Deckard's Movie Diary
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2004年07月23日(金)  ゲート・トゥ・ヘヴン

酷暑の中、長い坂道の登って汗だくになりながらようやく辿りついたシアター・イメージ・フォーラム・・・(´―`)┌ ヤレヤレ…と、な、なんと入り口近辺(狭いロビーを含む)が人々で埋まっているではあ〜りませんか!マジかよ!そんなに人気あるのかぁ・・・と思っていたら、別スクリーンで上映されている“シュバンクマイエル映画祭”の開映を待ちわびる皆さんでした!しっかし、そんなに人気あるんですかぁ?ふ〜ん・・・・さて、気を取り直して(取り直すんかい!(苦笑))、長編デビュー作『ツバル(Tuvalu)』で、時間と空間を超越したチャーミングな世界を作り出し、世界の映画ファンにその存在を知らしめたドイツの新星・ファイト・ヘルマーの新作『ゲート・トゥ・ヘヴン』です。今回は予告編で見る限り、なんてことない普通の映画のようでした。で、案の定なんてことない普通の映画でした(⌒o⌒;A デビュー作が良い意味で特殊な世界観だったので、比べようも無いのですが、今回はあまりに平凡でした。ところどころ彼の持ち味なような部分もあるのですが、どうにもストーリーに魅力がありません。まぁ『ツバル』もストーリーは平凡でしたが、その世界観で独特な魅力がありました。今回も一見面白そうに見える設定(飛行場内で起こる物語)なんですが、意外と膨らみません。平々凡々な主役二人のストーリーにするよりも、興味深い脇役達をもっと生かした方が良かったんじゃないでしょうか?今作を観る限り、ファイト・ヘルマーという人は普通の映画を作ろうとしない方がイイんじゃないですかね(そんなぁ〜(笑))。併映の短編『窓拭きの男』の方が色彩感覚にしてもアングルにしても本編よりもズーっと魅力的でした。


2004年07月16日(金)  ウォルター少年と、夏の休日

全く観る気が無かったのですが、オスメント君は\(^-^\) (/^-^)/オイトイテ…ロバート・デュバルとマイケル・ケインの共演はちと気になっていましたし、『アイアン・ジャイアント』の脚本家ティム・マッキャンリーズが脚本を書いているし(今回は監督までしているんですが)、邦題の『ウォルター少年と、夏の休日』にはな〜んも反応しなかった頭が原題の『SECONDHAND LIONS』にはホっとけない何かを感じ取ってしまい、結局は観に行ってしまいました(苦笑)。登場人物もストーリーも設定も全てがステレオ・タイプな映画でした。もちろん!それでも面白い映画は多々ありますが、コレはな〜んもありません(笑)。とにかくヌルいです。山も谷もやたら低くてサンダル履きで十分!やたらとショットガンをぶっ放すのもナンだかなぁ・・・。


2004年07月15日(木)  69

ふっくら炊きあがった銀シャリにオホーツク産の紅鮭、伯方の塩と有明産の海苔を用意(どっちの料理ショーかい!(笑))して、さあ!美味しいおにぎりが食べられるぞぉ〜♪と思ったら、握っているのは5歳の子供かよ〜!みたいな映画でした(笑)つまり、素材の良さに演出が追いついていません。目の前に出されたおにぎりを食べようと手にしたら、バラバラと崩れ落ちるんですよ(笑)。とにかくバランスが悪く塊としてまとまっていません。

それでも、魅力的なシーンは少なくなく、例えばオープニング・シーンから♪ホワイト・ルームがド〜ン!と響いてくる流れなんぞ、同時代を過ごしてきたオイラには随喜モノですし、“YAMAHA”と“YAMASE”の間違いとか、けっこうツボだったりします。あの頃はまがい物が多かったんですよ(笑)。クセのあるキャラクターを演じる役者陣も力一杯頑張っているのですが、最後までちぐはぐな印象は拭いきれませんでした。最初のバリ封のシーンとか、ちょっとやり過ぎなんですよねぇ・・・、だから、気持ちが引いちゃったりします。まぁ、その辺りの受け取り方はこちらが歳を取り過ぎたからかもしれないんですけどね(苦笑)。映画のキャッチは“青春とは、ハッタリである。”というモノなんですが、結局はデタラメにしか見えなかったんですよ・・・う〜ん・・・もったいない!(またかよ(苦笑))また博多弁の台詞も聞き取りづらく、ちょいとマイナス。

それでも個人的にこの映画のコトを悪く言うコトは出来ません(笑)。それは描かれている世界があまりに懐かしく、スクリーンに映し出されるシーンの数々が心の中にスルスルと入り込んで来て、小生の琴線をチョーキングしまくるからなんです。だって全くの同世代なんだから仕方ないっしょ(笑)。『1980』も懐かしかったけど、こちらは1969年ですからねぇ!これだけ当時のネタを振られれて平常心で居られるほど人間が出来ておりませんので、アタクシ(自爆)

