンタがぐずぐずしてるから、こんなコトになってるんだろ!さっさと発券しろよ!」
で、しぶしぶ発券した席はよ〜く見ると同じ○列でもこちらが希望していた席とは全くかけ離れた隅っこの席!ふざけやがって!だいたい、本編が始まっているのならともかく!予告編なのに「お客さんの邪魔になる」ってどういうコト?だいたい予告編が始まってたってチケット売ってるし、現に何人もの観客が入って来るし・・・自分の言ってるコトがどれだけ矛盾しているのかが全く分かってない!バッカじゃないの!全く説得力無し!結局はそんな指定席券を無視して○列の観易いところで観ましたけどね。もちろん!誰も来ませんでした。しっかし、よくもまぁ、こんなアホ社員を東宝は抱えてるよなぁ・・・。

映画が終わって、劇場を出る時にちょいと偉そうな社員の方が居りましたので問いただしたところ・・・
「松竹では指定席の変更が簡単に出来るんですけど、東宝では一度決った指定席を変えるコトが出来ないんですか?」
「そんなコトはありません。ただ、時と場合によっては変更は出来ませんが・・・」
「今の回とかは変更が出来ないような“時と場合”だったんですか?」
「いえ、変更は可能だと思いますが・・・」
「そうですよね!でも、始まる前にスムーズに変更してもらえませんでしたし、挙句に予告編が始まったから云々・・・と、ワケのわからんコトをアソコ(受付を指差して)の女性に言われたんですが!チケットに変更出来ないと書いてある!の一点張りでしたよ。」
「た、た、た、大変申し訳ありませんでした!」
平身低頭に謝ってもらいましたが、どうしてそんな簡単なコトが徹底されていないんでしょうか?マニュアルだけで教育すると馬鹿の大量生産になる!という典型的な例で生み出されたバカチン竜巻に巻き込まれた巻(なんじゃそりゃ)でした。


2004年06月04日(金)  トロイ

『トロイ』です。はっきり言って“トロい”映画です。捻りがなくてすみません。とにかく長いですよ!大作感なんか捨てちゃって2時間程度にまとめておけば良かったんじゃないですか?でもこの映画で一番ダメなのは、ブラピ扮するアキレスのキャラです。どうしてそこら辺に居るようないい人にしちゃったりするんでしょうか?この辺りの描き方が最近のハリウッド大作ってつまらないんですよ!その他のキャラはそれなりの人物像に描かれているのに、肝心のアキレスが中途半端だから腰砕け状態です。だって月星(今はムーンスターとか言うんでしたっけ?)と並んで子供靴で有名なアキレスですよ!もっと強烈なキャラに描いてくれなきゃ、「わ〜い!アキレスの靴だぁ〜!」なんてはしゃいでいた自分がアホみたいじゃないですかぁ!そんなんだったらさっさと木馬を出せよ!


2004年06月02日(水)  クリムゾン・リバー2/黙示録の天使たち

どういうワケかリュック・ベッソンが絡んだ『クリムゾン・リバー2/黙示録の天使たち』です。ベッソンが絡んだんですから、初めから期待値低目の設定で臨みました(笑)。初っ端から意味ありげな殺人が続きますが、物語とはほとんど関係ありませんし、途中からストーリーは良く分からなくなっちゃうし、そんな理由でそこまで身体能力上がるかよ!とか、ラストは“今度はソレかい〜”とか、突っ込みどころ満載です!ドコゾでコージ・パウエルさんが「鷲のマークの大正製薬もビックリな一本ですぞ。」と書いていましたが、まさに座布団3枚の表現です(笑)。まぁ、映画の話しはいい加減にして(オイオイ…( ;・_・)ッ( ゚ー゚)ウキ…)、問題は隣に座った女性(独断推定32歳)です。この女性が信じられないくらい飛び跳ねるんですよ(驚)。まさにボディソニック状態での鑑賞でした(爆)。しっかし、マジであんなに驚く人は初めてでしたよ・・・椅子から10センチくらいは浮くんですよ!!だから「お、いきなりナンか出そうだぞ!」とオイラのアンテナが反応する度に毎回身構えちゃったので疲れましたわ(苦笑)あ、そうそう!懐かしのSTOOGESがガンガンかかっていたのは何故ですか?


