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Deckard's Movie Diary index|past|will
日曜から降り続いていた雨がようやく止み、どこまでも気持ち良い青空が広がった水曜日。日向はジワっと暑く、日陰はヒヤっと涼しく本当に心地良いお日和。昼頃までは夏の雲が広がっていましたが、午後になって秋の雲が幾分強くなった風に乗って登場してきて、まるで季節の変わり目を象徴するような一日でした。そんな日に相応しい映画は『雲・息子への手紙』しかないでしょう(笑)。小さい頃から空を見ているのは好きでしたし、雲も大好きです。今の住まいで何が一番気に入ってるかって、それはベランダから東京一面は見渡せる景色以外にありません。近くに高い建物が無いので、台風一過の時にはディズニーランドの花火、貿易センタービル、六本木ヒルズ、新宿副都心、サンシャイン60、富士山がバッチリ拝めます(ちょっと自慢・・・お許しあれ!って、誰に言ってるんだよ(苦笑))。以前は東京タワーもキッチリ見えていたんですが、この下町にも高層化の波が!Σ( ̄□ ̄;) 一昨年に誕生した高層マンションの陰にスッポリ納まっちまいました(>_<)アチャ!とまぁ、そういう環境ですから空もタップリと見えます!これから冬になるにつれて、また様々な空色と雲姿?で楽しませてくれるでしょう♪さて、映画ですが、雲から水蒸気、竜巻、噴火、間欠泉と広がって行くのは悪くないのですが、本来の“雲”の映像が意外と平凡なんで、なんだかなぁ・・でした。(⌒o⌒;A。もっと様々な色や形があると思うんだけどなぁ・・・もちろん、よく撮ったなぁ!というシーンもありますけどね。全体的には平板で、雲好きのオイラでもちょいと退屈でした。雲のパフォーマンスの間に無人の生活空間が映され、そこに息子への手紙の朗読が入るのですが、雲との関係が良く分かりませんでした。女性が観ると多少は違うのかもしれませんが・・・諸行無常の景色かなってな感じでしょうか。
友人と二人で前の回が終わるのをドアの外で待っていた時、エンドタイトルが流れていると思われる辺りで80年代のノリの良いヒットソングが聴こえてきたので思わず友人に「こんな曲を使ってんのかよ・・・なんだかなぁ・・・」とボヤいてたのですが、2時間後・・・この曲がこんなにも哀しく胸に響いてくるとは思いませんでした。とにかく辛い映画でした。その生い立ちからなのか、人より大きな夢を抱き続けた為に歯車の狂った一人の女性の人生。地道に働き、慎ましい生活を選ぶことも出来たかもしれないのに、傍からは妄想としか思えない大きなコトばかりを口にして、いつのまにか連続殺人犯になってしまったアイリーン。ラスト、有名になりたかったアイリーンは最終的には皆から注目を集める存在になったのですが、法廷でのアイリーンのふてぶてしい態度もその心情を慮ると・・・本当に心に痛い映画でした。アイリーンが他のシリアルキラーと一番違う部分は動機です。殺人に絡む感情に“快楽”とか“妙な信仰”とかは一切無く、あるのは防衛と復讐と理想と欲望が入り混じった複雑な肉体的な女心(女性の肉体を持っているだけで生じる様々な出来事に絡む心模様)なんだと思いました。そして、当然ですが、その女心は“男”のオイラには理屈としては理解出来ても、実感としては一生分からないモノなのでしょう。そんなオイラでも、この映画は心に痛く、切なく、哀しく響く映画でした。辛く感じた要因のひとつは、シャーリーズ・セロン演じるアイリーン・ウォーノスの容貌が、最後の最後までキッチリと“娼婦”そのものだったからのような気もします。それは、女性監督(パティ・ジェンキンス)だから描けたような気がしてなりません。男性監督の演出だったら、どうだったんでしょう?おそらく観客に「最後は可愛く見えるのよねぇ・・・」な〜んて印象を与えるような甘い演出をしたんじゃないでしょうか?常に不安定な精神状態の主人公を恐ろしいほどのテンションで演じきったシャーリーズ・セロンは間違いなくアカデミー賞に値するでしょう。もちろん、相手役のセルビーを演じたクリスティーナ・リッチも素晴らしいのですが、これは監督の演出の的確さもあると感じました。また、セルビーの性格づけ(自立心に欠け、自己表現力にも欠け、それでいて自己防衛本能だけはしっかり持ち合わせている若者@copyright by ぶらん丼)は映画の中では説得力のあるモノですが、実際にはどうだったんでしょうか?実際は“タイラ”という名前らしいですから、名前を使わせなかったコトを考えても思うところがあるのでしょう。この手の映画ではついて回る問題ですが、第三者の無責任な感想としては、この映画を観ることが出来て良かったとしか言えません。余談ですが、かの『テルマ&ルイーズ』もこの事件にインスパイアされた作品だったそうで、そう聞くと驚くと共にちょっと複雑な想いが頭を過ぎりました。