それにしても観客の9割を占めている若年層は初っ端から出てくる奥村チヨに始まって、夜明けのスキャット@由紀さおり、クリーム、ツェッペリン、狼少年ケン、11PM、平凡パンチ、ゴダール等等、全く知らないだろうに観ていて面白いんかなぁ・・・?70年代名作映画(スパイダーマンに続いて(謎))の名シーンのパロディも入ったりしますしねぇ・・・他人事ながら心配になってしまいます(笑)。音楽もあの頃のサウンドを上手い具合にパクっていて、印象的でした(そんなんアリ?(苦笑))。


2004年07月13日(火)  スパイダーマン2

7月に入って2本目(ひょえ〜)は予告編からかなり期待していた『スパイダーマン2』。これは凄い!もう至れり尽くせりの大盤振る舞い!エンターテインメントの極地!いやぁ、堪能しました。全てに前作を越えてパワーアップ!あちこちに挿入されるコネタも違和感なく溶け込んでおり映画の巾を持たせるのに成功しています。また、メイおばさん(今回は大活躍!)の言葉も分かりやすく説得力十分!何気にホロっとさせてくれます。間違いなくサム・ライミの最高傑作と言えるでしょう!20年前に『死霊のはらわた』と撮っていた監督とは思えませんが、かのピーター・ジャクソンにしたって今や『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソンですから、なんら不思議はありません(笑)。まぁ、カメラ目線のスクリーミングを観る度に“三つ子の魂百まで”なのねぇ・・・という趣もオツなモノです(なんじゃそりゃ)。今回のスパイダーマンことピーター・バーカーは、かの名作漫画『(@@σ パーマン』の須羽みつ夫くんにかなり近いキャラクターに描かれており、好感度も91キロ(67年版)アップ(笑)!最後はどこぞのTVドラマみたいでしたけど、まぁいいです(笑)。しっかし、キルステン・ダンストは年々ヤバくなってると思うんですけど・・・ボソ。あ、そうそう!今年の梅雨はあまりrain drop はありませんでしたなぁ・・・ちょっと面食らいました(謎)。


2004年07月09日(金)  ハリー・ポッターとアズカバンの囚人

・・・う〜ん、結局のところストーリーが良く分からなかったです(苦笑)。本を読んでいる人だったら理解出来るのでしょうが、手に取ったことさえないオイラにはエピソードのほとんどが中途半端で、登場人物がどのように絡んでいるのか全く理解出来ませんでした。当然、ストーリーに入り込めないし、感情移入が出来ないし、何がなにやら(苦笑)。とにかくこのシリーズの最大の欠点は出てくるキャラクターの誰にも魅力がありません。とにかく、どいつこいつも鬱陶しい!ったら、ありゃしない(笑)。どうもこのシリーズの魅力がわからないなぁ・・・単に“魔法学校”っていう設定が面白かった!というだけのような気もしますが・・・・どうなんだろ?個人的には唯一魅力を感じるスネイプ教授で外伝を作ったほうが面白いような気もします。


2004年06月29日(火)  ブラザーフッド

凄まじい兄弟愛の映画でした。男女の愛ではこのような展開の映画もあったと思うのですが、兄弟愛に徹した今作は素晴らしくも哀しい人間ドラマを生み出しました。個人的にはカン・ジェギュの名を一躍有名にした前作『シュリ』をあんまり評価していないので、正直なところ「どうだろう?」と半信半疑で臨んだのですが、『シュリ』でのベタな感性はこの映画では超強力な武器になりました。つまり、弟を思う兄の気持ちが一途で盲目的だったからこそ類稀なストーリーが生まれたというコトです。それはキレイ事と言ってしまえばそれまでですが、家族の序列に厳しい韓国だからこそ描かれた映画なのかもしれません。また、弟を思う気持ちから派生した兄の行動はいつしか人間が本来持っている残虐性まで引き出して見せ、さらに!彼らを取り囲む人々を通して理不尽で哀しい戦いだった朝鮮戦争の真実を垣間見せながら、民族紛争の空しさをも描くことにも成功しています。そういう意味では朝鮮戦争の流れをある程度分かっていた方が良いと思われるので、あまり詳しくない方は事前に知識を仕入れたほうが良いでしょう。戦争映画では付き物のツッコミ所もありますし、戦闘シーン(手持ちカメラが多くて閉口!)が長いのも気になりますが、傑作だと思いました。出来れば、飛来するレシプロ戦闘機はF4UコルセアではなくP51Dムスタングにして欲しかったですが・・・(笑)それにしても「またかよ!」と言われても声を大にして言いたいのですが、最近の韓国映画の熱さは羨ましい限りです。本当に良く出来ていますし、良くぞ作った!と声をかけたい気持ちにもなります。哀しいかな、今の日本に世界の何処に出しても恥ずかしくない大作を作れる力はありません(トホホ)。

因みに、分かり易い『朝鮮戦争』のお薦めサイトです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E6%88%A6%E4%BA%89
このサイト下部の外部リンクにある『朝鮮戦争の経過 全編/後編』。これって分かりやすくていいですよ。フラッシュプレーヤーをお持ちの方は是非!特にビョークの歌に乗せた後半はけっこうイケてます(笑)。韓国の朝鮮戦争記念館には“兄弟の像”というのがあるらしいのですが、この映画はその像からインスパイアされたんでしょうか?その像の意味するとこは“戦場で再会する兄弟”・・・家族でさえ分かれて戦った戦争の悲惨さを訴えているそうです。