2004年06月01日(火)  ヴェロニカ・ゲリン キッチン・ストーリー

職人ジョエル・シューマッカー監督、ケイト・ブランシェット主演『ヴェロニカ・ゲリン』。悪い映画ではありません。一介のジャーナリストが自らの命を顧みず麻薬の元締めを追及する姿勢は頭が下がります。ただ、ドキュメンタリー・タッチで進むストーリーはそれなりに興味深いのですが、ほとんど思い入れが出来ません。単にスクリーンに映し出される出来事を見せられているだけの印象です。30代後半まで一介のジャーナリストだったヴェロニカ・ゲリンが何故、このような危険なネタに手を出したのか?その一番大事な部分がないがしろなので、イマイチ彼女に感情移入出来ませんでした。つまり、そこまでやるのかよ!と頑張るヴェロニカ・ゲリンの動機が理解出来ないのです。子供たちが麻薬に犯されている事実に目を背けられなかった・・・というのなら、それまでの人生でそのコトを知らなかったワケじゃないと思いますし・・・オイラの思い過ごしかもしれませんが、“何か”彼女を駆り立てたモノがあるのではないでしょうか?その辺りの突っ込みが甘く、またヴェロニカの家庭の描き方もまた中途半端で、四苦八苦している彼女がどうにも浮いて見えてしまいました。ケイト・ブランシェットは相変わらず素敵なのですが・・・。ところで、この実話はつい最近のコトだったんですねぇ。全く知りませんでした(⌒o⌒;A しかし、こういったストーリーを探してくるジェリー・ブラッカイマーは相変わらず目が利きますねぇ(笑)。余談ですが、カメオ出演している人物の刺青が笑えます。


世の中には落ち着きのない人が居て、何もしないでボーっとしているコトが出来ない!例えば、休みの日でも何かしていないと落ち着かないので、用も無いのに家の中をウロウロしているような輩です。当然、最近流行のライフ・スタイル“スローライフ”なんてモノは苦痛以外のナニモノでもありません。つまり!そんな無粋な奴には、この映画のような“ほのぼの/ほのぼの/ほのぼの”のようなリズム(どういうリズムだよ)で進む作品は苦手だったりします。というワケでノルウェー、スウェーデン合作の北欧映画『キッチン・ストーリー』です。一緒に観た友人が、終わって「コレってキン・ザ・ザやミラクル・ペティントと同じような雰囲気だったわ」と言ってたのですが、まさにその通りです。ヘンテコなストーリーを大真面目に描きながら人間が本来持っている滑稽な部分をゆったりした時間の中でホンワカと描いてみせます。だから、“面白い!”と言っちゃあ〜面白いのですが、マッタリ系のヘンテコさなので“眠い!”と言っちゃあ〜眠い映画でした。嫌いなセンスの映画ではありませんが、上記に書いた落ち着きのない人間の典型であるオイラには(>_<)アチャ!な作品でした。


2004年05月31日(月)  下妻物語 深呼吸の必要

「あ、これパパ好きだよ!ウ○コー!」と叫んだのは、左斜め前方に座っていた親子連れ(母と小学生の姉妹)の長女(小学3年生くらい?)でした。慌てた母親は鬼の形相で娘を睨み付けて激怒!上映前の半分薄暗くなった場内で映し出される広告映像には“ウ○コ”の影も形もありませんでしたが、まさか、右斜め前方の渋谷系女子二名がズルズルやってたレンジでチンのスパゲティ(おそらくボンゴレとミートソース)の匂いを勘違いしたとか?とまぁ、普段のシャンテ・シネ劇場からは想像も出来ないキャラで埋まった、そんな不思議な空間で観るには最適な映画でした(笑)予告編で「寒ぶ!」っと、感じたギャグも全編を通して見ると全く寒くありません(笑)。原作は漫画(未読)ですが、この作品は“漫画”という(原作に合っているかどうかではなく)世界観を十二分に反映した類稀な傑作となっています。ガンマ値を上げた映像に濃いキャラが寒ぶいギャグを連発!ともすれば、ただ疲れるだけの映画になりがちなのですが、そんな心配は無用。観客は気持ち良く空を浮遊出来ます。観終わった後には、まるでサッポロ黒生で山崎努との卓球に勝った豊川悦司のようなガッツポーズ(中島哲也演出CM)をしたくなります(苦笑)。深田恭子はイっちゃってるキャラとかは天然に上手い(なんだこの表現)んですが、ラストで未熟さを露呈してしまったのは残念でした。映画初出演になる土屋アンナは演じやすいキャラだった事を差し引いても魅力的です。脇を固める役者陣も的確な演出に恐ろしくハマっており、どいつもこいつもメチャメチャヤバイ(誉め言葉(苦笑))です。しょーもないギャグやしょーもない登場人物ばかりですが、キッチリとケジメもつけているのでホロっと来たりなんかしちゃって・・・(⌒o⌒;A とても欲張った作品ですが全体のバランスが良いので全く違和感が無く、ゴテゴテしたデザインなのに品の良さを感じさせるドレスのようです。エンディングで聞こえてくる往年のジャパニーズ・ロック・ナンバーも好感触♪中島哲也監督は少なからず縁のある人なのですが、彼にこういったセンスがあるとは思っていませんでした。中島氏(巨漢。咽頭が弱くダースベイダーのようにいつもスーハースーハー言ってる。口癖は「オレの後ろに立つな!」ってゴルゴ13かよ!)の長編映画は『夏時間の大人たち』『ビューティフル・サンデー』に続いて3本目ですが、初めてのメジャー作品で傑作をモノにしました。『踊る世界の中心で〜』みたいな作品ではなく、こういう映画こそ世界配給して欲しいもんですなぁ。でもって、タランティーノの次回作『キル・ビル外伝』(←大嘘)でリスペクトしてくれれば最高なんだけどなぁ(って、そりゃないだろ!)


