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天才の目に映るシーンというのは、凡人のオイラにはとても理解出来ないような映像なんでしょう。『チャリチョコ』に続き、またまたティム・バートンの新作『コープス・ブライド』です。今でもキャラクターが大人気のバートンがプロデュースした『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』と同じ手法のストップ・モーションアニメなんですが、細かな表情は前作よりも大進化を遂げています。例によって、飛び出た目に細長い手足・・・デフォルメされた人形たちは、ともすればグロテスクに見えなくもないのですが、オイラの目には何処か可愛く滑稽で、愛すべきキャラクターに見えてしまいます。あ〜、またフィギュアを買ってしまいそうです(自爆)。おそらく、ティム・バートンの目には現実の世界もこんな風に見えているのかもしれません。さて、今作ですが、♪WHAT’S THIS?と歌いながら探し物をしていたジャックの単純な話と違い、家柄を背負ったビクターとビクトリアの「どーなの?この結婚!」みたいなストーリーですから複雑です。もちろん、その映像世界だけで十分楽しめる出来になっていますが、やはり脚本の甘さが気になります。まぁ、こんなコトを言うのは野暮なんでしょうけど、もう少し煮詰めていればなぁ・・・と、個人的には残念な印象が残りました。主人公のビクターの吹き替えはジョニー・デップですが、コレは上手かったですねぇ・・・でもって、コープス・ブライドは生身のヘレナ・ボナム・カーターにしか見えませんし(笑)、その他のキャスト、エミリー・ワトソン、アルバート・フィニー、トレイシー・ウルマン、クリストファー・リーと素晴らしいです。しかし、もうちょっとナントカならなかったかなぁ・・・・( ̄。 ̄ )ボソ…それでも、フィギュアは買っちゃうと思いますが(苦笑)。
ロン・ハワードにアカデミー賞監督賞をもたらした『ビューティフル・マインド』主演のラッセル・クロウと再びコンビを組んだ最新作『シンデレラマン』。親分が書いているように実に良く出来た、手堅い映画だと思います。オイラも十分楽しみましたし、鼻の奥がツンツンしてしまいました。親分の“ロン・ハワード論”なるほど!さすがで御座います。で、反論とかじゃなくて、あくまでも極私的なボヤキなんですが、ロン・ハワード作品ってのは恐ろしいほどの優等生作品にしか観えないんです。撮影前に、黒インクが無くなるくらい脚本を書き直して、コンテ用紙は消しゴムが役に立たなくなるくらい真っ黒にして、でもって、しっかりと予算は守って、キッチリとスケジュール通りに仕上がる!それで、その仕上がりは水準以上をキープ!・・・コレって、メチャクチャ凄いコトなんですけど、それがオイラには物足りないんです(しかし、我ながらとことん、へそ曲がりですなぁ・・・(自爆))。正直申し上げて、オイラは本作の『シンデレラマン』の完成度の足元にも及ばないティム・バートンの『猿の惑星』とか、リドリー・スコットの『マッチスティック・マン』のが方が好きなんですよ。映画の完成度よりも、自分好みの色香を振りまいてくれる監督に大いに惹かれてしまいます。出来が悪くたって構いません(苦笑)。もちろん!ティムもリドリーもアカデミー賞監督賞は取っていません(笑)。オイラがこんな風な捻くれ者に育ってしまったのは、おそらく自分が“優等生になろう”として来た反動なんでしょう。情けないくらい小市民なんですよね・・・ヂブン(自爆)。
友人から「観ろ!観ろ!」と夏の暑い盛りから耳元で囁かれ続けて来た『ヒトラー/最後の12日間』。とうとう観て来ました!って、もう10月かよ(苦笑)。なるほど!しつこく友人が薦めるワケですわ!これは、素晴らしいです!155分間の長丁場ですが、息苦しくなるような濃密な内容に浸ってしまいました。歴史の中で息途絶えるヒトラー率いるナチス・ドイツ、その断末魔のような叫びが聞こえて来るような映画です。ヒトラーを取り巻く全ての登場人物は、スクリーン上に寸分違わず配置され、ナチスの中核を成して来た表情で言葉を発し、そこに存在しています。映画は、ある距離を置きながら、淡々と崩壊までの流れの中で、誰に思い入れすることも無く、まさに、その瞬間に立ち会っていた人々を描いていきます。ともすれば単調になりがちな演出なのですが、巧みなカット割りで作り出されたテンポの良さで飽きさせません。何故か、終結した時にはホっとしてしまいました。