鳴り物入りで全米公開され大コケした『アラモ』です。なんと言いましょうか、歴史的な背景や登場人物達のバックボーンがほとんど描かれていないので、どうにも感情移入出来ない映画でした。アラモ砦の攻防、ディヴィ・クロケット、ジム・ボウイ、サム・ヒューストン等、歴史上有名な登場人物達の物語だからと言ってあまりにも穴だらけの脚本です。メキシコの独裁者サンタ・アナの圧制に反乱を起こしたテキサス独立の義勇軍・・・程度のストーリーくらいはキチンと描いてないとチンプンカンプンです。言い方を変えればな〜んの背景も描かれていない忠臣蔵みたいな映画です。どれだけ背景を知っていても、それはツマラナイと思うんですけど・・・。合戦シーンの他にも魅力的な部分もあるのに・・・なんとも情け無い駄作でした。どうせ観るならやっぱりジョン・ウェインの『アラモ』ですね!って当たり前か(笑)。
スポーツ・イラストレイテッドで紹介されて話題となった実話の映画化『僕はラジオ』。とにかくオチまでがステレオ・タイプの映画でした(苦笑)。知的障害者(キューバ・グッディングJr)の青年に高校のアメフト・コーチ(エド・ハリス)が「マネジャーにならないか?」と声をかけたコトから始まるストーリーですが、予告編を観て想像した通りに全てが進みます。それでもキューバ・グッディングJrとエド・ハリス(かっこ良過ぎ!(苦笑))の存在感でこの映画は“映画”としての体裁は整っています。何故にコーチが彼に執着するのか?ほとんど描かれません。まぁ、見方によっては「なんじゃ、こりゃ!」みたいな方もいらっしゃるでしょうが、押し付けがましくなくて良い!という意見もあります(笑)。人がイイコトしたくなる時って、別にガンに侵されなくてもあるでしょう?まぁ、ヌルい映画ではありますが、実話なんだし「ああ、いい話だなぁ・・・・」で、イイじゃん!
昨年のベストの1本だった『インファナル・アフェア/無間道』のラウとヤンの若き日が描かれている『インファナル・アフェア/無間序曲』。今回の主役は警察側のウォン(アンソニー・ウォン)とマフィア側のサム(エリック・ツァン)でした。ベテラン二人の存在感はさすがですが、さらに!サムの親分ハウを演じるフランシス・ンの凄みも素晴らしいですし、カリーナ・ラウ演じるサムの女・マリーも前作の女性の描き方に比べたら格段にハマっています。映画は二人を囲む人間達のストーリーをキチンと描くことによって、その人物達との関係から若き日のラウとヤンの性格づけをしていくという、かなり複雑に入り組んだストーリーです。そんな複雑な人間関係なのに“語り”としての演出が下手なのでちょっと戸惑います(苦笑)。それでも前作よりノワール感を増した雰囲気は悪くないですし、底無し沼に沈んでいくように抜け出せなくなるラウとヤンの状況も切ないです。また二人の女性関係もさり気なく触れられており、後付の脚本としては本当に良く出来ています。それは、今作を観ると再び『インファナル・アフェア/無間道』を観ずには居られなくなるというコトでも十分分かります。オイラも常々“善人になりたい”とは思ってるんですけどねぇ・・・ボソ。
『草の乱』って“秩父事件”を描いた映画だったんですねぇ(苦笑)。全然知りませんでした。幕末辺りの、ドコゾの戦いかと思ってました。まぁ、そんなコトはどーでもイイんですが、内容は相変わらずの神山征二郎節とでも言いましょうか、悪くないけど盛り上がらない(苦笑)本当に毎回同じなんですよねぇ・・・ボソ。今回もまた登場人物は多いし、どんどん時間が進むし、ダイジェスト版を観ているような錯覚を覚えます。真面目な人なんでしょうねぇ・・・もっと、絞り込めば良いと思うんですけどねぇ・・・まぁ、歴史の勉強にはなりますけどね。で、緒形直人ですけど、まだまだ固いですけど今後良い役者になる可能性を感じさせてくれました。
『父帰る』は菊地寛ですが、『乳帰る』は横田順彌でもあり、AV女優沢口みきの復帰作だったりもします。また“乳離れ・乳帰る”は小池栄子のデビュー当時のネタだったりもしますし、ブラジャーを胸で一回りさせて「これが本当の乳帰る!」とかいうアホくさいギャグもありました(笑)。というワケでこちらはベネチア映画祭グランプリにして新人監督賞を受賞した『父、帰る』。抜けるような青空さえ寒々しく切り取ってしまう映像は素晴らしく、ロシアに一度も行った事が無くても「ああ、これがロシアの風景なんだ・・・」と納得させるのに十分な説得力を持っています。写真でしか知らない父親が12年ぶりに帰って来て、父と息子二人の旅が始まる。父と兄弟、父と長男、父と次男、長男と次男・・・その全ての関係が新人監督とは思えない巧みな演出で鮮やかに浮き彫りにされます。またそれぞれを演じる役者たちの演技は紛れもなく一流で、特に次男役のイワン・ドブロスラヴォフは卓越した存在感を発揮します。観て損の無い映画であるのは間違いありません。しかし、この映画は好きになれません。この親父には納得出来ません。おそらく、この映画は宗教的だったり神話的だったりする話なんでしょうから、オイラが納得出来ない理由なんて卑小なコトなんだと思います。それでも個人的には好きではありません。遠い昔に『男は黙ってサッポロビール』なんて広告がありましたが、この手の映画が絶賛されると、失われた父性とか、父親復権みたいコトを言うトンチンカンな輩が出て来そうな気もして、さらに嫌です(苦笑)。この映画が絶賛されても不思議は無いと思いますが、こんな親父は嫌いです!