どうにも相性の悪い篠原哲雄監督ですが“サトウキビ刈り”になんとなく惹かれていた(苦笑)『深呼吸の必要』。「まぁ、どうせ“それなり”だろう・・・」と期待値低目でTRYしたのが功を奏したのかもしれませんが、とても気持ちの良い映画でした。ストーリーには予告編以上のモノは何もありませんが、邦画にありがちな必要以上なウェット描写は無く、全編を通して潔くアッサリと描かれており(良い意味で寡黙)好印象でした。というワケでダメな作品では無かったのですが、もうひとつ足りないんですよねぇ!もう一捻りして欲しいと言うか、ルックスも正確も悪くないんだけど、イマイチ“華”が無いという感じです。だいたい「出会いと感動があるから旅が止められない・・・」なんて、陳腐なセリフが出てくる時点でドラマが浅くなっちゃうと思うんですけど、登場人物もありがちなキャラクターばかりというのもなぁ・・・もう少し頑張って欲しいモンです(ホント、コレばっかりだわ!)。個人的には(好)ですが、一般的には(暇)という感じでしょう。長澤まさみはこの作品でも好印象でしたが、相変わらずマイ・ラバは下手くそですなぁ〜(笑)


2004年05月26日(水)  コールド・マウンテン

<ネタバレしています>

公開前から期待していた映画でしたが、ロードショーが始まって即観に行った友人二人がそろって「トホホ」と唸っていたので「あんれまぁ〜!スル〜にすっべか!」とホッタラカシにしていたら今週で終わり!ってんで、やっぱレニーのアカデミー助演女優賞演技は観とかなアカンなぁ・・・と一念発起してレディースデイにも関わらず観てきました(´―`)┌ふー(って、文章長いよ!)なるほど!「トホホ」という気持ちも分かりました。つまり、この映画は起承転結の“起”の部分が著しく短く“承”が異常に長いんですね。追跡調査をしたところ“起”の部分のシーンは全部で20シーン程度あったそうですが、半分以上がカットされたそうです。凡例を挙げますと、エイダ(ニコール・キッドマン)が弾くピアノの音色が聞こえてくる中、バルコニーで「彼女は何も知らないで育った娘なんだ・・・君が支えてくれると嬉しいんだが・・・」と父(ドナルド・サザーランド)に頼まれるインマン(ジュード・ロウ)とか、雑貨店で買い物をしていると「戦争になりそうだ・・・」という話が聞こえてきて思わずインマンの手を握り締めてしまうエイダとか、「キスをする時って鼻は邪魔にならないのかしら?」とインマンに尋ねるエイダとか、雨宿りの小屋で服を乾かす二人とか(笑)。まぁ早い話、エイダに会う為に脱走兵として追われながら山あり谷ありの長い道のりを文字通り這ってでも帰ろうとするインマン、そして周囲の「あいつはもう死んでいる」という言葉に耳を傾けず、ひたすら待ち続けるエイダ。そんな健気な二人の結びつきが“起”の部分を端折りすぎている為、観ている方にしてみれば思い入れがし辛いです。結局は相手への純粋な思いと言うよりは、過酷な現実の中で生きる糧にしているだけなんですけどね。で、レニーですが、これは素晴らしかったです!何も言うコトはありません。またニコールのインマンと再会した時の表情もとても良かった!ジュード・ロウって髭やら長髪やらで全く人相が変わるんですね(苦笑)。誰?この人?って、何度も思っちまいましたΣ( ̄□ ̄;) まぁ、全体を通してフラフラしている映画でしたが、好きな作品であるのは間違いありません。それにしても色んな人が出ていたんですねぇ、全く知らなかったのでフィリップ・シーモア・ホフマンとかナタリー・ポートマンとか出てきた日にゃ得した気分になっちまいました(爆)