マイケル・リッチーの往年の名作『がんばれ!ベアーズ』のリメイク『がんばれ!ベアーズ/ニュー・シーズン』です。あの『スクール・オブ・ロック』で一躍表舞台に登場したリチャード・リンクレイター監督最新作ですが、あまりにもヌルい出来にガッカリでした。ソダバーグの『オーシャンズ11』が傑作リメイクに観えるほどです。ストーリーは、前作とほとんど変わりません。今風に変更になった部分・・・例えばエアホッケーがスケボーに、ストーンズがインディーズ?のバンドに変わった程度は可愛いモンなんですが、バターメイカーに監督を依頼するのが男性から女性に代わったコトによって起こるエピソードは、あまりにくだらなくて唖然とします。他にも「なんじゃこりゃ!」というようなシーンやセリフが多くて、ありゃりゃ!で御座います。リンクレイターのセンスを疑わざるを得ません。バターメイカーとヤンキースのレイ(グレッグ・ギニア)の両監督が自分勝手な都合で熱くなってしまい、挙句のチーム崩壊、レイ監督親子の確執シーンから我に帰るバターメイカー等、その辺りの演出がどうしようもなく下手糞です。“一人キャッチ”と“敬遠”、そしてレイの息子がとった行動・・・一番大事なエピソードの描き方も中途半端な上に、そんなワザとらしいコトをやらす為の登場かよ!と首を捻りたくなるシーンもあり、盛り上がるはずの決勝戦もダララ〜ンと延びきったソックスのような印象です。名優と知られるビリー・ボブの演技も“そのまんま『バッド・サンタ』”で、ウォルター・マッソーの何処か憎めないキャラのような深みがありませんし、『ミスティック・リバー』での好演も記憶に新しいマーシャ・ゲイ・ハーデンも(っつーか、ブヨブヨ)、しょーもない役柄で悲しい限りです。子供たちのキャラは前作をほぼ踏襲していますが、昔の子供たちの方が数段可愛いかったから、ここでも完敗!(笑)ひとつだけ前作に勝っている部分は、アマンダの投球フォームでしょうか?それでも上半身だけで投げてますけどね(苦笑)。おそらく、この映画を「面白い!」という人は、前作を観ていない人だけなんじゃないでしょうか? ・・・・間違いない!(って、古いよ)
『8人の女たち』『スイミングプール』(『まぼろし』は未見)とオイラを魅了した、フランスが生んだ若き映画作家フランソワ・オゾンの新作『ふたりの5つの分かれ路』。けっこう期待して観に行ったんですが、これはダメでしたね(笑)。なんつーか、狙っているコトとか描きたいコトとかは分かるんですけど、ハッキリ言って詰まらなかったです。そうとしか言いようが無いです。えっとですねぇ、物凄く久しぶりに・・・そうですねぇ、15年ぶりくらいに開かれた同窓会だとしましょう。いつのまにか時間が過ぎて、気が付いたら、大して親しくも無かった奴と何故か差し向かいだったとしましょう。で、ちょいと酔いが早いぞ!みたいな状態のそいつが、いきなり親しげに「オレさぁ・・・昨日離婚したんだよなぁ・・・」とか話しかけてきて、延々とカミさんとの思い出話をされてもねぇ・・・別に興味ないしなぁ・・・登場人物は知らない奴ばっかりだし(笑)。それも大して面白くない話(エピソードが面白ければ、この映画が面白くなった!という意味ではありませんよ)だし・・・まぁ、そんな印象の映画でした。昔は美しかったけど、今は疲れた二人・・・みたいにしか見えないし、前向きな雰囲気も全然ないし、コレと言った魅力が感じられず苦手な作品でしたわ(´―`)┌ ヤレヤレ…
面白かったぁ〜!久々に力が入りましたわ(苦笑)。オイラは原作漫画を読んでるんで、樹や文太のキャラに最初は戸惑どいましたけど、これは香港映画人による、香港人の為の、香港映画なんですから、「原作ではどうたらこうたら!」なんてのは、ある意味ナンセンスです。そりゃ、日本人が作って、デコトラからエボ�靴�出てきたらブったまげますけどね(笑)。個人的には“樹”のキャラに一番ギャップを感じましたが、でも、アレが香港テイストのキャラなんですよね(苦笑)。アンソニー・ウォン演じる“文太”は悪く無かったと思います。原作ではもっとクールな親父ですが、実写映画のキャラとしては今回の不良中年オヤジの方が生き生きしていて、魅力的かもしれません。