不透明に濁った水槽の水 呼吸を苦しそうにしている魚 見もしようとしない飼い主
痛むピアスの痕 焦燥の末開けたせいか 何処かあの魚に似ている気がした
他動でしか動かないゼンマイ式の玩具 微かな記憶でしか無いけれど 遊んでくれた人の顔が思い浮かぶ
未だ幼児の子供のままなのかもしれない 大人になるのを拒んで居る前に なれないのかもしれないね
嘘でも笑えない 誰でも見破れそうな笑顔 笑う意味が無くて無表情を選びたかった
服下に隠す傷跡のみが笑わせてくれる 不適な笑みでも笑えるのだから
此の視界もきっと君のものだから もうすぐ君の誕生日だね
伴う死神からのお迎え 不本意だけど愉しみで眠れない
1人の記憶が欠けてる僕には 欠けたまま柩に入らなきゃいけないから
早く迎えられたらいいね お互いの祝賀の日
したかったのは未来逃避 弐度目は僕の中で許されないから 結ばれない想いが消化不良を起こす
遊んでいた積み木が崩れ落ちた 下敷きになったのは幼き日の僕の手 一瞬で一瞬の夢を消された気がした
あの仔以外を欲すれば 貴方の想い通りになるのに いつも見てるのは重ねる誰かだね
人の眼を通して見てたね 魚の目と同化した僕 意図的に呼吸が出来なくなったあの目を
刹那の感情が残る其の眼でも 何かを見出せた貴方は如何かしてる 僕を見てたのは一度だけだね
2004年05月23日(日) |
フェノールフタレイン |
無数の痕が僕を締め付けてるようで 触ると痛みが走る感覚が 存在してる感覚を与えてくれる
瞬時の痛みよりも残る痛みが善い 刹那のものは遠く感じるから
もっとさらけ出して見えない処が無くなるのなら 此の痕を増やしたい 何処へも逝かないから 身体中の色が変わっても善い
一時の悦びなんて要らない 続く不安定なものが魅力的だから
僕だけを見てくれるのが嬉しい 嫉妬で満ちあふれるのは嫌悪感ばかりで 空っぽになるばかりで満たされはしないから
火炙りで浮かび上がる文字のように 薄っすらとだけ浮かびあがる水面の僕
零すのは泪でも言葉でも無く君への想い いつか僕だけになるから 僕の蜜を零さずに待っていて
亡くなるそのときのみすべて消えるのかしら すべてから離脱するときは望んだものになれるのかしら
意識が解らないときを欲してる 夢中になれる夢の中で溺れていたい 貴方が居ない世界なら何処へでも逝きたい
理由付けなんて本当は何も要らないから ただあたしは貴方を欲したくない
振り向いたあたしはもっと傷つくだけ ただあたしを逢わせたくないんだ 哀しい瞳は僕の瞳を写した鏡だから
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