2004年05月25日(火)  レディ・キラーズ

55年の『マダムと泥棒』のリメイク作品『レディ・キラーズ』はコーエン兄弟の新作でもあります。『マダムと泥棒』の主演はアレック・ギネスで、共演のピーター・セラーズが「アレック・ギネスって本当にコメディが上手いなぁ・・・」と感嘆したとかいう話がありましたが、今回のトム・ハンクスはアカデミー賞男優丸出しの怪演です(苦笑)。まぁ、トム・ハンクスに限らず残りの4人も濃ぃ〜キャラを作り出しているんですけどね。もちろん、映画自体も鬱陶しいくらいコーエン・コーエン(なんじゃ、そりゃ)しています。良くも悪くもコーエン節が炸裂していた『オー・ブラザー』『バーバー』に比べ、前作の『ディボース・ショウ』は口当たりが良過ぎてガッカリしていた諸兄にも今作は拍手を持って迎えられるでしょう。また、月1本程度を御覧になる映画ファンにも十分楽しめる作品になっていると思います。でもって、オイラみたいな捻くれモンは「なんだかなぁ・・・」となっちまう仕上がりなんですよ(自爆)。だからね“面白い”っちゃ、面白いんですけど、“なんだかなぁ〜”っちゃ、なんだかなぁ〜なワケですよ(わかんねぇ〜)。あ、そうそう!サントラは良さそうですよ。


2004年05月19日(水)  THREE/臨死

韓国、タイ、香港の3人の監督が“臨死”をテーマに描くオムニバス・ホラー『THREE/臨死』。最初にスクリーンに映し出されるのは『反則王』で手堅い演出を見せた韓国代表・キム・ジウン監督作『メモリーズ』。とにかくドッキリ的“驚かし”ばかりでうんざり!当然のコトながら最大ボリュームのSEを伴いますから心臓に悪いです。この監督の次回作は韓国で大ヒットした『箪笥』ですが、このような演出が2時間も続くのかと思ったら、ちょっと勘弁ですなぁ・・・。またストーリーも意味有り気な描写が続きますが、深いモノは全く無くガッカリでした。二本目はタイ代表。『ナンナーク』『シャンダラ』(共に未見)のノンスィー・ニミブット監督作『ホイール』ですが、これは拙い・・・というか、演出もストーリーも全く魅力の感じない作品でした。途中で何度も眠たくなってしまい困ってしまいました(苦笑)。上記2本は“低予算”が画面にハッキリ映ってしまっているのも難点でしたが、ラストの『ゴーイング・ホーム』は、監督のピーター・チャン(『ラヴソング』)が映画全体のプロデュースも兼ねているので、一番グレード感がありました(って、どういう意味だよ(笑))。まぁ、撮影はクリストファー・ドイルですし、出演がレオン・ライにエリック・ツァンですから、それなりの出来は確保されたようなモンでしょう。前半部、子供の表情で観る者を不安にさせる演出が上手く(子供の表情も上手いんですよ!)、ついつい引き込まれます。ところが、途中から違う話になってしまったような印象です。プロローグ、本編、エピローグ、3つの部分のリンクが甘くそれぞれが別モノに見えてしまったのは残念でした。もう少し脚本を煮詰めて欲しかったですね。主演のレオン・ライは今までとは違った雰囲気を醸し出しており、見応えのある演技でした。最後に流れた歌も上手かったですよ。しかし、国は違えど“ホラー”というジャンルは似たり寄ったりの色彩設定、カメラアングル、編集なんですねぇ・・・ボソ。


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