ラスト・バトルでの解説シーンなんて、このキャラの方が描きやすいでしょうしね。ジェイ・チョウ演じる藤原拓海のキャラは原作と近い印象でした。ちょっと気が抜けるとバカっぽく見える部分もかなり好感触(笑)。ショーン・ユー演じる中里毅は、もっと熱くても良かったし、高橋涼介の弟・啓介が出てなかったのがなぁ・・・ちょっと残念。それでも、個人的には涼介(エディソン・チャン)、京一(ジョーダン・チャン)、なつき(鈴木杏)はピッタンコでした。なつきの行動がワケありだったのも良かったんじゃないでしょうか。そして、その男の言葉が拓海の背中を押し、新たな世界へ旅立つきっかけになったのも、人が生きていく上で無駄なコトなんて無い!その全てが糧になる!っつー感じで、苦味が効いていて上手い表現でした。
踊るシリーズで邦画のヒットメーカーとしての地位を確立した本広克行監督の最新作『サマータイムマシンブルース』。原作は劇団ヨーロッパ企画の出世作で、タイムパラドックスの辻褄合わせがテーマです。まぁ、コレが良く出来た脚本で、観ている者を退屈させません。パラドックスが始まるまではチョイとモタモタしますが、一旦タイムマシンが稼動しだすと、怒涛の如く走り出します。タイムパラドックスの扱いが上手なんで、それなりに面白いですし、詰まらない!ってコトは無いです。ただねぇ・・・本広監督というのは、頭が良いし上手い監督だとは思うんですけど、この人はユースケ・サンタマリアと似ていて(なんじゃ、そりゃ!)、ユースケ・サンタマリアという人はどんなに熱く語っても嘘にしか聞こえない!というキャラなんですが、本広監督の映画にもそれに似たような印象を受けるんですよ(かなり強引な喩え!)。なんて言うのかなぁ・・・その場を上手く取り繕うことしか考えてないような・・・そんな感じです。言い方を変えると、目指しているハードルが低いような気がして仕方ありません。まぁ、好みなんでしょうけどね。SEがガチャガチャと煩いのも個人的にはちょっと耳障りでした。また、主要登場人物のうち、瑛太、上野樹里、真木ようこ以外はヨーロッパ企画の劇団員が固めているのですが、これが演劇ノリの息の合ったテンションの高いパフォーマンスなんでコレがいいのかどうか?つまり、役者系と劇団系の演技が微妙にズレているような気がしました。まぁ、“田村”を演じる本多力は妙な存在感がありましたね。荒川良々とキャラは被っていますが(笑)それでも『踊る大捜査線THE MOVIE2/レインボーブリッジを封鎖せよ!』や『スペース・トラベラーズ』よりは十分観られます。というワケで、詰まらなくは無いけど、観て損も無いけど、小手先で作ったような映画ばかりが評価されていいのかなぁ・・・と、疑問を感じる今日この頃(今に始まったコトじゃないだろ!)・・・みたいな映画でした(苦笑)。
『ばかのハコ船』とか『リアリズムの宿』とか、リアル過ぎる描写が何処か薄汚れている印象を残す作品を撮ってきた山下敦弘(『くりいむレモン』なんてのもありますが(笑))の新作は、女子高生が主人公の『リンダリンダリンダ』です。今まではダメ男ばかりが主人公だったので、ヨゴれた印象もさもありなん!でしたが、さすがに女子高生は♪どぶねずみ〜っとなっても絵になりますなぁ(笑)。本作は全編に渡って意図的に曖昧な部分を多く描いています。ダラダラとした流れは、監督の山下敦弘の毎度の演出と言ってしまえばそれまでですが、今回は今まで一番効果を発揮しています。例えば・・・台詞のやりとり、発する言葉、受ける表情、時間経過等、その全てが曖昧に描かれていて、その曖昧な調子こそが、微熱に浮かされている思春期だったりするワケです(説得力ないなぁ・・・)。そして、その曖昧な臨場感は、平和に慣れ親しんだ今の日本の空気だったりするような気もしますし、ある意味『エレファント』の時間の流れにも似ているような印象を持ちました。そこへ韓国からの留学生ソンさんの登場です。彼女は茫洋としながらも、カラオケ店でも、友人との会話でもストレートに自分の意見を発します。それは今現在の日本と韓国のお国柄の違いなんでしょう。そして、そのソンさんがラスト近く、アクシデントに上手く対処出来ずに(っつーか、煮え切らない!っつーか、直ぐにあきらめちゃう・・・みたいな、今どきの日本人)右往左往しているメンバーを一気に引っ張りこみ、どぶねずみ達は濡れねずみになりながら一目散に“これが青春だ!”