ジル・バレンタインがようやく出てきました。映画の元になっているゲーム版“バイオ・ハザード”のヒロインは誰が何と言ってもジル・バレンタインでしょ(笑)。ミラ・ジョヴォビッチが演じるアリスというキャラは映画の創作なんですけど、ちょっと強すぎる印象です。まぁ、映画にするならこのくらいマッチョなキャラじゃないと作り辛いとは思いますけどね。というワケで『バイオ・ハザード/アポカリプス』です。今回、ストーリーの元になっているのはゲーム版で言えば『3』の“ラスト・ステージ”って奴です。例のモンスターが出てきますからね。まぁ、このモンスターはちょっとどうかと思いますけどね・・・(苦笑)。それ以外は前作に比べて演出の切れ味は上がっていますし、二人のヒロインもカッコいいですし、十分楽しめる出来になっています。個人的には前作より好きかも・・・ボソ。ゲームからとは言え、モンスターは要らないんですけどね(苦笑)。
『24アワー・パーティ・ピープル』『イン・ディス・ワールド』と立て続けに作品を発表しているマイケル・ウインターボトムの新作は初のSF作品『CODE46』。どうもこの人の作品は肌に合わないんです(じゃ、観るなよ(苦笑))。でも、今回は肌に合う合わない以前の問題で全然ダメでした。つまり、近未来の話だからって、物語に都合良いモノだけ進歩させてもらっては困ります。こういうSFが一番ダメなんですよ。あまりに高度な医療技術や、幾らでも犯罪に使われそうなクスリ等、デタラメです。だいたい、そんなに医学が進歩しているのなら妊娠くらい幾らでも制御しているだろうに(苦笑)。まぁ、そういうコトを全部横に置いといても、何故ウィリアム(ティム・ロビンス)がマリア(サマンサ・モートン)に惹かれたのかさっぱり分かりませんでした。っつーか、そういう(惹かれあう)シーンが全くありません(オイラが見逃したのかなぁ・・・)。だから、その後の二人の行動がチンプンカンプン(苦笑)。何故、そういう流れになったのかは後に説明されるんですが、別にそこまで“一瞬の相思相愛”になる説得力は無いと思うんですけどねぇ・・・(笑)まぁ、実際には誰にもわかりませんけどね。物語の骨子は興味深いので、こんなストーリーにしなきゃ、もっと面白くなっただろうに・・・どんなに美しく物語を繕ったところで、歪なモノは歪です。
『ウォーターボーイズ』で一躍メジャー・シーンに躍り出た矢口史靖最新作『スウィングガールズ』。想像していた通りの楽しい映画でした。ただ、悲しいかな、想像は越えないんですよ。矢口監督には、もうひとつ上の輝きを目指して欲しいんですけどねぇ・・・。矢口史靖という人の持ち味は良くも悪くもアマチュア風な匂いがあるところで、毎回手作りっぽい親しみやすさを感じるのですが、同じように全体に風通しが良過ぎるって言うか、ヌルい部分も感じます。ストーリーのアイデアやセンスは申し分ないので、監督としての“巧さ”を観につけたら素晴らしい娯楽映画作家になると思うんですけどねぇ。今回もかなりお粗末なところで演技にOKを出しているのも気になりますし、ギャグの間合いで全体のテンポがズレるところもあって、ところどころでブレーキがかかります。前半の泣きのシーンや後半の全員集合シーンなんてもう少し脚本を煮詰めて欲しいんだけどなぁ・・・。まぁ、全体に軽〜いノリのコメディを狙ったんでしょうけど、それにしては切れ味が今一歩です。この辺りは先日の山中貞雄『丹下左膳餘話・百萬両の壷』なんか参考にして欲しいモンです。それでも、大好きな作品に変わりはありません。全て吹き替え無しの演奏・・・よくぞここまで出来るようになりましたわ!巷では「上手くなるまでの描写がほとんど無いのが不満!」というのがありますが、そんなに気にならなかったなぁ・・・。どうせ上手くなるんだから、あんまりそういうシーンをダラダラ描かれても鬱陶しいだけなような気もします。上手くなる過程に具体的な面白さがあれば気にならないんでしょうけど・・・。
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