2004年06月24日(木)  浮気な家族

『オアシス』で驚異的な演技をみせたムン・ソリが出ているので気になっていた『浮気な家族』です。はっきり言ってダメダメ映画でした。全く必要がないと思われる性描写があまりに多くて閉口しました。おそらくは現代の薄い人間関係を炙り出そうとしたのでしょうけれど、曖昧な人間関係や突然の出来事が雑然と放り出されているだけで一つの話として消化されていません。観終わって、とにかく後味が悪く“嫌悪感”すら覚える映画でした。


2004年06月17日(木)  ビッグ・フィッシュ(2回目)

というワケで『ビッグ・フィッシュ』の2回目に行って来ました。驚いたことに2回目のが圧倒的に良かったです(⌒o⌒;A。どうにもティム・バートンが好きなもんで(⌒o⌒;A、1回目の前回は予告編の眩いばかりの映像を追うだけで終わっちゃてたような・・・(>_<)アチャ!今回はフラットな気持ちで観られました。やっぱり傑作ですね!


2004年06月16日(水)  少女ヘジャル

アカデミー賞外国映画賞トルコ代表作品『少女ヘジャル』。イスタンブールで功なり名を遂げ、今は悠々自適な生活を送っている孤高の老人ルファトと、家族を失ったクルド人少女ヘジャルとの交流を描いた映画です。観ている最中からこの映画には何処か懐かしい匂いが漂っていたのですが、それはデ・シーカに代表されるイタリア・ネオリアリズムの趣でした。音楽の多用や、中盤テンポが緩慢になるのは難点ですが、多くの人に観て欲しい傑作だと思います。

全編を通して付かず離れず、対象を優しい眼差しで捉えたハンダン・イペクチの演出手腕は大したモノで、主演二人が信じられないくらい魅力的に描かれています。特にヘジャル少女役のディラン・エルチェティンの表情は『ボネット』のヴィクトワール・ディヴィソルを明らかに越えており、その輝きは多くの人の心を揺さぶるでしょう。物語は隣人の孤独な未亡人を始め、二人を取り巻く人間模様を垣間見せながら、ゆっくりと確かな歩みでお互いの間の壁が消えていく模様を丁寧に描いています。二人の交流から、TVニュースを見ながら保守派の堅物だったと思われる元判事ルファトの独り言や、クルド人に対して厳しい政策を行ってきたトルコの現在の姿を通して、人類が行ってきた過ちを鮮やかに見せてしまう脚本には脱帽しました。良く言われるコトですが、国家という枠組みの中では黙殺されてしまうそれぞれの事情も、一人一人と触れ合えば理解し合える可能性が高い!という希望を抱かずにはいられない映画でした。時として“小さな愛のかたち”は大勢の人の心を動かすんですよね!クルド人弾圧を行ってきたトルコも今はこういう映画が作られるようになったんですねぇ・・・『少女ヘジャル』の成功はトルコをさらに素晴らしい国へ導く標となるのは間違いないでしょう(願望)。


2004年06月15日(火)  海猿

なかなか前評判の宜しい『海猿』。この原作は“殺し屋1”が読みたくてヤングサンデーをコンスタントに買っている時に接していました。海上保安庁が背景になっている漫画なんて珍しいですから良く憶えています。しかし、2年前にNHKで放映されたドラマ(未見。主人公の仙崎役は国分太一、こちらの方が原作の仙崎のイメージに近いです)よりも、さらに原作からかけ離れたとストーリー&人物設定になっており、全くの別物と言っても過言ではないでしょう。まぁ、それでも面白ければ構いません!

映画は分かり易いストーリーと人物設定に変更されており、所謂“トップガン”モノとして十分楽しめます。目新しい訓練シーン、様々な時間帯をきっちりと押さえた映像、音楽の使い方もメリハリがあり、娯楽作品に徹したテンポの良さは観る者を飽きさせません。監督の羽住英一郎は『踊る大捜査線』で助監督だった人ですが、明らかに『踊る大捜査線』の本広克行監督よりもツボを心得た演出で全体的に垢抜けています。ただ、この結果オーライ!なストーリーはどうなんでしょう?“二人で水深40m、残りの酸素は片道一人分!さて、どうする?”う〜ん、仙崎の行動には納得出来ませんでした。アクシデントに見舞われるチビノリダーの扱いにも不満が残りましたが、この辺りはいかにもTV屋が考えそうなパターンになっています。「なんかさぁ、この辺りで誰か○○しちゃう?」ってな感じでしょうか!まぁ、いいですけどね(苦笑)。また、例によってフジテレビお得意の「所轄の仕事なんてどうだっていいでしょ!」みたいなクソ台詞があって、唖然とさせられますが、まぁ、いいです(こればっかり!)

ところで、この映画の衣装って誰が担当なんすかねぇ・・・確かに加藤あい扮するキャラクターはオシャレさんという設定ですが、幾らなんでもセンス悪過ぎ!


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