と弾けます。ここで初めて彼女達から曖昧さが消え、それこそ、何故にブルーハーツだったのか!という答えも同時に提示されているのです。パンクロッカーであった、ブルーハーツは単純なコード進行(誰でも三日で憶えられる(笑))に、ストレートな歌詞を乗っけた直線一気のバンドでした。観始めて暫くは「何故にブルーハーツ?」という考えが頭の片隅に残っていて、単にブルーハーツがユニコーンやジッターリン・ジンよりも有名で、既にオールディーズになりつつあるってコトなんかなぁ・・・と思っていたのですが、ソンさんがブルーハーツを聴きながら感動しているシーン辺りから、曖昧な日常に埋もれていた熱い気持ちが少しずつ蘇って来ました(笑)。((笑)って書いちゃうところが、オイラもなぁ・・・)。ブルーハーツに初めて触れた頃の衝撃なんて、とっくの昔に忘れて来ちゃってたんですよねぇ・・・でも、やるときゃやらなきゃ!熱くなるコトはかっこ悪いコトじゃないし、一つの目標に向かって全力を尽くすコトだって、物凄く素敵なコトなんですよ。そんな当たり前のコトが、最近はだんだんと鬱陶しがられているんですよね。きっと、ソンさんも、初めて聴くブルーハーツに心動かされ、展示室をほったらかしちゃったんでしょう(笑)。
ティム・バートンとジョニー・デップが『スリーピー・ホロウ』以来6年ぶりにタッグを組んだ待望の新作『チャーリーとチョコレート工場』。トップシーンから、上がったり下がったりガチャガチャと揺れが激しいくせに妙にゆるやかなメリーゴーランドのようなコースターに乗っているような・・・(って、わかんねーよ!)まぁ、要するにダニー・エルフマン節(大いに炸裂!)のメロディをバックに、これまた、映像が曰く有りげに行進していくような独特のリズムでスクリーンの上に流れて来ます。やっぱり、ティム・バートンはいいですなぁ・・・ついつい胸が高ってしまいます(笑)。チャーリーを囲む人々を始め、例によって登場人物は一癖もふた癖もあるような連中ばかりで、その描き方もますますパワーアップ!「おお!これは傑作かも・・・」と思ったのですが・・・物語が本題に入って行くと・・・ん?どうにも、今回はお遊びが過ぎてしまったようです。とにかく、まとまりに欠けます。絵本を読んでいるような楽しさに溢れてはいるんですが、パロディやら、動物ネタやら、多彩な娯楽的要素が最後まで凝縮されません。デップ演じるウィリー・ウォンカのキャラも、かなりヘンテコで可笑しいんですけど、ただただヘンテコなだけで、あんまり魅力を感じないんだよなぁ。エンディングも取って付けたような印象で、なんとなく終わってしまいます。たぶん、完成度という意味ではバートン作品では一番出来が悪いかも?です。まぁ、オイラの苦手な演出が多かったというのもありますけどね(苦笑)。結局は、チョコレートだからと言って、食べ散らかしちゃダメ!って、コトですかね。
05年カンヌ国際映画祭・批評家週間正式出品作品、フランス作家協会賞、最優秀ヤング批評家賞、最優秀ドイツ批評家賞、鉄道賞(金のレール賞・・・って、なんだよ?)の4賞受賞!一夜の出来事を登場人物それぞれの視点から描いています。この手の映画はフレンチ・ムーヴィーの小品に魅力的なモノが多いんですが、これはまさに拾い物!脚本が丁寧に練られていて、前菜からデザートまで十分堪能出来ます。邦画でもやれば出来るじゃん!たぶん、某有名脚本家の新作『THE 有頂天ホテル』並の豪華キャストでリメイクしても十分採算が取れるでしょう。っつーか、『THE 有頂天ホテル』より面白いと思いますよ・・・たぶん(苦笑)。惜しいのは、脚本の上手さに演出がついて行けてないんですよ。そりゃ、この映画がほとんど初監督作の内田けんじ監督に多くは期待するのは酷ですが、前半はあまりに間が悪いですし、明らかに登場人物の誰かにスポットを当てた方が良いです。おそらく、主役の二人に、もっと濃い演出をしていれば今年度邦画ベスト1になったような気もします。エンディングの作りも上手いんだけどなぁ・・・とにかく、楽しみな新人が出て来たのは間違いありません!当然、次回作にも期待します!っつーか、こういう監督に目を向けて、しっかり育てて、面白い映画を作るプロデューサー!出て来いやぁ〜!
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